第6話〜神々の洗礼〜
第6話スタートです!
この話ではいよいよ神の洗礼を受けます。
このアスタリスクという世界では5歳まで生きられたことを神々に感謝をしこれからも見守ってくださいと祈りをすることでステータス魔法を授かるのだ。
これがあると自身のステータスをいつでも好きな時に見れたりこの人になら見せてもいいと思える人なら開示をすることも出来るのだ。
果たしてユーマくんとルディちゃんのステータスとは!?
......
......
僕とルディは今日5歳の誕生日を迎えた。
このアスタリスクでは前世の日本と違い治安は良くない。たとえ子供が生まれたとしてもひょんな事で亡くなってしまう世界なのだ。
だからこそ5歳の誕生日を迎え、無事に5歳まで育ったらこれまでの成長を祝い、これからどのように成長して行くかを神に祈るのが習慣なんだそうだ。
因みにステータス魔法が使えるようになるのもこの洗礼が終わった後である。
ステータス魔法とはその名の通りステータスを自身や他の人に見せることのできる魔法だ。
「そういえば今まで、誕生日とか祝ってもらってなかったな」
一般的には、5歳、10歳、15歳でお祝いをし、15歳で成人となる。
そんな事を考えながら僕は母さんとエイナさんが仕立ててくれた服装に着替えた。
「ユーマ様、そろそろお出かけの準備は出来てますか?」
扉がノックされて、シルフィが部屋に入ってきた。
「シルフィか。もう用意できてるよ」
いつものメイド姿と違い、上品な服装に着替えたシルフィと一緒に部屋を出て応接室に向かった。
応接室では父のブライト、母のサリー、それにルディ、ユリウス、エイナが待っていた。
「父さん、待たせてごめんね」
ユーマは少し遅れてしまった事を待ってくれていた人を代表して父親であるブライトに頭を下げた。
ブライトは笑いながらそれに手を振って返す。
「全然構わないよ。それにしても正装すると見違えるなユーマ。やはり俺とサリーに似ているな」
「ユーマくんかっこいい!」
ユーマの姿を見て、ルディが抱きついてきた。
ルディもドレスっぽい服装がとても似合っていて可愛かった。
「ルディありがとう。ルディも良く似合ってるね。可愛いよ」
そう言うとルディは顔を赤くしながら小声でありがとうと言ってきた。
しかし会っていきなり抱きついて来るスキンシップに最近は少しドキドキするようになった。
それを遠巻きに互いの両親がニヤニヤしながら見て来る。
「それじゃあそろそろ行こうか」
「「「「「「はい!(おう!)」」」」」」
ブライトの掛け声に合わせて、僕達を乗せた馬車は教会に向かって出発した。
「そういえば、ステータス魔法を授けられたらどんな形で見えるようになるの?」
ユーマはステータス魔法を見たことがなかったので、シルフィに聞いてみた。
「ユーマ様は見たことがなかったのですね。でしたら私のを見せて差し上げますよ」
そう言いながらシルフィが唱えた。
〈ステータスオープン〉
シルフィの前に、半透明なガラス画面のようなものが浮かび上がる。
「ステータスと唱えると自分だけ見られるようになって、ステータスオープンで人に見せられるようになるのです」
半透明なガラスのような画面を見せてくれる。
「ユーマ様、もう少し近くに寄ってきてください」
シルフィに甘えて寄り添うとステータス画面が見えるようになったのはいいが、甘くていい匂いにドキドキしたのは秘密だ。
<ステータス>
名前:シルフィ・フォーンベルク
種族:狐人族
年齢:12
レベル:28
体力:3870
魔力:480
筋力:1870
俊敏:3760
属性魔法:火属性LV4
無属性
スキル:獣化
超嗅覚
礼儀作法LV7
料理LV8
加護:神獣の加護
「シルフィってすごく強いんだね!こんなに可愛くて強い子が僕のメイドでとても嬉しいよ」
「ありがとうございます、ユーマ様///」
シルフィは顔を赤くしながらお礼を言ってくれたが、その奥でルディが顔を膨らませていた。
うーん、何故だろう。
「シルフィくんは獣人族特有の身体能力だけでなく魔法も強いからな。そうでなければユーマのメイド兼護衛は務まらんよ」
「いえいえそんなことはないですよ」
「そんなに謙遜しなくても良いよ。私たちが安心してユーマを任せられるくらいシルフィくんは強いよ」
「ありがとうございます!ブライト様」
馬車の中で談笑しているうちに、教会に着いた。
馬車を降り、業者のおじさんにお礼を言った僕達は教会に入り受付へと向かった。
「冒険者パーティー、紅銀の大地のブライト・シンフィールドだ。今日はうちの息子とメンバーの娘が5歳になったので洗礼を受けにきた。司祭様には伝えているはずだが?」
ブライトが受付のシスターに話しかけていた。
「ブライト様ですね。司祭より伺っております。こちらにどうぞ」
受付嬢は、礼儀正しく一礼し案内をしてくれる。
先頭に立ち、家族一同を先導していく。奥に進んだ後、扉を開けその横に立ち一礼をした。
「今、祭壇の準備をしております。この部屋でお待ち下さい」
案内された部屋は、教会だけに豪華ではないものの、落ち着いた部屋だった。
父のブライトが1番奥へ、その横に母のサリー。
ユーマはその横に座った。
ブライトの対面にユリウス、サリーの対面にエイナ、ユーマの対面にルディが座った。
シルフィは最初ご主人様がいるのに座れませんと言い立っていたけど、ユーマが命令で座らせたためユーマの隣に控えめに座っていた。
シスターが人数分の紅茶を用意してくれ、各自の前に置いていく。
「用意ができましたら、お迎えに上がりますので少しお待ち下さい」
シスターはそう言うと、扉の前まで行き、僕達に向かってお辞儀した後部屋を出て行った。
「さて、ユーマにルディちゃん。いよいよだな。2人ともそこまで緊張しなくても平気だぞ。司祭様がその都度、何をするか説明してくれるからな。洗礼が終わったら家に帰ってお祝いだ」
「ユーマ様!魔法の適性や加護をたくさん貰えると良いですね」
「私の子供だもの。魔法の適性はあると思うよ。私と同じくらいだと良いわね」
サリーはそう言うと、ユーマの頭を撫でていた。
(死んだ後神様たちから貰った魔法の適性や加護を見せたら父さんも母さんも喜んでくれるかな?)
ユーマは加藤悠馬として死んだ後エステリアル七神である神達と既に会っていて、その時貰ったものがやっと使えると楽しみにしていたがユーマは知らなかった。自分の魔法適性の多さや加護のレベル、魔力量がこのアスタリスクにおいて、既に人外レベルであると言う事を....
家族で談笑していると、ノックの音がして、シスターが部屋に入ってきた。
「皆様、祭壇の用意ができました。これからご案内しますのでこちらにどうぞ」
シスターの案内について行くと、祭壇の部屋に辿り着いた。
祭壇の前には、司祭と思われる人が待っており、奥には真ん中に少し大きい像を中心に、7体の神の像が佇んでいた。
日の光が窓から差し込んで幻想的に光り輝いていた。
「これはこれはブライト様。お待たせしてしまいましたな。それではこれより、ユーマ・シンフィールド様とルディ・リザベート様の5歳の洗礼を開始いたします。ユーマ様とルディ様は前にお進みください」
父のブライトに促され、ユーマとルディは司祭の前に片膝をついて、手を組む。
「ユーマ・シンフィールド及びルディ・リザベートよ。エステリアル教が讃える七神が、そなたらの5歳の洗礼を祝う。今後も神を讃えよ」
司祭はそのまま神々の像に向かい、膝をつき、手を組んだ。
「この世界を見守る神達よ。ユーマ・シンフィールド及びルディ・リザベートにステータス魔法を授け、道を示したまえ」
その瞬間ユーマの視界は真っ白に染まった。
真っ白に染まった視界が晴れると見た覚えのある場所にいた。
そう、死んだ後に来た神界だ。
なら、あの場所に転移出来るかも。
ユーマは記憶を頼りに〈転移〉を行った先には大きなテーブルと8脚の椅子があった。
そこには3人の神がいた。
「お久しぶりです。ゼノン様、レンコ様、ラム様」
「おお!ユーマ君。久しぶりじゃの」
「お久しぶりです。ユーマさん」
「やっほー、ユーマ君」
「あれ?他の神様達はどうされたのですが?」
「他の神は今ちょっと出払っていてな。いるのは儂等だけなのじゃ」
「そうですか」
「それはそうとユーマ君。5歳の洗礼おめでとうじゃな」
「ありがとうございます。ゼノン様」
「魔法は使えなくとも魔力操作と魔力量増強の修行はしていたみたいね。うん、感心感心」
「ユーマさん。実はあなたに謝罪をしなければならない事があるのです」
「どうされました?レンコ様」
「実は加藤悠馬さんとしてのあなたが亡くなった後、私達と会われた時に5歳の洗礼が終わったら前世の記憶が戻るように仕掛けたと言いましたが、3歳の時に記憶が戻ってしまっていたので改めて謝罪します。すみませんでした」
レンコがユーマに頭を下げた。
「そんな!レンコ様が謝る必要ないですよ。それに記憶が戻っても特に問題はなかったですしね」
5年ぶりの再会に会話が弾んでいたがそろそろ時間が来たのか僕の周りは白く染まり始めていた。
「時間が経つのは早いのう。ユーマ君や、君には既に人外レベルの魔法適性や加護がついておるが、1人になってはいかんぞ。周りに頼ることは恥ずかしいことではないからの」
「はい!必ず覚えておきます」
「じゃあ達者での。教会に来て祈ればまたここに来れるからの」
ゼノンがそう言うと、意識が次第に遠くなっていった。
ふと気付くと、目の前にルディの心配してそうな顔があった。
「ユーマ君、大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ」
いつのまにか戻ってきていたのか。
「これにて洗礼を終わります。今後も神々に感謝を行いながら、成長して行くように祈っております」
「「ありがとうございました!」」
司祭様と神々の像に、頭を下げてから退出した。
帰りの馬車の中で、父さんが不意に話しかけてきた。
「ユーマにルディちゃん。帰ったらまず自分でステータスを確認しなさい。そして夕食のお祝いの時にはステータスを私達に見せてくれないか?」
「勿論だよ。でも最初にシルフィに見せても良い?見せてくれたし僕も早く見せてあげたいんだ」
「それは全然構わないよ」
「ありがとうございます。ユーマ様」
馬車に揺られながら、来た道を戻り、自宅に着いた。
自分の部屋に戻ってきて、ベットの上で一息ついた。
「確かステータスだったな」
<ステータス>
半透明な板が目の前に表示された。
<ステータス>
名前:ユーマ・シンフィールド
種族:人間
年齢:5歳
レベル:1
称号:転生者、神の使徒、神々に愛されし者
体力:4300/4300
魔力:35,870/35,870
筋力:760
俊敏:1000
属性魔法:基本属性LV10(火、水、風、土)
炎属性LV10
氷属性LV10
光属性LV10
闇属性LV10
雷属性LV10
無属性LV10
特殊魔法:創造魔法
混合魔法
回復魔法
時空魔法(転移)(亜空間)
索敵魔法
精霊召喚
スキル:無詠唱
言語理解
連続詠唱
魔力吸収
アイテムボックスLV10
鑑定LV10
武術LV10
体術LV10
物理耐性LV10
全属性魔法耐性LV10
状態異常耐性LV10
加護:創造神の加護LV10
生命神の加護LV10
魔法神の加護LV10
大地神の加護LV10
武神の加護LV10
技能神の加護LV10
商業神の加護LV10
「...........」
ステータスに関してはツッコミどころしかなかったがシルフィには正直に見せようと決心したユーマだった。
「家族には悪いけどこのまま見せたらどうなるか分からないし、隠蔽させてもらうか」
でも....
「もしステータスがバレそうな言動や行動があったら正直に話して謝ろう」
ユーマは夕食までの間にどうステータスを隠蔽するかを考えていた。
はい!どうも。ユウキと申します。
遂にユーマ君のステータス公開でございます。
家族に嘘をつくのは作者の僕からしても心痛いですが、ありのままを見せてしまうと悪用されたり何処かに連れていかれてしまう可能性があるので隠そうとしています。
ユーマ君はシンフィールド家の子供である前に転生者でもあるので5年ほどしか付き合いのない人はたとえ家族であっても簡単には信用できていないのです。
次回はシルフィにステータスを見せる回でございます
ではまた次回話のあとがきでお会いしましょう。