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〜異世界で契約した従魔がEXランクの魔物達でした〜  作者: ユウキ
第2章 イングレア王立学園編
58/63

第49話〜武魔法大会決勝 副将戦 ルディVSヴィオラ〜

武魔法大会決勝も後半戦の副将戦に入ります


2勝1分けと依然優勝に王手をかけているユーマくん達はここで優勝を勝ち取ることが出来るのか!


一方2敗1分けと後がない状況が変わらないスイウェル君達は副将と大将で勝ち対戦成績をイーブンに持ち込むことは出来るのか!


その明暗がはっきり別れる副将戦いよいよスタートです。



それでは本編をどうぞ!

......

......


 お互いの控え室では、副将戦に出場する選手を中心に作戦会議が行われていた。


ーーーーーーーーーーイングレアsideーーーーーーーーー


「いよいよ出番だね。ルディ!」


「そうね!私が勝てばうちが優勝だから頑張ってくるね」


 ルディは気合十分と言った感じだが、肩が若干震えていた。


 恐らく、自分が勝てば僕達の優勝が決まるとあって緊張しているのだろう。


 僕はその緊張を解いてあげようと、ルディに声をかけた。


「うん、頑張って!そうだ、ルディ。ちょっと来て!」


「うん、どうしたの?」


 ルディはなんの疑いもなく僕に近付いてくる。


 その瞬間僕は、ルディを強く抱き締め頭を撫でてあげた。


「え!どうしたの?ユーマくん」


「ルディの肩が震えていたから緊張してるのかなって思ったからほぐしてあげようとね。どう?緊張取れた?」


「ユーマくんにはなんでもお見通しかぁ。でもありがと!お陰で緊張も無くなってリラックスできたよ!」


「それは良かった。緊張するのが悪いとは思わないけど過度に緊張してもベストなパフォーマンスは出せないからね!」


 ルディは僕に抱きついたまま「えへへ」とはにかんだり僕の胸に顔を埋めたりしてた。


 僕からやり出したとはいえみんなの前でこれは恥ずかしすぎる。


 まぁ、可愛いルディの顔を近くで見れたし良しとしようか。



「そういえばルディ。作戦はどんな感じで行くの?」


 ルディが僕の胸に顔を埋めている時にシルフィがルディに副将戦の戦い方を聞いていた。


「そうだねぇ。ユーマくん?」


「どうしたの?」


「私の相手のヴィオラさんってどんな人なの?」


「鑑定スキルで見る限り剣も魔法も優れていて魔法に至っては、火、水、風、土、氷と五属性扱える上にその全てが上級魔法を撃てるレベルみたいだね。でも詳しいことはフィオから聞いた方がいいかな?」


 僕は近くにいたフィオに声をかけた。


「そうね。ヴィオラちゃんとはずっと武魔法大会でもそれ以外でも会ってたことはあるし冒険者として一緒に依頼に行ったこともあるけどかなり強いよ」


「それってどれくらいなの?」


「うーん、例えるのが難しいんだけどみんなは王国の騎士団員がどれくらい強いのか分かる?」


「どの隊員も強くて手練であればかなりの腕だね」


「ユーマくんは何でも知ってるのね」


「国王陛下に言われて王国騎士団や宮廷魔法士団の訓練に参加してるし今では第二王女であるシャルロッテ様に稽古を付けてるくらいだからね」


「色々ツッコミたいし聞きたいこともあるけどそれはまた今度でいいわね。それで騎士団の団長さんは知ってる?」


「うん、知ってるよ。ウェルテックさんでしょ」


 陛下のご好意で騎士団員さん達の訓練に参加させて貰ってる僕だけど、その時最初にお世話になったのが騎士団の団長であるウェルテックさんだ。



「そうそう。まえにそのウェルテックさんと五本勝負をヴィオラちゃんがやってたんだけどその時ヴィオラちゃんが3対2で勝っちゃったんだよね」


「そうなの!?じゃあ、ヴィオラさんってめちゃくちゃ強いんだね」


「ええ、剣も魔法も高いレベルで使えるし攻めるだけかと思いきや緩急を使うとかして色んな戦術を使ってくる子だね」


「なるほどね」


 正直これだけ強いとは思ってなかった僕だけど、ふとルディの表情を見るとフィオの話を聞いてもあっけらかんというかむしろ燃えてるように見えた。


「ルディ、大丈夫?」


「ん?なにが?」


「いや、今のフィオの話を聞いても燃えてたからさ」


「うん、大丈夫だよ。確かにフィオちゃんの話を聞いてヴィオラさんは強いって思ったけど今までユーマくんやみんなと修行してきたことが自信になってるんだ。それにね」


「それに?」


「みんなもだけどユーマくんは私が勝つって信じてくれてるでしょ?」


「勿論だよ!」


「だから私もユーマくん達を信じようって決めてるの。それに私、相手が強いほど燃えるタイプみたいだから」


 ルディは胸の前でグッと拳を握った。


「なるほど、気合いは十分って訳だ。じゃあ、作戦はどんな感じで行こうか?」


「そうね。向こうは剣も魔法も高いレベルで扱ってくるとなると短期決戦でも持久戦でもしんどい所だね」


「鑑定してみたけど魔力量はルディの方が多いから悩みどころだね」


 僕とルディ、シルフィが頭を悩ませていると横からオーグが割って来た。


「作戦と言えるかわからんが1個いいか?」


「勿論だよ。何か策があるの?」


「ああ。ルディは気配遮断というスキルは使えるか?」


「うん、使えるよ?でもどうするの?」


「フィオさんの試合を参考にするんだ」


「私の?」


「はい。ユーマから教えてもらった空間魔法を使ってワープした後、気配遮断を使ってヴィオラさんの認識から外れる。そこを剣で攻撃していくんだ」


「でもヴィオラさんに気配遮断を無効化もしくは気配を遮断してても気付くようなスキルがある場合どうするの?」


「ユーマ、ヴィオラさんを鑑定した時にそのようなスキルはあったか?」


「いや、無かったよ。でも、スキルは持ってないだけで長年の経験から凡その目測をつけて破ってくる可能性はあるね。良い作戦だと思うけど万が一その作戦が破られた場合の事も考えておこうか」


 その後も作戦会議は続いたが、結局出た案は万が一最初の作戦を破られた時は魔法を撃ち合うことに決めた。


 勿論正面から撃ち合うと経験があるヴィオラさんが上な為、ルディには動きながら魔法を撃っていこうと伝えた。


 僕の修行でうちのメンバーは動きながら魔法を撃つという高等技術を身につけることができた。


 普通魔法使いは詠唱が必要だし集中しなきゃいけないから動くことはないらしいけどうちのメンバーと僕のクラスメイトは無詠唱で撃てるから動きながらでも魔法を使えるようになった。



 作戦会議が終わった後談笑していると、部屋がノックされた。


「フィールドの準備が整いましたので副将戦に出場される選手はご準備をお願いします」


 ドアが開いて入ってきたのは、係員さんだった。



「じゃあ、行ってくるね!」


「行ってらっしゃい。次に僕が控えてるからルディは気楽にね」


「うん、分かってる」


 僕とルディが拳をコツっと合わせた時係員さんの声がした。


「それとこちらにユーマ選手はいらっしゃいますか?」


「はい。僕がユーマです」


 係員さんの呼び掛けに僕は手を挙げて答えた。


「陛下がお呼びなので私の隣にいる騎士について行って貰えますか?アウグスト殿下も一緒にお願いします」


「分かりました。オーグも一緒に行こうか」


「分かった」


「ルディごめんね。全部は見れないかも」


「大丈夫だよ。それに陛下のご指示なら仕方ないよ」


「ありがとね。シルフィとフィオは僕の分まで応援してね。もちろん僕も心では応援してるけどね」


「勿論だよ。ユーマの分まで応援してるから早く行っておいで」


「ありがとう。じゃあ、オーグ行くか」


「ああ」



 僕とオーグは騎士の人について行って陛下のところに向かった。



ーーーーーーーーーーフェイルバードsideーーーーーーーー


「いよいよだね。ヴィオラ」


「ええ、相変わらず後がないから全力で倒してくるわ」


「頼むよ。ただ、向こうはユーマと訓練して更に冒険者として一緒にパーティーを組んでいてあの紅銀の大地さんを親に持つルディだ。用心は怠らないようにね」


「もちろんよ。獅子は兎を追う時も全力を尽くすものよ。あの子がどれくらいやるかは見て見ないと分からないけど私は最初から本気で行くわ」


「1年から知ってるけど相変わらず頼もしいね」


 ドアがノックされ係員が入ってきた。


「フィールドの準備が整いましたので副将戦に出場される選手はご準備をお願いします」


 呼ばれた瞬間、ヴィオラは立ち上がった。


「じゃあ、行ってくるわ」


「行ってらっしゃい。健闘を祈るよ」


「ええ、ありがとう」


 スイウェルとヴィオラは拳をぶつけた。




「お待たせしました!決勝戦も大詰めの副将戦に入ります。今から副将戦に出場する両校の選手をご紹介します。まず、フェイルバード学園からはヴィオラ・ポールスカー!」


 ヴィオラは紹介されると手を挙げて歓声に応えていた。


「ヴィオラ先輩!勝ってスイウェル先輩に繋げて下さいね!」


「ヴィオラ!相変わらず後がねぇんだ。絶対勝てよ!」


 会場の大歓声を聞くに、ヴィオラも学園では大人気なのだろうなとユーマは感じていた。



「続きましてイングレア王立学園からはルディ・リザベートの登場だ!」


 ルディが反対側から登場すると、また大歓声が上がった。


「ルディちゃん頑張って!」


「ルディ、後ろはユーマなんだ!気楽にな!」


「ルディくん、頼んだぞ!」


 ルディに声援を送っているのはクラスメイトや冒険者として活動してる時に知り合った仲間たちだ。


 送られる声援にルディは恥ずかしそうにしながらも手を挙げて応えていた。



「あなたがルディちゃんね。紅銀の大地さんの娘であり先日この国に起きたスタンピードで1番の活躍をした蒼銀の双翼のメンバーの」


「そうですね。でもよく知ってますね」


「ええ、あなた達の功績は私の国も届いているもの。この国の王様と私が住んでる国の王様が仲がいいから情報が入ってくるの」


「なるほど。では私の戦い方も知っていそうですね」


「勿論よ。でも、貴女から出てるオーラや闘志を見たら一筋縄では行かないことが分かるから最初から全力で行かせてもらうわね」


「勿論です。手を抜かれてたら怒ってたところですよ」


 ルディは先輩相手でも臆してなかった。


「それは怖いわね。だから、最初から本気でやりましょ」


「勿論です!」


 審判の人は右手を上げて宣言した。


「それではこれより武魔法大会決勝副将戦ヴィオラ選手対ルディ選手の試合を始めます。双方準備はよろしいですか?」


「ええ!」


「何時でも構いません!」


 2人が頷いたのを確認すると審判の人は右手を下ろした。


「それでは試合開始!」



 副将戦の火蓋が切って落とされた。



「最初からフルで行くわ!<フリーズレブイラ!>」


 ヴィオラは無詠唱で氷属性の上級魔法を撃ってきた。


 ルディは無詠唱で上級魔法が飛んでくるとは思ってなかったのか反応が遅れたが、何とか躱すことが出来ていた。


「やりますね!じゃあ私も行きます。<ワープ!>」


 空間魔法である<ワープ>を唱えた瞬間、ルディの姿がフィールドから消えた。


「フィオが使っていただけにみんな使えるだろうとスイが言ってたけどやっぱりルディちゃんも使えるのね。これは厄介そうね。でも、楽しいわ」


 ヴィオラは笑っていた。


 ルディが姿を消して数分後、試合が動いた。


「くっ!」


 苦悶の表情と声を出したのはヴィオラだった。


 ヴィオラがルディに後ろから切られて倒れたのだ。


 ヴィオラはすぐに立ち上がって辺りを見回したがどこにもルディの姿は無かった。


(ルディちゃんどこにもいないわね。これはまずいわ。切られては消えてを繰り返されるとこちらが一方的にやられて負けてしまう....何か良い策はないかしら)



「っ!」


 策を考えていたヴィオラだが突如として背後から気配と殺気を感じ取り横へ飛んだ。


 そのすぐ後、先程までいたヴィオラの位置に斬撃が飛んでフィールドに傷を付けていた。



(今のはルディちゃんのスキルかしら?フィールドに傷を付けるほどの威力なんてどんな修行をしてきたのかしらね。SPは余ってるしこの状況を打破出来るスキル取れるかしら?)


 ヴィオラはこの状況を変えられるスキルを取れないかと時折飛んでくるルディの攻撃を避けながらリストを漁っていた。



 暫くすると、ヴィオラは顔を上げて当たりをキョロキョロしだした。


(新しいスキルの効果が本当なら私にもルディちゃんが見えるはず!)



「そこにいるのね。<ファイアランス!>」


 ヴィオラは自身の右後ろに向かってファイアランスを撃った。


 暫くすると、ルディがヴィオラがファイアランスで撃った少し横から姿を現した。


「ヴィオラさん、今のは少し危なかったですよ...なんで私の位置が分かったんですか?」


「最初は気配もしなかったから何処にいるか分からなかったけどルディちゃんが攻撃を仕掛けてくるときに一瞬漏れた気配と殺気、そして余っていたスキルポイントを使って気配察知というスキルを取って今の状態みたいに攻撃出来たという訳なの」


「なるほどです。気配察知を獲得したならもう気配遮断を使うのは意味がなさそうですね」


 ルディはうんと1回頷くと、すぐに魔力を練る準備を始めた。


「その魔力の流れは威力よりも確実性を重視した感じかしら?」


「ええ、そうです。気配遮断は破られてしまいましたがここからが本番ですよ」


「それは楽しみね。蒼銀の双翼、ルディ・リザベートちゃんの更なる本気が見られそうね」


 ルディとヴィオラは最初の所定位置に戻ると、お互いに右手を差し出した。


 武魔法大会決勝副将戦はこれからさらに激しさを増していく。

はいどうも!こんにちは。ユウキです


お久しぶりの投稿になってしまい申し訳ありませんでした


暑さとモチベ低下により思ったより執筆と添削が進みませんでした<(_ _)>


これからはもう少しペースを上げれるよう頑張っていきますのでこんな僕ですがこれからもお付き合い頂けると幸いです!


次回をお楽しみに!



これからも更新は不定期ですが、なるべく早く次の話を投稿できるよう頑張りますので「頑張れ!」とか「更新待ってるぞ!」と思ってくださった方は、是非ブックマーク追加とポイントをよろしくお願いします!


☆アイコン1つにつき、2ポイントとなり、評価点は一人一作品に対し、2~10ポイントまで入れることができるそうなので、この作品を読んでくださってる方、これからこの作品を知る方も是非評価していただけると嬉しいです。


もしこの話が面白いと思ってもらえたら評価とブックマーク登録も忘れずにしてもらえると、嬉しいですし主の執筆活動の励みやモチベーション維持にもつながりますのでよろしくお願いします。


1人1人の評価はとても大切ですし投稿や作成の励みになります。


また「ここはこうした方が面白くなるよ」とか「ここ面白かった」などの感想もどんどん受け付けています。


感想は確認次第返信していきますのでじゃんじゃん送ってきてください。



次回予告

ルディとヴィオラの副将戦が始まり激しさを増す中国王陛下に呼び出されたユーマとオーグ


国王陛下の呼び出しとはイングレア王国に忍び込んだ魔族の事だった


それを知ったオーグの反応は!?


また魔族に対するユーマの作戦も明らかに


果たしてユーマとイングレア王国の運命やいかに!



次回:幕間〜それぞれの思惑〜


次回から2話ほど魔族との話を幕間で繰り広げます



お楽しみに!

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