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〜異世界で契約した従魔がEXランクの魔物達でした〜  作者: ユウキ
第2章 イングレア王立学園編
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第39話〜武魔法大会団体1回戦 中堅 フィオVSザラフ〜

第39話スタートです!


今回のお話は武魔法大会1回戦の中堅戦です。



幕間を2つ挟んでの久しぶりの本編です!


ユーマくん達は決勝に行けるのでしょうか!!


それでは、本編スタートです

......

......


 いよいよ中堅戦が迫っていた。


 うちから出るのはフィオさんだ。


 数時間前までのフィオさんだったら相手がザラフくんの事も考えると勝つのは厳しいかなと思っていたけど、今のフィオさんは今までのフィオさんとは違う。


 悩みが無くなり、憑き物が取れたような顔をしているフィオさんなら大丈夫だろう。


 ただ、数時間前フィオさんから聞いた去年までのノズワール帝立学院の戦い方を聞くに、色んな事を警戒してた方が良さそうだな。


「それではフィールドの準備が整いましたので中堅戦に出られる選手はご準備をお願いいたします」


 どうやら、フィオさんの出番が来たみたいだ。


「フィオさん頑張ってね!今のフィオさんなら勝てるよ」


「うん!勝ってくるよ。ユーマくん」


 フィオさんはそういうと、とびきりの笑顔で控え室を出た。



 フィールドへの入退場口の所で係員の人から声をかけられた。


「では、出番ですので頑張ってきてください。ご武運をお祈りしておりますよ」


「ありがとうございます!」



「皆さん、お待たせいたしました。これより武魔法大会団体戦1回戦の中堅戦を行います。まず、ノズワール帝立学院代表、チームキャプテンのザラフ・フォン・エーベルバッハの登場だ!」


 ザラフくんが登場すると、ノズワール帝立学院側の観客席から歓声が上がった。


 彼の学園での人気も高いらしい。


「さあ、続いてはイングレア王立学園代表、フィオ・ローレンツの登場だ。彼女は1年生の時からこの武魔法大会に出場している強者だが、今日は果たしてどんな戦いを見せてくれるのか!」


 フィオさんが登場すると、反対にイングレア王立学園側の観客席から歓声が上がった。


「フィオさん、頑張って〜!」


「フィオ!今年こそそいつに勝ってくれよ!」


 イングレア王立学園側の観客席から聞こえた声援に、フィオさんは微笑んで答えていた。


「よう!去年ぶりだなぁ。フィオ」


「そうね、久しぶりだね。ザラフくん」



「それでは、これより武魔法大会個人1回戦、中堅戦のザラフ・フォン・エーベルバッハ対フィオ・ローレンツの試合を始めます。試合....開始ッ!」


 審判の合図とともに、飛び出したのはザラフくんの方だった。


 フィオさんが純粋な魔法使いで接近戦があまり得意でないというデメリットを突いてきたのだ。


 でもフィオさんは落ち着いているようだった。


 それもそのはず、そのデメリットは今までのフィオさんのデータであって僕達と出会ったあとの今のフィオさんには通用しないデータだったからだ。


<ファイアーウォール!>


 フィオさんが無詠唱で高威力の魔法を放ったため、ザラフくんは戸惑って足を止めてしまった。


 フィオさんは武魔法大会に向けての僕達との訓練で、僕が無詠唱で魔法を撃つことを教えていたのだ。


 最初はイメージが出来ずに失敗ばかりだったけど、最後の方は無詠唱で撃つ方が強いと感じるまでに成長していた。


 ザラフくんが足を止めていたため、フィオさんが放った<ファイアーウォール>はザラフくんをぐるっと1周囲うまで広がっていた。



「あっちー!くそ!無詠唱で撃てるなんて情報なかったぞ!」


 フィオさんが無詠唱で魔法を撃ったことに、観客席からもどよめきが起こっていた。


「おい、今フィオさん無詠唱で撃たなかったか?」


「ああ!確かに無詠唱だった。無詠唱は詠唱するよりも威力が落ちるんじゃなかったのか?」


「ああ、そう習ったがフィオさんのは詠唱するのと変わらないかそれ以上のパワーだったよな?どうなってるんだ?」


「そういえば1年Sクラスのやつら全員無詠唱で撃てるって聞いた事あるぜ?何でも首席のユーマって奴が教えているらしい」


「まじかよ!俺らも教わりたいが、ダメなのかな?ダメもとで聞きに行ってみようぜ」


「へー、フィオまで無詠唱で撃てるようになったか。ユーマのやつ本気で優勝取りに行ってるな!」


「どういうことかね?ラルフ先生。ユーマくんが無詠唱魔法を教えてるんですか?」


「ええ、今では1年Sクラスの魔法の授業はユーマが教えていると言っても過言では無いですし、そのお陰で1年Sクラスのみんなが無詠唱で魔法を撃てるようになりましたよ。もちろん個人差はありますけどね。オーグやルディは無詠唱で撃たなくても勝てると踏んでわざと詠唱したのでしょう。ユーマがあまり広めて欲しくないと言ってましたからね」


「だが、フィオくんは無詠唱で撃ったと言うことは」


「ええ、そうしないとザラフくんには勝てないのが分かっていたのでしょう。」



「まだまだ行くよ!<ウィンドブラスト!>」


 フィオさんは追い打ちをかけるため、<ファイアーウォール>の中にいるザラフくんに向かって風属性の魔法である<ウィンドブラスト>を撃っていた。


 魔法には、属性相性が存在する。


 魔力量に差があれば相反する魔法でも打ち消し合わずに勝てるのだがそうでない場合は、属性相性をもろに受けてしまうのだ。


 例を挙げるなら火属性や炎属性には水属性が、雷属性には土属性と言った具合にぶつかりあった時に相殺するもしくは消されてしまう属性が存在するのだ。


 逆に火属性や炎属性には風属性が、水属性には雷属性と言った具合にお互いの魔法の威力を高め合ってしまう属性もある。


 先程、フィオさんが放った風属性の<ウィンドブラスト>は、ザラフくんを囲っている火属性の<ファイアーウォール>との相性がバッチリなので....



「ぐぁぁぁ!くっそー!!火属性と風属性の相性が良すぎる上にファイアーウォールが目くらましになって見えねぇ!」


こういった感じとなるわけだ。


このまま行けば、フィオさんが勝つだろうけど僕はフィオさんに説明された事を思い出していた。


(イングレア王立学園は3年連続でノズワール帝立学院に負けてるけど、その中でもここ2年は酷い怪我を負った生徒もいるか....ルールを無視した違反行為に走る可能性も検討しておくか)


 僕が、そんな事を考えているとファイアーウォールが晴れてそこにはなんとザラフくんが耐えて残っていた。


「今のは、かなりやばかったぜぇ。フィオ」


「嘘でしょ!今のでも立っていられるの!?」


「こいつはとっておきだったんだがなぁ。こうなったら仕方ねぇ!こいつでお前を負かせてやる!」


 ザラフくんが、自分の右手で自身の心臓付近を掴んだ。


 すると....



「ぐぁぁぁぁぁ!」


 ザラフくんは悲痛な叫びを上げていたが、彼に集まっている魔力の量が尋常ではなかった。


【ラルフ先生!聞こえますか?】


【その声はユーマか?どうした?】


【ザラフくんにとんでもない魔力が集まってます!甚大な被害が出る前に、みんなの避難をお願いします!】


【ユーマはどうするんだ?】


【フィオさんを助けに行きます!恐らくああなってしまったザラフくんを止められるのは僕だけなので!】


【分かった!気を付けろよ】


【はい!!】


 僕は、念話を切ると....


「ザラフくんにものすごい量の魔力が集まっている。オーグ、ルディ、シルフィはラルフ先生の手伝いを頼む!みんなを避難させてくれ!


「ユーマはどうするんだ?」


「フィオさんを助けに行くよ!対戦とは関係ない人が入るとその試合に出てる人は失格になるんだけどこうなったらそんな事言ってる場合じゃないからね!」


「分かった!気を付けろよ」


「わかってるよ!」


 みんなと別れた僕は、フィールドに向かった。



 フィールドに着くと、僕は目を疑った。


 なぜなら、フィオさんがお腹から血を出して倒れていたからだ。


 僕がもっと早く着いてればなんて後悔もあるけど今は先に怪我を治さないと!



「フィオさん!大丈夫ですか!?」


「ユーマくん?私は大丈夫よ...」


 なんてフィオさんは強がっていたけど、傷が思ったよりも深くて明らかに大丈夫そうではなかった。


「今、回復させます!<エクストラヒール>」


 僕が使ったのは、回復魔法の中でも上級に位置しているが回復魔法自体使える人が少ないため、普通の属性魔法の超級並みの珍しさがあるらしい。


<エクストラヒール>をかけ終わったフィオは、傷が完璧にふさがっており元々けがなんかしてなかったんじゃないか?と言われてもおかしくないほど傷跡もなく治っていたが失ってしまった血まではユーマでも治せないため、足をふらつかせていた。


「フィオさん、大丈夫ですか?」


「ええ、まだ戦えるわ」


 と言っても、足がふらついていてはまともな戦力にならない。


 それにこうなっているフィオさんをこれ以上戦わせたくないと考えた僕は....


「その状況でまともに戦えないでしょ?いいから、ここは僕に任せてフィオさんはラルフ先生の所に行って休んでてください!」


「そんなわけに行かないでしょ!私も戦うわ」


 こうなったら、フィオさんはテコでも動かないからなぁ。


 こうなったら!


「そんな状態のフィオさんがいても足手まといなだけだよ!今は逃げる事に専念して」


「ユーマくん、酷い!そんなこと言うなんて!」


 パシっといい音が響き、僕の顔は右を向いていて口の中が血の味がした。


 どうやら僕は、フィオさんに叩かれたようだ。


 フィオさんは、口を開いて顔を真っ青にしながらかけて出て行ってしまった。


 少し見えたけど、泣いているようだった。


 そりゃあ、あれだけ酷いことを言えば誰でもそうなるだろう。


 後で、謝っておこう。


 その前にこいつを何とかしないとな!


「グォォォォォォ!コロス、フィオモ、ミンナモ、ココニイルゼンインコロシテヤル!!」



 目が赤くなり、体の周りに赤黒いオーラを放っていた。


 これが父さんたちが言ってた魔物化した人、魔人か。


「ザラフくん!君は暴走しすぎた。今ここで僕の手で安らかにしてあげるよ」


「シネェェェェェ!」


 ザラフくんの手から、高威力の熱線が飛んできた。


<ウォーターランス!>


 ザラフくんの放った熱線と僕の水槍(ウォーターランス)がぶつかり合い相殺した。


(魔人化すると本人の持ってる魔力量が跳ね上がるとは聞いてたけど、まさか僕の魔法と相殺するとはね。

これは本気で行かないとまずいかな!)


 僕は、父さん達から貰っていた白い薔薇色の剣[白薔薇]をアイテムボックスから出して、抜いた。


「ザラフくんには悪いけど、僕の本当の戦い方を見せてあげるよ!」


 僕はそういうと右手に白薔薇を持ち、左手に魔力を集中させた。


<ファイアーランス!>


 僕は、ファイアーランスを撃ちながらザラフくんの元に走った。


「ジャマスルナラオマエモコロシテヤル!」


 ザラフくんの猛攻撃を躱しながら、白薔薇でザラフくんを切りつけた。


「グァァァァァァ!」


 僕の剣は、ザラフくんの右肩から左の腰まで深く傷を付けた。


 しかし、傷が直ぐに癒えてしまったのだ。


(あの回復スピードも魔人化したことによる恩恵なのかなぁ。あの回復スピードを上回るためには、攻撃を続けるしかなさそうだね)


 観客や関係者の避難も無事に完了したようで、闘技場には僕と魔人化したザラフくんだけが残っていた。


(避難も完了して誰もいないし、ある程度力を解放しても大丈夫かな?)


 そう考えた僕は、魔法を唱えた。


<カオスエクスプロージョン!>


 僕が今唱えたのは、闇属性と炎属性を合わせた所謂複合魔法と呼ばれる超級魔法だ。


 複合魔法は基本的には全て上級以上ほとんどが超級魔法だと言う。


 その中でも僕が撃った<カオスエクスプロージョン>は当たった相手が死ぬまで消えることがない云わば最強に近い魔法なのだ。


 僕は白薔薇に着いているエンチャント{移動速度上昇}のお陰で、ザラフくんにすぐさま接近して<カオスエクスプロージョン>を叩き込むことが出来た。



「グァァァァァァ!」


 魔物化した人とはいえ、人を殺すのはやはり感じるものがあるな。


 ゼノン達のお陰で気に病むことはないと思うけど、やっぱ精神的にはくるな。


 僕は<カオスエクスプロージョン>で焼かれ続けるザラフくんを見守り、心の中で安らかに眠れるよう祈った。


 そして暫くすると、闇炎(カオスエクスプロージョン)が晴れてそこにはザラフくんの焼死体があった。


 匂いがきつかったが、目を背けちゃいけないと思いずっと見続けた。



 すると遠くから、オーグとルディがやってきた。


「おーい!ユーマ」


「ユーマくん!大丈夫!?」


「オーグにルディか。僕は大丈夫だよ!」


 ルディは僕の元に来ると、抱きついてきた。


「もう!心配したんだからね!」


「ごめんごめん。もう大丈夫だよ。相手は倒せたから」


「それにしても魔物化した人、魔人か。これは帝国側にも詳しく聞く必要がありそうだな。父上に頼んでみよう。ユーマも俺と一緒に来て父上に話してくれるか?」


「もちろんだよ。それに僕もちょうどガルムさんに話したいこともあったしね」


「では、急だが明日に王城に来てもらえるか?謁見といった形で話してもらう」


「分かった。じゃあ明日行くよ」


 明日ガルムさんに謁見する約束をオーグとした僕は、医療テントにいると聞いたフィオさんの元に来ていた。


 もちろん謝るためだ。


 ルディには、シルフィやオーグと一緒にラルフ先生の手伝いをしてもらっている。


「お邪魔します。フィオさん、体調はどう?」


「ユーマくん?大丈夫よ。傷はユーマくんが治してくれたし失った血も安静にしてれば大丈夫だって」


「そうか!良かった」



 暫くの間、沈黙が流れたが謝るのは早い方がいいと思い意を決して口を開いた。


「「あの!!」」


 まさかのフィオさんと同じタイミングで口を開いてしまった。


「フィ...フィオさんから良いよ」


「ユーマくんからどうぞ!」


「じゃあ、同時に言おうよ!」


「良いよ。せーの!」



「「あの時はごめん!(ごめんなさい!)」」


 同時に2人の口から出たのは、同じく謝罪だった。


「あの時、フィオの気持ちも考えないできついこと言っちゃったよね?ごめん」


「私こそ、ちょっと考えればユーマくんの言った言葉の意味を理解出来たはずなのに感情に任せて殴っちゃったよね?ごめんね、痛くなかった?」


「大丈夫だよ!」


 僕とフィオさんは仲直りをして、暫く談笑をしていた。


 ルディやシルフィと一緒に帰っていた時、僕は自分の気持ちに気がついた。


(そうか、なんでフィオさんが傷ついた時胸が痛くなったのか、なんでフィオさんが殴ってきて泣きそうな顔をされた時に胸が苦しくなったのかやっと分かった)


 そう、ずっと気が付かなかったこの気持ち....


(僕は....フィオさんが好きなんだ。これは揺るぎない事実だし、婚約者でもある2人には相談しておいた方がいいだろうな)


 僕は、2人に聞いてみた。


「ルディ、シルフィ」


「どうしたの?ユーマくん」


「ユーマ?どうしたの?」


「2人は僕が、フィオさんの事が好きだって言ったら反対するかい?」


 僕は、2人の返事を待った。


「私は良いよ。フィオ先輩の気持ちにも気づいてたし、あの人なら仲良くやれそうだよ!」


「私もルディと同意見かな。私もフィオさんとなら仲良く出来ると思う」


「2人ともありがとう!」


 僕は、2人にお礼を言った。


 明日の謁見が終わったあと、フィオさんに告白の返事とプロポーズをしよう。


 告白は先にされちゃったけど、プロポーズは男である僕からしたいしね。


 3人で帰りながらも、心の中でフィオさんへの気持ちを固めた僕だった。

はい!どうも。ユウキと申します。


いや〜、とうとうフィオさんへの告白の返事を次回話でします。


今回新たに魔物化した人、魔人が出てきたので恒例の説明に入りたいと思います。


その際、大まかではありますが魔神についても触れたいと思っています。


魔人

魔人とは、人ならざる超越存在のひとつで、主に魔力など普通の人間を凌駕する量を持っている。


また、回復スピードも尋常ではなく深く傷つけられてもすぐに回復してしまうのだ。


魔神

魔神とはその名の通り魔の神である。


また、音が同じなため、魔人と混同されて使われる場合もあるがその実態は似ても似つかないほど差が歴然である。


魔王や魔族たちには神様のような存在として崇め称えられている。




なろうのシステムが変わり、「文章・ストーリー評価」の区分けがなくなって、☆アイコンでの5段階評価になったみたいです。


☆アイコン1つにつき、2ポイントとなり、評価点は一人一作品に対し、2~10ポイントまで入れることができるそうなので、この作品を読んでくださってる方、これからこの作品を知る方も是非評価していただけると嬉しいです。


ブックマーク登録も忘れずにしてもらえると、嬉しいですし主の執筆活動の励みやモチベーション維持にもつながります。


次回予告

魔人を討伐したユーマ


国王陛下への謁見後、ユーマはゼノン達から教えられた情報を陛下に知らせる。


そして、フィオへの気持ちに気付いたユーマ。


彼女への返事とプロポーズは上手くいくのだろうか!



次回:〜謁見と3人目のプロポーズ〜




次回もお楽しみに!

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