第22話〜忍び寄る脅威〜
第22話スタートです!
このお話ではユーマくんのお父さんであるブライトさんが驚愕の事実をギルド長から知らされる話です。
果たしてユーマくん達に降りかかる驚異とはなにか?
......
......
試験が終わった後、ルディと別れた僕とシルフィは家に戻っていた。
「ただいま〜」
「ただいま戻りました」
出迎えてくれたのは、母さんだった。
「あら?おかえり、ユーマ君、シルフィ」
「あれ?父さんは?」
「ブライトなら、ギルド長から緊急の呼び出しがあったとかなんとかって言って1時間ぐらい前に出たわよ」
「そっか。じゃあお昼には帰ってこれないかなぁ」
「うん、難しいかも知れないわね」
「本当なら父さんもいて、みんなが揃って言うことだなと思ってたけど、母さんにだけは僕とシルフィの試験に出来を言おうかな?」
「試験の出来なら心配してないけど、せっかくならブライトが揃ってから聞くことにするわ」
「うん、分かった」
「良い返事ね。じゃあ2人とも手を洗ってきなさい。お昼にしましょう」
「「はい!」」
この時の僕は、なぜ父さんが呼び出されているのか知る良しもなかった。
そしてこの先起こる、大変な事件はもうすぐそこまで来ていた。
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ユーマ達が試験を終えて家に帰る数時間前。
シンフィールド家では....
「サリー、すまんが少し出かけてくる」
「え⁉︎今から?あと少しでユーマ君とシルフィが帰ってくるのに?」
「ああ、ギルド長直々に念話が入ってきた。今すぐ会いたいとな」
「分かったわ。ギルド長が直々に言ってきたと言う事は、遅くなりそうなのね」
「恐らくな.....だからお昼はお前達だけで食べていてくれ」
「分かったわ。行ってらっしゃい」
「行ってくる!」
そして1時間後、ブライトはギルドに来ていた。
「冒険者パーティー、紅銀の大地のブライト・シンフィールドだ。ギルド長から至急ギルドに来てくれとの通達を受けた。ギルド長は今いるか?」
息を切らせながらも、受付嬢に尋ねた。
「ブライト様ですね。今確認して参りますので少々お待ち下さい」
「ああ、分かった」
待つ事、数分。
先程奥に消えていった受付嬢が帰ってきた。
「おまたせしました。ギルド長が会われるそうなのでついてきてください」
「ああ」
奥の扉から入り、階段を上がった先の通路の1番奥の部屋の前で受付嬢が止まった。
この部屋が、ギルド長であるグリスの部屋だからだ。
「ギルド長、ブライト様をお連れ致しました」
「うむ。入れ!」
「失礼します」
部屋に入ると、ギルド長が自分の執務机に両肘をついて、手を組んでいた。
「久しぶりだなぁ。ブライト」
「ああ、グリスも元気そうだな!」
2人はまるで学生の頃の友達が、久しぶりに再開したと言わんばかりに握手を交わしていた。
「ミラル君も下がって良いぞ。ご苦労だったな」
「いえ、では私はこれで」
そう言い、案内してくれた受付嬢ことミラルは一礼した後、下がっていった。
「それで、グリス。緊急で念話を飛ばした時は焦ったが、何かあったのか?」
「ああ、その事なんだが。実はな....ここから北に50kmほど離れた場所に、ラピルスと言う小さな村がある事は知っているだろう?」
「ああ、何回か依頼を受けたときに中継地として寄らせてもらった事がある。そこがどうかしたのか?」
「ああ、つい先日そのラピルスの村が大量の魔物の集団に襲われ、滅びてしまったんだ。助かったのは、そのことを知らせに来た10代と見られる若い冒険者2人だ。後で確認に行ったら村は壊滅、生存者もいなかったそうだ」
「なっ!スタンピードか⁉︎」
「恐らくな....ラピルスの村が襲われたとなればここが狙われるのも時間の問題であろう」
「ここには俺たち紅銀の大地がいるし、王国騎士団や王国魔法師団が居るだろう。魔物なんかに遅れをとるかよ」
ブライトがそう息巻くも、ギルド長であるグリスはゆっくり首を横に振った。
「残念ながらそれだけの兵力があったとしても助かるのは良くて、2、3割であろう。下手をすれば全滅もありうる」
「なんでそんなことが分かるんだよ!そもそも魔物の数は何匹ぐらいなんだ」
「確認が取れてる時点で総数は4、5万匹。その中で数が多いのがAランクからBランク体の魔物だ。中には、Sランクもいて、そしてその魔物達の1番奥には、EXランクの魔物であるエンシェント・ドラゴンがいるそうだ」
「なにっ!」
ブライトが驚くのも無理はない。
Sランクの魔物ならなんとか人の手で討伐することが可能だ。
ただ、EXランクともなると話は変わってくる。
そもそもEXランクの魔物自体珍しく、人の手で討伐された記録など数が少ない。
しかも、今回のEXランクの魔物はエンシェント・ドラゴンと言って、龍種の中でも2番目の地位を持つ龍王なのだ。
「グリスよ」
「なんだ?」
「この事は、陛下はご存知か?」
「いや、知らせてはいない。それも含めて、お前を今日呼び出したのだ」
「つまり、俺が伝えろと?」
「そうだ。この国では、お前たちが1番ガルム陛下と仲が良い。だから、頼む」
グリスはブライトに向かって、思い切り頭を下げた。
「分かった。あと魔物達がどれくらいで、ここに来るか分かるか?」
「これは予測の域を出ないが、恐らくあと1ヶ月もあればこの国に、到着しよう」
「分かった。それも含めて陛下には俺が伝える。グリスはなるべく多くの冒険者たちを募っておいてくれ」
「あい、分かった」
グリスとの話を終えたブライトは急ぎ、王城へ向かった。
ギルドを出て、真っ直ぐに王城に向かった。
いつもの衛兵のところで、身分証としてギルドカードを提示し、ガルム陛下のいる執務室に向かった。
「陛下!冒険者パーティー、紅銀の大地のブライト・シンフィールド様がお見えになりました」
「うむ!入って良いぞ」
中に入ると沢山の書類を整理しているガルム陛下がいた。
「君はもう下がって良いぞ!」
「はっ!」
衛兵は深く一礼した後、元の任務に戻っていった。
「陛下、今日は急な訪問をしてしまい、すみませんでした」
「いえいえ、大丈夫ですよ。それよりも息を整えてください」
「ありがとうございます」
数分で息を整えると、もう一度陛下の方を向いた。
「それで、ブライト殿。今日はどのようなご用件で?」
「実はここから北に50kmほど離れた場所にあるラピルス村が大量の魔物に襲われ、壊滅したようなのです」
「なっ!それは本当ですか⁉︎」
「はい。ここに来る前、ギルドの方でグリスギルド長から話を聞きました」
「大量の魔物という事は、スタンピードですかな?」
「恐らくそうであると思われます」
「そうですか。その魔物の規模とここに来るまでの期間などは聞いていますか?」
「勿論です。総数は4万から5万匹。その中で数が多いのがAランクからBランク体の魔物だそうです。その中にはSランクの魔物もいて、そしてその魔物達の1番奥には、EXランクの魔物であるエンシェント・ドラゴンがいるそうです」
「なんと⁉︎Sランクだけではなく、EXランクの魔物もいるのですか」
「そのように聞いております。因みにここに来るまでの時間は憶測の域ですが、1ヶ月程だそうです」
「分かりました。今出かけている王国騎士や王国魔法師達はすぐに呼び戻しましょう。ブライト殿達も参加してくださるんですよね?」
「勿論です。我々、紅銀の大地も参加させていただきます。あと私たちの子供であるユーマやルディにも出てもらいます」
「ユーマ君は分かりますが、ルディちゃんは大丈夫なのですか?」
「ええ。私達紅銀の大地がユーマ、ルディ、そしてユーマの専属メイドであるシルフィに修行をつけたので。3人個々がAランクの魔物に引けを取らないほどの実力を持っています。それぞれの従魔と力を合わせればかなりの戦力になると思われます」
「分かりました。それではユーマ君達にも参加してもらう事にします。ところで明日ユーマ君達に会えませんか?」
「大丈夫ですよ。いつお伺いしましょう」
「朝方なら私も空いておりますので、その時間に来てください」
「分かりました。お伺いする前に念話を飛ばしますね」
「よろしくお願いします」
そうして、俺は陛下に頭を下げた後自宅へと戻っていった。
父さんが家に戻ってきたのは夕方だった。
「ただいま〜」
「お帰り、父さん」
「おかえりなさい。疲れたでしょ。先にお風呂にする?それともご飯にする?」
「先に風呂に入るよ。ユーマ、久しぶりに父さんと入るか?」
「うん!」
風呂から上がった僕たちは、今日の試験の出来を父さん達に話した。
母さんは魔法の試験でうまく行ったことを喜んでいた。
父さんも良くやったなと褒めてくれてとても嬉しかった。
明日は合格発表だ。
僕とルディとシルフィ、3人とも受かってると良いな。
あと、そこまで望んでないけど合格順位が上の方だと父さん達もっと喜んでくれるだろうな。
そう考えつつ、自分の部屋のベットに入って寝た。
あとがき
はい!どうも。ユウキと申します。
魔物達のスタンピードが起きたということで、大変な事件になりそうですね。
というわけで今回は新しく登場した魔物紹介とスタンピードについてご紹介したいと思います。
・エンシェントドラゴン
EXランクの魔物で龍王の役名を得ている。
龍王というのは序列で言うと神龍であるリムルの一つ下である。
知能・魔力・体力……どれをとっても並みの人間など敵わぬ程に強く巨大なドラゴンで、古代から生息しているといわれている始祖龍の1匹。
普通のブレス攻撃よりも状態異常攻撃のように混乱・睡眠・暗闇・スロウ・出血と多種にわたって使用してくる。
各種攻撃に闇属性も含まれているので、状態異常防止の意味も含めて闇耐性だけでも上げておくと被ダメを減らせるだろう。
エンシェントドラゴンには氷・雷・聖属性が有効、炎属性は効果が薄く、闇属性は全く効かない。
スタンピード(魔物の氾濫)
魔物の大量発生による自然災害の一種だ。
本来魔物は、別種同士だと余程の事がない限り共存したりする事はないのだが、1つの場所に巨大な魔力が集まり、そこから名種様々な魔物が生まれる事がある。
それがスタンピードだ。
本来魔物の発生は世界樹の存在で安定されているが、スタンピードはその魔力が極稀に一時的に不安定になる事で発生する現象とも言われている。
そしてスタンピードよって生み出された魔物は共通して、最も魔力が集まっている場所を目指して、群れを成し行進する。
そして、その際に広がった魔力の余波で各地で強力な魔物が誕生して、各地に甚大な被害が出る。
スタンピードは発生する周期が不定期で、何時に何処で発生するのかが判明していない。
更にどういった条件で魔力が集まるのか、何故世界樹の魔力が不安定になるのか、そのメカニズムも解明されていない、謎の自然災害と呼ばれている。
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次回予告
試験の結果を見に行ったユーマ、ルディ、シルフィの3人
そこで見た驚きの結果とは
そして陛下と再び会ったユーマ達
そこで聞かされた驚愕の真実とは
次回:合格発表と驚愕の事実




