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第10話〜今後の対策〜

第10話スタートです!



今回の話では今後のユーマくん達についてみんなで話し合う所です


このアスタリスクでも数が少ない神の名を持つEXランクの神獣フェンリルと契約したユーマくん、Sランクの魔物だが姿を自身で変えられることから特異種となりEXランクに格上げされる空の悪魔グリフォンと契約したルディちゃんの今後はどうなってしまうか注目です!

......

......


 ルクスは自分の能力で仔犬のような大きさにすることができ、クリスも自身の力でぬいぐるみのような外見になれるのを目の当たりにした僕たちは、クリスがグリフォンの中でも特異種だということがわかった。


 シルフィはルクスを見た瞬間、神獣フェンリルであることが分かったのか片膝をついて頭を深く下げていた。


 シルフィら獣人族はフェンリルの守護下に入っていて、神の御使いとして崇めているらしい。


 その日の夜は、シンフィールド家とリザベート家による合同パーティーが行われた。



 ルクスとクリスは小さくなったまま、料理を食べていた。


 どうやら、普段はこの姿でいる方針のようだ。


 何でも、この姿で食事をすると、胃袋とかもそのサイズに反映される様で、食費の削減などに大きく貢献できるそうだ。



 因みに、僕達はこの2匹のこの状態のことを、ミニサイズと呼ぶことにした。



 食事が終わった頃に、父さんが食器を置き真剣な表情をしていた。


「さて、無事に2人の従魔契約が終わったところで、2人のこれからのことについて話し合いたいんだが」


 話のテーマは、やっぱりその事か。



 僕もルディも通常ではあり得ない魔物と魔力が適合していることが分かった。


 こんな事実をイングレア王国、つまり王家や貴族が放って置くとは思えない。


 アスタリスクでの身分は平民と貴族、そして王族に分かれている。


 僕達の住んでいるイングレア王国や友好国の王族や貴族はかなり温和な人が多いそうなのだが、そんな温和な人が多い国でも王家に仕えている大臣の中には帝国主義と言って他国に戦争を仕掛けようとする過激な考えを持つ者もいるらしい。


「もし、王国の過激派や横暴な貴族がルクスやクリスの事を知ったら・・・」


 そう、最大の問題はそこだ。


 ルクスはフェンリルであり、神獣だ。


 クリスも種族はSランクのグリフォンだが、特異種である事からEXランクになる。


 もしそんな連中が2匹のことを知ったら、どうなるかは目に見えてる。


「王家の過激派は2匹の契約者であるユーマとルディちゃんを取り込み、2匹を軍事利用して世界各国に戦争を仕掛けるだろう」


「まあ、そんな事はあの王様が認めるとは思えないけどね」


「そして貴族の場合は、2匹を無理やり奪い取る姿が目に浮かぶわね。そして、2匹を見世物として自慢するか、殺してその素材を剥ぎ取られるかもしくは剥製にされて自慢材料になるかね」


 そう、魔物の素材は高ランクであるほどその価値は高くなる。


 冒険者達は主に、自分たちが討伐した魔物の素材を使って、武器や防具を鍛冶屋などで作ってもらい、自身の強化を図る。


 ましてや、EXランクの魔物である2匹から取れる素材は相当な価値で取引されるんだろう。


「えっ⁉︎クリス殺されちゃうの⁉︎そんなの嫌だよ!せっかく会えた家族なのに!」


 ルディは今の親たちの会話から、クリス達が殺されると思ったのか泣きながらクリスを抱きしめていた。


 僕も無意識に、ルクスを抱きしめていた。


 彼はそんな周りの空気から不安そうな眼をしていた。


「心配するな、ルディ。そんな事はパパ達がさせない!」


「ユーマくんも安心して、お母さん達がなんとかするから」


 その言葉を聞いて、僕とルディの目には希望の光が見えた。


「何か良い方法があるの?」


「まずは明日、この国の王様に会いに行こう。お父さん達はこの国の王族とは縁があるから、きっとなんとかしてくれるだろう」


「王様も私達が来たと知れば、必ず会ってくれるわ」


 どうやら父さん達は冒険者として、王様と深い親交があるみたいだ。


 今はその案に賭けるしかない為、明日王城に行くことになって話は纏まった。


......

......


 翌朝目が覚めるとそこには、小さい姿のクルスがジッと僕の事を見つめていた。


【おはようございます、我が主】


 ルクスはお兄さんのような優しい声で挨拶をしてきた。


「おはよう、ルクス。もう起きてたなら、先に行っても良かったんだよ?」


【そういう訳には行きません。僕は主の従魔。何時如何なる時も、主の傍にいるのは当然の事です】


 どうやらルクスは僕の傍に常にいる事を固く決め、それを譲る気はないようだ。


 その姿に、僕は苦笑いを浮かべた。


「そっか。じゃあ、着替えようか」


 僕は寝間着から正装に着替えた。


 今日は王城に行くためだ。


「オンっ!」


「クォオン!」


 リビングに入るとバルドスとフラウスが朝の挨拶をしてきた。


「バルドス、フラウス、おはよう」


【おはようございます。バルドス殿、フラウス殿】


 ルクスは魔物の存在では自分が上位だが、バルドス達は僕の両親の従魔ーーつまり自分の先輩のような存在として、「殿」を付けて丁寧語で話している。


 僕らは朝食を食べたあと、昨日の話し合い通りに王城へと向かう準備をした。


 身嗜みを整えた僕は、ルクスと一緒に家を出た。


 ルクスの定位置は僕のすぐ横だ。


【主に何か起こった時に、すぐお助けするためなのでここは譲りません!】と言っていた。


 少し近すぎる気もするのだが断固として譲ってくれなかったので諦めることにした。


「おはよう、ユーマくん!」


 外に出ると、僕と同じように子供用のドレスを着たルディが抱きついてきた。


「おはよう、ルディ」


 ルディの傍には、特殊能力で小さくなったクリスがちょこんと座っていた。


「おはよう、クリス」


【おはようございます、クリス】


「クルゥ」


 2人と2匹で暫く話し合っていると、普段着から正装姿となった父さん達が出てきた。


 王城へは、馬車で行くことになった。


 御者はユリウスさんが務め、馬の代わりにバルドスとフラウスを馬車に繋いで引いてもらって、僕たちは馬車に乗り込んだ。


 尚、ルクスとクリスは僕とルディの膝の上だ。


 馬車を出して暫くすると、イングレア王国の王都についた。


 アスタリスクの街並みは、地球でいうところの中世ヨーロッパのイメージが強かった。


 馬車の窓から外を見てみると、住んでる人々の傍には従魔らしき魔物があちこちいた。



「皆、着いたぞ」


 御者台のユリウスさんの声が聞こえてきた。


 着いたという事は、窓から覗いてみると、王城の城壁が見えていた。


 門番の近衛兵がユリウスさんに素性と目的を尋ねていた。


「我々はSランク冒険者パーティー、紅銀の大地です。本日は国王陛下に御用があり、参りました」


 ユリウスさんはそう言い、近衛兵に身分証明書のような物を見せた。


「失礼いたしました!どうぞ‼︎」


 その言葉と共に城門が開き、馬車は中に入っていった。


 紅銀の大地とは父さん達のパーティー名のことだそうだ。


 このパーティーは父さん達が10歳の学生になりたての頃に結成したパーティーで、父さん達は幼少の頃に凄腕の元冒険者に鍛えられて、その甲斐もあって結成時からメキメキと頭角を現し、遂には竜王(龍の中で2番目に強い)をも討伐して紅銀の大地はそれまでの功績により父さん達は当時18歳という最年少でSランクに達したそうだ。


 結果、紅銀の大地はこの大陸でしか活動していないが、その実力や経歴、個々人の従魔の存在などで世界中に知られる有名なパーティーとなったのだ。


 暫く進んで馬車から降りた僕達は、衛兵の案内で国王陛下のいる玉座の間の前まできた。

はい!どうも、ユウキと申します。

今回で国王陛下の前まで来ました。


次回で遂にこの国の王様を含む王族の方達や、王家に使える大臣などが出てきます。


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評価はどれくらい面白かったのかが分かりますし、1人1人の評価は大きいので、まだ未評価の方は是非お願いいたします。


感想は、確認次第返信する方針で行きますので、良かったところ、気になった所、ここはもう少しこうしたほうがいいんじゃないか等、是非感想を送ってみてください。


お待ちしております。


次回予告

イングレア国王に謁見したユーマとルディ。

国王にルクスとクリスを紹介した時、意外な関係を知る。


次回:王への謁見と意外な関係

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