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ヤマトタケル物語  作者: 現代人が古代人にツッコんでみた
3/13

双子の兄貴

まずは、小碓の兄、大碓の所業から、物語は始まります。


ある日、子だくさん妻だくさんの景行パパは、美濃の国に美人姉妹がいるという噂を聞いて、宮中に召し上げるために大碓に命じて迎えに行かせます。

ところが、美女の色香に迷ったのか、「いい加減に女漁りは止めろよ親父」と憤ったのか、大碓は二人とも自分のモノにして、景行には別の娘を差し出しました。

すぐに景行は偽物だと気づいて恨んだのですが、大碓を咎める事はせず悶々とするばかりでした。


この「使者を派遣して美人を得る」という型の話は『記』『紀』には頻出して、例えば、応神(おうじん)(景行の曾孫)の時は息子の大雀命(おおさざきのみこと)(後の仁徳(にんとく))に美女を快く譲り、その仁徳の時は美女を寝取った弟の速総別王(はやぶさわけのみこ)を攻め殺しています。

同じシチュエーションでの対応の差は、それぞれの天皇の性格の違いが表れているのかも。


さて、父親の女を奪った大碓、後ろめたく思ったり、悪事の発覚を恐れたりで、朝晩の食事の席に出てきません。

一家団欒のために食卓を囲む事が推奨されている現代ですが、古代でも朝ご飯と夕ご飯を家族そろって食べるのが良いとされていたんですね。

大碓に顔を見せるよう、景行は我らが小碓に「慰めて言い聞かせたってや」(奈良県人だから関西弁)と頼みます。

それなのに5日経っても、大碓は姿を現しません。

「何で大碓は()うへんのや?」と景行が尋ねると、「もう慰めてやりました」と小碓が答えるので、景行は「慰めてやったって?」と再び尋ねます。

そこで、小碓は驚愕的告白をしました。

「朝、トイレに入った時を狙って捕まえて、手足を引きちぎって袋に包んで捨てました」

どうやら小碓君、父の「慰める」をヤ〇ザ用語っぽい言い回しのほうだと思い込んだようです。


言葉の意味を勘違いして失敗する笑い話が元となっているそうですが、兄殺しの(くだり)に取り入れるのは流石に不謹慎な気が。

それにしても、日本を代表する英雄のはずなのに、最初のエピソードがこんな脳筋そのものでいいんでしょうか。


こうして、イケメンな双子の皇子という萌え要素は、あっさり消滅してしまったのでした……。

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