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青年時代の自画像

作者: 雅 未


私は中学校二年生の二学期から学校へ行くのを辞めてしまった。当時、私は学校に行く意味を、見失っていた。学業を辞めてしまったのは損をしたと思っている。

学校に行かず、文学の世界に浸る時間が増えた。私は自堕落であった。

同級生たちとの付き合いが下らないものだと、私は粋がった。不良の真似をして、格好ばかり付けていた。煙草を吸い、小説を読む日々が続いていた。映画を観て過ごす日もあった。


祖母も母も、私の将来を心配した。母は泣いていた。祖母は怒り、


「お前は地獄に堕ちる」


と私に言った。私もそう思った。


私は公園にスケッチしに行ったことがあった。私は公園の噴水を描いた。どこかの高校生たちがスケッチしに来ていた。


私は昼間から映画館へ行き、映画を観た。かなり贅沢な中学生である。


だが私も将来を憂い、不安であった。漠然と小説家になりたいと思っていた。だが、今の自分には無理だと思っていた。


学校の級友たちの、自分に対する評判など、どうでも良かった。ただ、私は身体が弱く、寝込みがちだった。それで、学校に登校できなかった。


中学三年生になり、修学旅行のために、級友たちが家に来た。私は憂鬱であった。谷から飛び降りる勇気で学校へ行った。既に二学期になっていた。

修学旅行は散々であった。私は常に孤独であった。体調も悪かった。酷い旅行であった。


進路をデザイン関係の学校にした。絵は描いていたが、取り分け格段にうまいわけではなかったし、好きでも無かった。


試験の日に、私はその学校に行った。試験は国語と実技であった。実技はデッサンだった。

試験の結果は合格であった。

祖母と母は喜んだ。私は別にどうでも良かった。ただ本を読み、勉強ができればそれで良かった。


春になった。

新しい学校で、私は高校生になった。

新しい友達ができ、美術の授業の多い学校で、芸術を学んだ。

Hという親友が出来、私はHの家に入り浸り、自堕落に過ごした。

芸術大学に行くために、デッサンの勉強をしていた。


しかし、高校二年生の時に、母の経営していた会社が、倒産した。




リーマンショックによる不況は、母の会社にも影響していたようである。

私の芸術大学進学の夢は、絶たれた。それは、私の人生は終わったようなものだと思った。

私は、漫画家になろうと、漫画を描き始めた。漫画を描いては、出版社に送った。しかし、落選が続いていた。私は行き詰まった。死も考えた。だが死ぬ気力も勇気もなかった。


しかし、悪いことばかりではなかった。

高校で彼女が出来た。黒い髪のMという学生と、交際していた。

しかし、すぐに別れてしまった。


私は心身ともに疲れ切っていた。

高等学校の三年生に進級しようとしていた。




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