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第3話 「夢の外」

ふと気づくと俺は仰向けで天井を眺めていた

さっきまで教室にいたはずなのに



一瞬何が起こったかわからなかったが

いつも通りに朝、目を覚ましただけ

現実に戻っただけ



夢だった。

さっきまでの高校生活はすべて夢だった。


まぁそんなのはよくある話だ。

リアルすぎる夢を見た後は一瞬どっちが現実なのか

本当は今が夢なんじゃないか

そう感じたことのある人は少なくないだろう。



ただ、いつもなら、

頭を切り替え、現実に戻り

すぐに身体を起こして仕事の支度を始めるけれど



この日は、気づいたら目から涙がこぼれ

ベッドの上でしばらく静かに泣いていた。

泣くなんて久しぶりの事で自分でも戸惑った。


自分でもなぜ泣いているのか

なぜこんなにも悲しいのかわからなかった。

けれど、すごく胸が苦しく、頭が混乱していた。



夢で何かあったのか?

思い出せるのは、教室…セミ…ノート…

普通の高校生活…普通の…


ただ懐かしさで泣いていたのか…?

いや、そんなはずはない…


思い出せ、他になにか、

シャープペン…水色のシャープペン…

何か…誰かと会話していた…

女の子…女の子と会話していた!

何を話していた?どんな子だった?

顔は?声は?名前は?


…何も思い出せない



ほんの数分前に夢で出会って

楽しく会話していたずなのに

もう彼女の顔も、声も、仕草も、何を話したのかも、

何も思い出せない



ただ、一つだけ覚えていたこと、思い出したことがあった



それは、彼女の事を本気で好きだったこと。



そっか、だからこんなに悲しいんだ。

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