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蜜蜂。  作者: 戸瑚夕羽
20/29

君の答え、僕の決意。

奏真Side


夜乃さん。ちゃんとお話がしたいです。

なので、次の土曜日の10時、初めて逢ったバス停の近くにある、カフェ<Story>で会えませんか?



僕の決意のつもり。

あなたに、嫌われても。あなたに、見離されても。僕は貴女が好きです。

お願い。

最後のお願い。

もう我が儘言わないから、最後に一度だけお話をさせて。ください。



これが、ダメなら僕は貴女を諦めます。

これで、僕の片想いは終わるんだ。


「よしっ」

送信ボタンを押して、僕はまたひとつ階段を上る。

階段の後ろを振り返っても、ずっとずっと暗いまま。

僕の出生に何か隠れた秘密があるなんて思いもしなかったあの頃、僕の本当の両親は幸せだったのだろうか。

僕は、本当の父に会って、ちゃんと言いたい。

「僕はここまで大きくなりました。お父さんは、今幸せですか?僕を知っていますか?」

他にも、たくさん知りたい。

同じ場所にほくろがあるのか、同じ癖はあるのか、顔は誰に似ているのか。


言い出せばキリがない。

『奏真』という名前は誰が決めたのか。

それも含めて...。


ぎゅっと携帯を握っていると、隠れた着信音が僕の手のひらに小さい振動を与えた。

僕は今までにないほどに急いでメールを開いた。


奏真くん、ごめんね。

お父さんが家で会いなさいって言ってるの。

それでもいいかな?


手が震えだす。

なぜかわからない。

でも、どんどん身体中に広がって、全身が震えだす。

とうとう手から携帯を落としてしまった。


何といえばいいのか、兄が合鍵で入ってきた。

「奏真!?大丈夫か?」

焦ってる兄、紘真さん。

紘真さんなんて言ったら、お腹を抱えて笑うだろう。

「紘兄、やっと...やっと、本当の...父さんに会える...」

兄は少し疑問の表情を浮かべ、僕の方を心配そうな声で言った。

「ほんとに...、行くのか?もう、戻ってこないのか?」

僕の母は紛れもなく兄さんと同じだ。

だから、もし、本当の父さんが籍を入れようとしても、何もしないつもりだ。

「紘兄、僕はいなくならない。僕、...俺、守りたいから...」

大好きだと、わかったから。

もう、踏み出さないと...後悔する。

俺は、もう逃げない。

絶対、納得のいくまで......。

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