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1:00の部屋 2

 みっちりしてて読みにくかったのでスペース空けました。


 僕はまず視界が悪いので部屋が明るくなるところを想像した。本当なら僕だけ相手の姿が見えるようにとかするべきだろうが、どういう構造でこっちが見えているのかよく分からないので、様子を見るためにもとりあえず明るくするだけにしておく。


 カッと強い光が部屋を包み、怪物が怯んだのが分かった。ずっと暗い部屋にいたせいで、光に慣れてないみたいだ。ただこれでは僕も目がつぶれてしまうので、少しだけ明るさを落とす。

 丁度いい明るさまで落として怪物を見上げると、まあ、何となく予想はついていたけど、そいつが巨大な柱時計であることが分かった。こんな力技担当的役割をしているせいかひどくボロボロで、深い引っ掻き傷が付いていたり、ガラスが割れていたりしている。キラキラ光るあの棒のような武器は、多分外れた振り子だろう。


 不思議なのは、これだけボロボロなのに文字盤には全くと言っていい程傷が付いていないことだ。ガラスが割れていのは勿論のこと、秒針もきちんと動いて正確に秒を刻んでいる。そういえばさっきの警備員たちも、中にはベルが取れていたり所々へこんでいる奴がいたりしたけど、文字盤には傷一つ付いていなかった。謎だ。傷を付けてはいけない理由か何かあるのか? もしかしたら、何か倒すきっかけになるかもしれない。


 試しに大きめの床の破片を拾って投げてつけてみると怪物は振り子で破片を弾き、やはりゆっくりと振り向いた。違うのは文字盤を思い切り曲げて怒っている(ように見える)ことだ。

 なんか逆鱗に触れちゃったみたいだな・・・・・・やばいかも。

 いやでも、これで何かあるんだってことは分かったな。うん。結果オーライだ。


 怪物は思い切り顔をゆがめたまま振り子を振り落し、そのまま滅茶苦茶に振り子を振り回した。明るすぎて見えないから、めちゃくちゃに振り回せば一発くらい当たるだろうとか考えてるのかもしれない。

 軽く言ったけど、間近で見てると制御不能になったロボットみたいでめちゃくちゃ怖い。まさに暴走って感じだ。

 こんな奴、話の中に出てきたっけ? それとも僕が話の中にないことをしちゃったのか?


 とりあえずあんなのに当たったら間違いなく死んじゃうし、このままじゃ次の部屋へも行けないから、どうにかしてこの暴走を止めなくちゃ。

 僕はまず怪物の動きを止めるために、大木に絡まる太い蔦を思い浮かべさらにそれが怪物に絡まるのを想像した。そのままだとちぎられてしまうので、安易に金属製にする。これでちぎれないかな・・・・・・いや、念には念だ。さらに蔦を太くする。


 もう一度蔦が怪物に絡まる姿を想像すると、地面から銀色の蔦がニョキニョキ生えてあっという間に怪物に巻きついた。そのまま顔まですっぽり包み込み、力を込める。唯一の弱点かもしれない文字盤を割るためだ。


 怪物は蔦に絡まれたことで大人しくなっていたが、文字盤を蔦で締め付けると苦しそうにジタバタともがいた。うわあ・・・・・・ものすごく苦しそうだ。なんだか見てられない。でもここで放しちゃったら今度こそぶっ殺されるだろうし・・・・・・うーーーごめんなさい。ひとおもいに殺ってしまいます。


 蔦に思い切り力を込めるとバキッという音を立てて文字盤が割れ、苦しそうにもがいていた怪物が動かなくなったかと思うと、するすると縮んでただの置き時計になった。倒すと元に戻るシステムらしい。


 しかしやっぱりボロボロなことに変わりはなく、文字盤も割れたままだった。僕はせめてもの罪滅ぼしに割れたガラスをテープで貼り合わせてみたが、かえって不恰好になっただけだった。

 何か・・・・・・ごめん。今度からもっと綺麗に倒します。

 

 ――――第一ステージクリア――――


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