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第二章 その5(蛇足)

 ああ、そうそう。これは別に忘れていたわけじゃないのだけれど、店番を任されていた日辻の所に戻ると、龍さんが「動いているような気がする」などと言い出して一悶着あった。動いているというのはもちろん龍さんの城であるワゴンのことで、巳津さんは最初の内は「動いてねえって」などと笑って取り合わなかったのだが、「位置を覚えている」「タイヤの周りに真新しい跡が」などとしつこく食い下がり、日辻は妙に目を反らすわ声は震えて上擦っているわで、こりゃ完全にクロだなと思っていたが、もちろん龍さんから同意を求められた時には「気のせいじゃないっすか?」と返しておいた。早く帰りたかったし。それでもしつこく食い下がる龍さんにブチ切れた巳津さんが相棒のでかいけつに蹴りをかましていた。

 この日、ボクは巳津さんが恐れられる本当の理由を知ったように思う。(へび)の字を持つ女性の脚には鬼が宿っている。龍さんも蛇に足を付け足すような余計なことをしなければ良かったのに。

 ボクは蛇足なんて金輪際やらかさないでおこうと心に決めた。

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