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呪いの川柳師が異世界を往く!

作者: アルグレン

お前らは『川柳師』と言うのは知ってるか?

まぁ、知ってたら怖いけどな・・・・なんたって俺が作った名前だから!

あ、自己紹介が遅れたな。

俺はあかつき竜鳴りゅめい

黒髪黒目に、170に59と言う普通の背丈に普通の顔、普通の成績だ。

ちなみに呪われている。

どんな呪いなのかと言うと、『川柳』を唱えると、其の通りになる。只其れだけだ。

気付いたのは小6位の時かな。

国語の授業で、『雨嵐 吹き荒らすよ この町を』と、言う川柳を詠んだ。

すると、突然俺の住んでる町一帯に嵐が吹き荒らした。

もちろん、実現するなんて思っても無かったし、俺としては、友達とのふざけたネタ見たいな物だった。


そん時は教師も偶然だと思ってたし、俺らも偶然だと思っていた。

問題は、そのような事が多々あった事だ。

怖くなった、教師や親が何を思ったか、国の研究施設に連れて行った。

施設で、脳波を調べたりアレコレしたが原因は不明。


その次に俺はあらゆる神社や寺に連れて行き、除霊。

其の中の寺に一つだけビンゴが来た。俺には呪われている事が判明。

まぁ、そんな訳で、俺には『川柳』を詠むと実現する。そんな呪いが掛かっている。

其れからの俺は、全ての辞書を読んだと言っても過言では無いほどに辞書を読み漁った。


……まぁ、何故俺がこんなプロローグをしているかと言うと、現実逃避だ。

何か、知らない部屋に居て、目の前にドレスを着た金髪碧眼の美少女が居て、周りには鎧を着込んだおっさん集団(一部例外あり)が居る。

皆して、険しい顔をしている。

何かしたかな、俺………

川柳使って、はげのおっさんに犬の糞踏ませたのが悪かったのか?

それとも、美形カップル、破局させたのが、悪かったのか?

それともそれとも………「世界を救ってください、勇者様!」…勇者様?


「え?勇者様ってどういう事?」

「はい、貴方様こそが代666代目の勇者様です!」

「666って演技悪……って勇者ってやっぱり魔王とか倒すの?」

「はい、やっぱりって言うのが不思議ですけど、その通り魔王を倒して頂きたいのです。」

「断る!」


え?だってメンドクサイし★


「貴様ァ!何故故に勇者と言う栄光ある、使命を手放す!」

さっきのおっさん集団の例外の赤髪黒目のイケメン兵士が叫ぶ。

多分、この流れからして、あのイケメン兵士相当の腕なんだろな~


「だってさぁ、どうせ異世界から勇者を召喚して助けて貰おうとか言うヘタレ王国なんだろ?」

「違う!アルf「黙りなさい!!」…姫様…」


さっきの金髪碧眼の美少女がイケメン兵士を止めたって、あの子姫様っだたの?

「分かりました、どうしても魔王を倒さないと言うなら、こっちも条件があります。」

「ほぅ、どんな条件を出す?」

「貴方を元の世界に戻しません!」


こいつ、凄い事言うな。

「貴方が、魔王を倒したら、元の世界に戻しましょう。」

「俺は此処でお前らを殺す事が出来る、言っちゃえば、世界を壊すことも出来る。」

「そんな事、貴方には出来ません、私には魔力の総量が分かります。貴方には魔力が無い。」


周りで、兵士が嘲笑うのが見える。

なら、一回力の差って奴を見せたるか…


「目の前に うまいおにぎり 現れよ」


そう詠むやいなや、ポンッと言う音と共に、目の前にうまそうなおにぎりが現れる。

俺はそれをキャッチし、当たり前ながら食う。

「うん、うまい!いや~、腹へってたんだよな~」


周りの奴は何かポカーンって顔してる。

「何故、貴方が創造魔法を………」

姫様が驚愕の顔で呟く。

「あ、これ魔法?じゃ無いよ。」

「じゃ、その握り飯は何だ!!」

イケメン兵士が叫ぶが、かなり五月蝿い。

おっさん集団も、しかめっ面してるしな。

「これは、俺の呪いだ。五七五の川柳を詠む事で、その内容が実現する。」

「川柳とは何ですか?」

姫様興味津々だな。

「川柳って言うのは、そーだな…五文字七文字五文字の短文みたいな物だな。」

「じゃ、それに当て嵌めたら、自分の世界に帰れるんじゃないですか?」

「帰れるよ、でも…俺が帰ったら、困るだろ?」


姫様がたじろぐ。

「え、でも魔王を倒しに行くのは、嫌なんじゃ…」

「嫌だけど、あんたらは嫌な奴じゃ無いって事が分かったからな。」

「じゃぁ……魔王を倒し、私達の国を助けてくれるんですか?」

私達の国…か、国なんか助けたって如何にもならねーって。



「俺は国なんか助けねえ!俺が助けるのは、人だけだ!」



…俺、すげえ事叫んだな。

「あんた、すげえ奴だよ。天晴れだ!」

おっさん集団の中の一人が叫んだ。

「ゼノンさん……」

姫様がさん付けって、すげえ奴なのか?

「では、我がアルファロス王国の民を魔王を倒して、お助けください!」

「りょーかい!!」

「宜しくな、兄ちゃん!」

ゼノンが俺の肩を叩いて部屋から出て行く。

「俺は、あんたを認めねえからな。」

イケメン兵士が俺に呟いて、またもや部屋から出て行く。

それを口切りにゾロゾロと、兵士やら、魔法使いらしき人物らがへやから出て行く。

「あ、自己紹介が未だでしたね、私はミカエル・アルファロスです。ミカエルと呼んでください。」

ミカエルって、大天使じゃねえか…

「俺は、暁 竜鳴だ。いや、こっちじゃリュウメイ アカツキだな。リュメイとでも呼んでくれや。」

「はい!宜しくお願いします!」


そんなこんなで、俺の異世界の一日目は…「あ、後でお父様の所に行くので。」終わらなかった。



「そなたが、666代目勇者か?」

「そうだけど、おっちゃんが国王?」

「そうじゃ、ワシがオーディン・アルファロスじゃ。先程は兵士が一人、無礼をした。許してほしい。」

兵士…って、あのイケメン兵士か?って言う事を国王のおっちゃんい聞いたら、

「イケメンと言うのがよく分からんが、赤い髪に黒い目の兵士じゃ。」

「やっぱり、あの兵士何て名前なの?」

「あやつは、ロキ・グランバルド。お主の呪い程強くは無いが、魔法を扱え、剣術にも優れておる。」


あ、言っとくけど、今は俺と国王のおっちゃんの2人きりだ。

「じゃ、民を救ってくれ、頼むぞ。」

「頼まれた!」


ようやく、俺の異世界一日目が終わった。



「起きて下さい、ご主人様…」

誰だ、もうちょい寝かしてくれ。

「あと、30時間~」

「それでは、一日が終わってしまいます。起きて下さい、ご主人様。」

誰だよ、俺をご主人様なんて呼ぶ奴は…

「ご主人様!?」

意識が急にハッキリした…

「はい、オーディン様の言い付けにより、ご主人様の専属メイドとなりました、アリスと申します。」

ベットの横には、銀髪、碧眼の美少女が立っていた。メイド服姿で…

「まぁ、宜しく。俺は「存じております、ご主人様。」あ、そう?」

「買い物のお付き合いに、旅の護衛から、夜伽まで何でもお申し付け下さい。」

アホかっ!なんて事言うんだ!このメイドは…

「ご主人様、顔が真っ赤ですよ。」

「お前が夜伽とか言うからだろ!」

「大声で夜伽だ何て、昨日の夜を思い出してしまいます…」

妙に赤面して艶っぽい声を出しながら俯く。

「昨日俺は、何をした!?」

「何をって、そんな事言わせるつもりですか?」

「いや、聞きたくないけど…」

「いや、言います。」

言うんかい!?もう、スルーして着替えよう…

着替えてる後ろで、クネクネしながら、聞きたくねえ単語がかなり飛んでくる。

………俺、そんな事してねえよな………

俺が着替え終わった頃に、アリスが、

「あ、ご主人様はさっき言ったみたいな事はやってませんよ、全て私の妄想です。」

って言ってきた。ふぅ~、やってなくて良かった。

「私は、貴方の事狙ってますけどね…」

「いけしゃあしゃあと嘘を付くな。」

「嘘じゃありませんよ。」

「え?マジで?」

「いえ、嘘です。」


何だよ、こんちくしょぉぉぉぉおおおお!


そんな朝を迎えた、異世界二日目。

午前8時半朝食を食べる。

始めて見る料理ばっかりだったがめちゃくちゃ上手かった!

思わずシェフの皆さんに、お礼を言いに行った位だ。

シェフもお礼に来られたのは始めてらしく(国王の城に勤めている為)目じりに涙を浮かべて喜んだ。

そして、午前は兵士に体術を教えてもらった。

呪いを使って身体能力を上げることは出来るが、体術はからっきしだった為、体術を訓練中だ。

以外にも、ロキが教えてくれた。何でも、

「ライバルが、弱かったら話にならんからな…」

との事らしい。

勝手にライバル認定は驚いたが、教えてくれるならありがたい。

ちなみに、ミカエルとアリスも強かった……



まぁ、そんな感じに2ヶ月ほど過ぎたある日………

俺は、ロキとアリス、それにミカエルと共に国王の元に呼ばれている。


「そなた達には魔王討伐の旅に出て貰いたい。」

「「旅!?」」

俺とロキの声が重なる。

他の兵士の話によると、ロキは案外素行が悪いらしい。

ちなみに、俺とロキは性格がかなり似ている事も判明した。

「そう、旅じゃ。勇者殿もかなり実力を上げたし、お供を連れれば問題無いだろうとの結論だ。」

「ですが、お父様!私たち4人では魔王には勝てるとも思いません!」

ミカエルが反論する。

「行ける、勇者殿には『川柳』と言う名の呪いがあるじゃろ?」



「確かに、そうですが…」

「なら、行って来い。旅費は国からなら少々出せる。」


「…分かりました。」



そんなこんなで俺の魔王討伐の旅に出発した。


「まず、何処行くの?」

「まずは、魔族の侵略が激しい、ルンバルの町に行こうかと思います。」

俺の問いに、アリスが答える。

「俺とどっちが多く魔物を潰すか勝負だな、リュウメイ!」

「はは、遣ってやるわ!」


そんなやりとりをしながら3日ほど歩いた末にルンバルの町に到着する。

「………活気がねえ。」

「魔族の侵略が激しいとこうなりますよ、リュウメイ様……」

ミカエルが活気が無い理由を述べる。


皆、俺たちが通っても何のリアクションもとらない。

助けをの述べる声も無い。


「今日は此処で休みましょう。」

アリスがボロイ宿を前に言う。

中に入って見ても、やはり活気が無い。

宿の店主も「好きな部屋を使ってくれ…」と言うだけ

代金を置いて、二部屋使う事にした。

俺とロキ、アリスとミカエルのグループでだ、もちろん。


「魔族の侵略って何時来るんだろうな。」

ロキがベッドに寝そべりながら俺に言う。

「さぁな、来ない方が良いんじゃないのか?」

「そうだけども、俺らで討伐した方が町の人も安心して、「俺チョット散歩してくる。」…リュウメイ、付いて行こうか?」

「いや、すぐ戻る。」


そう言って、部屋を出る。

まずは、情報収集だな。

町のあらゆる人に聞いた結果、此処を侵略する魔族は北にあるクオーツ山脈に住んでるらしい。

こちらから話しかければ、魔族を倒してほしい一心で話してくれた。

其の魔族集団のボスについても教えてくれた。

上半身ヤギで筋肉質な腕に背中に蝙蝠の羽、下半身が蛇と言う世にも恐ろしい化物らしい。


そこまで聞けたら、十分だ。

今日は宿で休んで、明日皆で倒そうかと思う。


「了解!明日、俺らで魔族の集団を潰そうぜ!」

「ご主人様の命のままに……」

「魔王討伐の第一歩ですね!」

上から、ロキ、アリス、ミカエルだ。

皆、それぞれの意思を胸に眠った…と思う。


朝早く、朝食を食べ、町を出発する。

クオーツ山脈までは、3時間も歩けば付く場所にある。


歩いて2時間したほどに、ロキが突然声を上げる。

「おい、あれって魔族何じゃねえの!?」

ロキが指差す場所には魔族の集団が凄い速度でルンバルの町に飛んでいくところだった。

先頭にはやはり、羊怪物が居る。

「何て事に……」

アリスが悔しさの声を上げる。


こうなったら…

「一瞬で 移動しましょう ルンバルへ!」

呪い発動だ!


視界がブレ、ルンバルの俺らが泊まった宿の前に移動する。

町の人が口々に「あれ、勇者様じゃねえのかい!?」だの、「魔族はどうなりました?」だの聞いてくる。

俺は、

「皆、非難してくれ!魔族がこっちに向かってきてる!!!」

そう思い切り叫ぶ。


理解するのに、3秒ほど掛かった為か、沈黙が流れる。

そして、次の瞬間、蜂の巣を突付いた騒ぎになった。

「はやく、逃げてくれ!」

「分かってるよ、兄ちゃん!教えてくれてありがとうな!」

屈強そうなおっさんが礼を言って町人を非難させていく。



そして、15分頃たった後、非難させ終わったすぐ後に、魔族集団が遣って来る。

「ギリギリのタイミングだな、ハハハ。」

笑いさえ出てくるほどラッキーだ。


羊怪物が何か叫ぶ、すると魔族集団が俺の周りを取り囲む。


「其の選択はミスだな!」

俺は呟き、呪いを発動する!


「重力を 倍へ倍へと 変化する!」


この川柳は時間と共に重力を倍にしていく物だ。

魔族集団は重力により、地面に叩き潰される。

川柳の呪いは、俺には、効かない用になっている。

「鎌鼬 縦横無尽に 飛び回れ!」


そう詠んだ瞬間、飛んでる魔族もペシャンコになった死体も重力によって半壊にさせられた家も切り刻まれていく。

何故か、全て避けている羊怪物を抜いて、だが。

「我の身は 決して見えない ようになる!」

この川柳無茶苦茶な癖して、かなり使える。


そんな透明人間状態の俺は羊人間の後ろに回り、小声で詠む。

「分身よ 見えない姿で 現れよ」

あらゆる所に、俺の分身が現れる。


そして、掌を羊怪物に向け全員でこう詠む。

「「「「「「電撃の 槍よ無限に 飛び回れ!」」」」」」」

掌から電撃の槍が出現し、飛び回る。

羊人間もこればっかりは避けられる訳も無く、無残に貫かれていく。

ついでに言えば、街も貫かれていく。


町も魔族集団も木端微塵の状態となった所で俺の戦いは終わった。


呪いの使い過ぎで、意識が消えたためである。

後から聞いた話では、ロキ達はクオーツ山脈に残っていた魔族集団(雑魚ばっかり)を駆逐した後、戻ってきたらしい。

町の人からは、涙でぐしょぐしょになった顔で喜ばれた。

そして、そのまま町を木端微塵にされた事によって小一時間ほど説教された。


そして、結局俺達は満面の笑みで送り出された。

そんな町人の顔を見てると、この調子で国民を救って行こうと思う。





                                      つづく

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