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【完結保証】借金取りの俺と親に5万円で売られた少女〜DVされ心を完全に閉した少女は5年後うざいくらいに甘えてくる〜  作者: 田中 又雄


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刑事の一日

 朝6時、私の1日はけたたましいアラームから始まる。


 狭いアパートのベッドから這い出し、コーヒーを淹れながら昨夜の捜査メモを頭の中で整理する。


「イテテテ...」と、痛む腰を抑える。


 世間を騒がせるほどの派手な事件はないが、細かい案件が積み重なり、デスクは書類で溢れている。


「さて...どれから手をつけるか...」


 タバコに火をつけて、煙たい中...一つずつ事件に目を向ける。


『伊藤権蔵行方不明事件』

『西町強盗事件』

『東浜詐欺事件』

『中央通り傷害事件』


 そして、『南野静香強盗殺人』。

これは俺の仕事じゃねーが、この事件にあの社長が関わっていると睨んでいる。


 これはただの長年の勘で証拠は何もない。


 時計を見て少し慌ててシャワーを浴び、くたびれたスーツに袖を通すと、署に向かう。


 午前7時30分、警察署に到着。

朝のミーティングでは、若手刑事の山田を連れて現場検証に行くようにと伝えられる。


 山田はまだ20代前半、熱意はあるが経験不足で、進藤にとっては半分教え子のような存在だ。


「進藤さん、今日もよろしくお願いします」と山田が笑顔で言うが、私は「おう」とぶっきらぼうに返す。

それでも内心では、山田の成長を見守るのが楽しみだったりする。


 午前9時、2人はパトカーで市郊外の住宅街へ向かう。


 先ほど強盗事件の報告があり、被害者の家で改めて現場検証を行うのだ。


 進藤は現場に着くと、慣れた手つきで周囲を観察し、指紋や足跡の有無を確認する。


「山田、窓の縁をよく見ろ。雑な仕事だぞ」と指示を出しつつ、自分は近隣住民に聞き込みを始める。

50代の独身生活で培った無駄のない動きと、鋭い洞察力が光る瞬間だ。


 正午近く、署に戻り、進藤はデスクでコーヒーを啜りながら報告書を書き始める。


 山田は隣で「進藤さん、昼飯どうします?」と聞いてくるが、「適当にコンビニで済ませろ」と一蹴。


「あっ...やべ...財布忘れちゃいました」と言い始める。

「お前、ほんと世話焼けるな」と苦笑する。

独身で気ままな生活だが、こういう小さなやり取りが意外と嫌いじゃない。


 午後2時、別の事件の参考人聴取。

進藤は淡々と質問を重ね、相手の嘘を見抜く。

それからはこちらもまるで証拠を握っているかのように匂わせる。

長年の経験からくる勘が冴え、若手が見逃すような細かい矛盾をつくのが得意だ。


 山田は横でメモを取りつつ、「進藤さん、なんでそんなすぐ分かるんですか?」と感心した様子。

「お前もあと20年やれば分かる」と軽く笑うが、その目は真剣だ。


 夕方5時、署内の会議室で捜査状況の報告。

進藤は落ち着いた口調で進捗を説明し、上司からの質問にも的確に答える。


 50代前半とはいえ、体力は若い頃ほどではない。

会議が終わる頃には肩が凝り、ため息をつきながら席に戻る。


 山田が「進藤さん、疲れてます?」と気遣うが、「余計なお世話だ」と一蹴する。


 夜8時、ようやく退勤。

帰りにコンビニで弁当と缶ビールを買い、アパートに戻る。


 テレビをつけても見る気になれず、ソファでビールを飲みながら今日の出来事を振り返る。


 山田の成長、現場の感触、そして未解決の案件。

独身生活は静かだが、頭の中は常に仕事で騒がしい。


 午後11時、シャワーを浴びてベッドに倒れ込む。

「明日も早いか」と呟きながら目を閉じる。

進藤刑事の1日は、派手さはないが、堅実な仕事と若手へのさりげない気遣いに満ちていた。



 ◇若手刑事山田の日常


 7時に署を出て、ある場所に向かう。


 それはとあるビルの地下にあるバーだった。


 そこには明らかに違法な薬物をやっている人たちや、数人の未成年の女の子を囲む金持ちそうな男だったりがいる。


「いらっしゃいませ」と言った店員に会員証を見せる。


「こちらです」と、奥にあるVIPルームに案内される。


 その先にいたのは、山本社長だった。


「おう。遅かったな」

「...毎回こういう胡散臭いところに呼び出すの勘弁してほしんすけど。ここに入ってるのあいつに見られたらやべーじゃないですか」

「けど、普通の店でこんな話できねーだろ?」

「いや、そうっすけど。入ってる時に見られたら言い訳できないんですよねー」と、苦笑いを浮かべる。


 そう...俺は警察でスパイをしていたのだ。


「...それで?動きはどうだ?」

「どうっすかね。まぁでも、伊藤の件は間違いなく社長か、山坂の仕業だと思ってんじゃないっすかね」

「...なるほどな。何か弱みはにぎれそうか?」

「弱み...。独身で家族とも疎遠っぽいんでね。難しいと思いますけど、一番ワンチャンあるのはやっぱ冤罪事件を掘り返すことじゃないっすかね。週刊誌に情報を売って、クビにさせるとか。揉み消される確率の方が高そうっすけど」

「...そうか」


 タバコを一服しながら俺は提案する。


「別にいつでも攫おうと思えば攫えますよ。つっても、そういう時の対処法があればまずいっすけど」

「...いや、今はこのまま情報を集めてくれ。動きがあればすぐに連絡くれ」

「りょーかいっす」

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