第二十話:『崩壊のキッカケ』
ランクが上がる事には、そうそう大きく意味が無かったりもする。
魔物が増えたり、任務が増えたり。
これで大きく変わらないように試験しているのもあり。
そこまで大きなギャップは出ないようになっている。
ただ…。
「…」ニコニコ
「ええと…そちらのお方は」
「新しい仲間です」
ほんの少し昇格しただけなのに、隣には最高峰の実力者一人。
まぁおかしい、俺もそう思う。
でも本当だから…仕方ない、仕方ないんだが。
やっぱりこの疑いの視線は堪える。
ステラも珍しいそこそこ困った顔をしているし。
事実俺も困っている。
嬉しさ半分困り半分であり…まぁ実力者の力は借りるのは嬉しんだけど。
実力の差異はどうにもトラブルも起きる。
「ま、まぁ本人が構わないならば…」
「勿論ですよ」
どうしてそんなに自信満々なのか…?
いや、まぁ…いいんだけど。
「では、ちっと与太話でもしに行こうか」
「えっ、あ、はい」
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酒場の一角、三人で座っている。
ダンテやステラはチビチビ、アメリアは楽しく瓶を開けていく。
「こうやって飲むのは久しいね、ダンテ」
「そうですね、そういう暇は無かったですし」
「私も人と飲むのは初めて…」
「おお、ならほら…飲んで飲んで」
ステラに注いでる姿は優し気だ、気まずいのは気のせいなのか…?
「なぁ、君は何時から一緒に?中々苦労してたみたいだが」
「少し前です、いろいろありましてパーティーに…」
「成程、初パーティは取られらたか…惜しいね」
にやにやしている、いや変な関係ではないんだが…。
「まぁ、何より仲良くしてくれてて結構…ダンテは経験はまだ薄いだろうしな」
「いえいえ、私もとても助けてもらってばかり…」
「ほほー、ソレが出来るほど…」
視線を向けられる、まぁ大きく変わったのはあるが…。
「もしかして、使いこなしたりしたのか?」
「えっ?」
「スキルだよ、遺伝子スキル」
「…ああ、そうですね」
ぱあ、と笑顔になる。
「そうかそうか!そーかそうか!」
そしてもう一度酒を注いで。
「よし!祝杯だ!おめでたい事だしな!」
「お、おお…」
「…なぁダンテ、まぁ」
ぐびりと飲み干しながら、彼女は言う。
「実を言えば、仲間になりたいが他にやる事が本当はある」
「…ん?」
「ナイツユナイトの処遇、だよ」
「…」
真剣な顔で、此方を見る。
「その内…とは言ってましたが」
「ああ、内部ではもうダメだと思うが…その後の処分は色々だ」
「処分…?」
「構成員への不当な扱いは最悪の罪だ、忘れたのか?」
「いや…」
事実そうだ、ギルドは最前線の戦いであり、人員への不当な扱いは。
そんなあまりにも人間に厳しい世界で味方を失う行為だ。
…尤も、もみ消すなんて話も聞くが。
「不正に関しては、別にバラしてしまえばいいだけだ」
「…え?」
「ほら」
アメリアさんが書類を取り出す、そこには…。
「…賄賂」
「の、履歴だ」
「わお」
そうして、怪しい顔で笑う。
「すぐ傍で出してみたら…さて」
彼女は立ち上がり、振り返る。
「どうなるかな?」
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