第十七話:『狩人のエンカウント』
血の跡
足跡
匂い
狩人は痕跡を逃さない。
「…ミーシャめ、やったな?」
ため息、そしてその手には辞任届。
人情の無い組織にはほとほと呆れた、と彼女は思う。
確かにダンテは強くも無いが、やる気はある。
やる気だけで認めろとは言わない、でも悪意を振るうのは別だ。
「まぁいい、ダンテは途方に暮れてるだろうしな
早く行ってやるか…」
辞表を壁に貼り付けて、ギルドの登録票を投げ捨てる。
アメリアはそのままトンストンを後にする。
土産として、調査項目を軽く残して…。
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クエストを複数、ここ数週間こなし続けてる。
魂眼を使いこなすのは難しい、が。
それでも自分のスキルを介してなんとか試している。
「よし、お疲れ様ですダンテさん」
「ああ、そちらこそ!」
流石に今のランクで受ける任務の魔物の強さはそう差が無い。
メタルアントほど強いスキルもそうそうない、器官も同じ。
ともなれば、早く信頼をあげて上のランクを目指すのが先決だ。
「そろそろ昇格ですかね」
「試験があるとは聞いてます」
昇格には基本的に、一段階上の任務をこなすという試験がある。
その成果次第でもあるが、最下位から上がる分にはそうそう面倒な話もない。
取り敢えず成功させればいいわけだ。
「少しでも上げれば、それだけ有用なスキルが得られると思いたいですね」
「まぁ、その分難しくもなりますけどね」
冒険者の戦いはそれだけ難しい、だとしてもいまはスキルを活かしているからペースは良い。
だが油断は出来ない、ユニークスキルはその名の通りユニークで強くはあるが。
万能でも最強でもない、だからこそ気を引き締めるしかない。
「そうですね…うーん」
「どうかしました?」
「…二人でやっていくのもきつくなるかもですね」
確かに、なぁ。
二人でやっていくのは物理的に凄く融通が利かない。
「とはいえ、仲間を得られるかは…」
「…ですねぇ」
苦笑い、まぁ実際お互い大分…キツイ、色々。
片や経歴を隠し、片や盲目の剣士。
普通は訳アリすぎる様にしか見えないのだ。
「まぁ、やれるまではやってみましょう」
「そうですね…探していたら時間を食いそうだ」
ため息、そして帰路に。
二人の出会いは幸運だが、ソレが続くとは限らない。
二人へ理解を示せるというのは、少々難しいモノだ。
────今回は幸運が続くが。
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「…ん?ああ」
高い木の上、双眼鏡を手に。
「無事だったか、ダンテ!」
飛び上がり、森に。
そして駆け出していく狩人が一人。
「…見慣れないモノも居たが、まぁいい
何より無事でよかった、さぁ」
縁というのは切れないモノだ、今回の縁は…。
「待っててくれ、ダンテ!」
どうなるだろうか?
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