第十四話:『彼女の思惑』
不思議な人だ。
盲目の武士など、何処も歓迎はしない。
なのに彼は特段嫌がる事も無く、何なら仲間に誘った。
私の振るう刀は鈍くない、瞳は暗いが見えるものは見える。
身の回りの者がそれを不安がろうが私には出来る。
魂を見れば、そんな翳りも驕りも見える。
…彼には無かった、彼の瞳は濁っていたが。
その濁りは、悲しみや怒りのモノで私への不遜ではない。
話してみれば、同じく"面倒なもの"を抱えていたようだ。
魂眼を嫌っているわけじゃないが、とは言え代償は重い。
彼の肉体も、実力に対してどうにもアンバランスで歪なものがある。
それだけなら、いい友人でよかった、のだけど。
…期待を寄せられたのは久しいことだった、仲間として、人として。
彼は私を、ステラ・ユキノセとして見て、期待していた。
だから…。
「もしよければ、今回だけでなくずっと、いけるところまで組みません?」
私も期待したのです、正直やりすぎだったかもしれないが。
でも確かに、彼は了承したし良いと言った。
まるで感謝すらしていたように、ここまでくると都合が良すぎですが…。
それはそれとして、彼は最近でも一番楽しい人だ。
少なくとも、盲目という世間一般では最悪のハンデを抱えた私に嫌悪の一つもない。
それは異常だ、或いは賢いが過ぎる?わからない…。
彼にはそれは気にするに"値しない"のでしょう。
仮に理由づけるとしたら、その能力が故かもしれない。
体を弄るそれは、肉体的なハンデに大して意味を成さないのか。
…もしかしたら、本当にもしかしたら。
彼はこの盲目ですら治しえる術があるかもしれない、そう思ってしまう。
だから仲間でいましょう、まだ私には話せない事も多い、話してない事も多い。
不義理と罵ってくれても怒りはしません、でも期待はさせてください。
この目が闇に覆われて、初めて優しくしてくれたのはダンテさん…貴方だけなんです。
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「…ダンテさん、そういえば」
「ああはい、どうかしました?」
「スキル、隠してましたよね…私も口止め、いります?」
「あ、お願いします…色々まだ話すのは懸念があって」
「わかりましたよ」
私はこの目も有り、隠す方がめんどくさいが…彼の場合は違うのでしょう。
色々訳ありのユニークスキル持ちは多い、昔聞いた話だが…。
薬品を調合できるスキルだったが為に国にすら追われたという話もある。
だからこそ、隠すのは当たり前の事だ。
「コレが終われば一休み、ですね…もう日も暮れますし」
「夜は危ういですからね…」
「また明日から、色々行きましょう、連携も気になりますし」
色んな事が気になって色んな事がしたくなる。
彼は何ができるかだし、彼と何が出来るかもある。
何より、知らないスキル同士なのだ。
「改めて、よろしくお願いいたしますね?」
ダンテさん、頑張ってくださいね?
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