第十一話:『絶賛クエスト続行中』
気配を察してからの彼女は早かった。
元より素早いのは出会いの時知っていたが、いざ意識してその姿を見るにも。
一瞬、呼吸の刹那に彼女は飛び出して刀を抜く音も響かせず。
銀光が弾けて、鈍い鋼の外骨格の節を切り裂いて弾いた。
「はや…ッ!?」
「一匹、取った」
メタルアントを狩るのならば、激しい打撃か鋭い斬撃。
しかし斬撃に求められるのは弱点の関節を狙う技量。
ステラには確かにそれがあった、素早さを持っていながらも。
「[魂眼スキル]、いや…鍛錬か」
「まぁそうですね、弱点見るのには使ってますけど!」
既に刀を納めて戻ってくる、息を吐く彼女の姿は鍛えられた物を感じさせた。
確かにそうか、視界だけじゃ体はついてこない、鍛えなくてはだめなのはダンテもそうだ。
「俺も仕事しないとな、パーティーだし」
「お、それは楽しみです!」
ステラが嬉しそうに視線を向ける、尤も目ではなくいくつかの感覚で見通しているのだろう。
ただ、まぁギルドに隠しても仕事仲間に隠すものでも無いしなにより。
俺のスキルは殆ど別物だし、そう思いつつメタルアントに吶喊する。
鋼のアリが牙を向けて食らいつきに来るが、支給品のナイフの代わりに腕を叩きつける。
"硬質化"は消耗が激しいのでミニトレントの肌をベースに一気に大きく広げて絡めとる。
牙だけでなく頭を丸ごと根を張り絡めて、ブンと振り回して叩きつけてやれば。
重たい体が丁度中身を振るい潰してくれる、楽な話だ。
「お~、以外にも力強いやり方ですね、メタルアント滅茶苦茶重たいのに」
「まぁ、スキルもありますから」
「…そういえばダンテさんのスキル聞いてませんでした!」
今更か、なんて思いつつもどこか抜けてる彼女に悪い気はしないでいると。
もう一匹音を聞きつけて飛び込んでくる!。
瞬時に腕を向けるにも絡めていて動かしずらい、ので。
「[掠め取り]」
空いた左手でメタルアントの…これは?
飛び込んできたメタルアントはごろんと急にコト切れて倒れる。
手の中にあるのは、柔らかい金属と中から管が伸びる…心臓?
確かメタルアントの心臓は魔力を通せば変形する金属で作られた丈夫なモノだと聞いたが。
本当に見てみるとなんか…不気味。
「…ダンテさん?」
「ん、あ大丈夫、もう倒しましたから」
「い、いえ…いや、今?その」
「?」
怪訝な顔で見ている、一体何が…?
「魂が一部、ミニトレントに…なってたのですが」
「…え?」
…遺伝子スキルのせいなのか…??
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