第7話 裏切り
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
俺は涙を流しながら、地面を張っていた。
洞窟なのだから当たり前だが、回り1面岩だらけ。
こんな所に落ちた俺は無事であるはずもなく...
だって上からじゃあそこが見えないような崖に落とされたんだぞ。
生き残れただけでも奇跡だ。
そもそもなぜ生き残れたのかも分からない。
頭の中で落下していた時の記憶を辿る。
しかし、俺はパニックになりすぎていて、記憶が一切ない。
「くそっ。冗談じゃない。なんでこんな目に。」
俺は有り余った体力を使って叫んだ。
右腕からは、大量に血が流れている。
あまり悠長なことを言っている暇はない。
このまま血が流れ続けると、俺はその内気絶してしまうだろう。
何か今の状況の打開策を考えなければ。
俺はあたりを見渡す。
あるのは暗いダンジョンの中で、数少ない光源である鉱石と、地上でもありそうな雑草のみ。
強いて言うならモンスターの死骸くらいか?
「あっ、そういえば。」
俺は手元にあったボロボロのカバンの中から回復ポーションを探す。
俺が探している回復ポーションは、昔、冒険者になる前に下準備として買っていたものだ。
俺の家は元々貧乏だったので、あまり質のいいポーションを買うことはできなかったが、もし何かあった時のために一応安いものを買ってはいた。
今これを使わない手はないだろう。
俺は必死に背負ってきたリュックの中を探す。
片方しか使えない手で、しかも光もほとんどない洞窟の中で、本当に必死にカバンの中身を漁った。
しかし、しばらくして手に冷たい感覚を覚える。
その直後、びちゃびちゃという音も聞こえた。
「おいおいまじかよ。」
瓶は割れていたのだ。
しかも、ポーションの中身も溢れていた。
「最悪だ...」
俺は一言呟いた。
誰もいない場所で、誰かに文句を言うように。
ただ呟いた。
しだいに右腕から痛みを感じてきた。
くそっ......
俺は寝っ転がった。そして、この場にいない誰かに向かって話しかけた。
「ははは。俺が何をしたって言うんだよ。」
その言葉は、俺を突き落としたロックに言ったのかもしれない。
もしくは俺にスキルを与えた神に。
または、この理不尽な世界に。
「どうしてハズレスキルを持ったからって避難されないといけないんだ?どうして努力しても、世界は何もしてくれないんだ?どうして...俺は崖から突き落とされたんだ...?」
俺の目は完全に死んでいた。
どうしようもなく、ただ時間が過ぎていく。
その中で俺は様々なことを考え続けていていた。
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