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第6話 ダンジョンに潜ろう!

それから2日後、俺は新しく出来たパーティーメンバー達と、ダンジョンに潜った。


ダンジョン名は『アルギア』


俺たちがいた街のすぐ近くにあるダンジョンだ。


上層部は弱いモンスターが多く、深くに潜れば潜るほど、敵が強くなる、ありきたりのダンジョン。


その中で、俺達はモンスター討伐に勤しんでいた。


ジャキン!ジャキン!


苦戦しながらも、俺は魔物と戦う。


「大丈夫か?ディアロ。」


リーダーのロックは心配そうに俺へ話しかけてきた。


「大丈夫だと思います。多分。」


ダンジョンに潜ってから1時間。


俺は満身創痍になっていた。


体のあちこちからは血が流れている。


普通の冒険者だと、この階層ではこうはならないのだが、仕方ない。


これがスキルの差というものだ。


周りを見渡すと、沢山のモンスターの死体があった。


狼の姿をした魔物は腹を切られており、スライムなどは、溶けてただの液体と化していた。


「皆さん凄いですね。」


俺は正直に尊敬の眼差しを向ける。すると、ロック達は気恥しそうにする。


「このくらいは普通だよ。きっとディアロもそのうち同じことができるようになるかもね。」


ルンゼは、頭を掻きながらバツが悪そうに言った。


だが、その姿は何となく、悲しそうではあった。


それから3時間、俺達は歩き続けた。


「着いたぞここが目的地だ。」


ロックが言う。


「長かったあああ。」

「俺の筋肉も悲鳴をあげているゥゥウウウウ!」


ん?


俺は周りを見て動揺した。


いやだって何も無いのだ。


草1本も生えていない。


魔物もいない。


あるとすれば、目の前に崖があるだけだ。


目に見えないくらい深い所へと繋がっている崖が。


俺は崖の下を見つめる。


「この崖、落ちたら怖いなぁ。」


そう呟いた瞬間、後ろから何か衝撃を感じた。


え?


俺は崖に身を乗り出す。


下は真っ暗な世界。


後ろを見ると、ロックが俺に手をかざしていた。


は?


そう思った瞬間。俺は一気に冷静になった。


ーいや違う。手をかざしていたんじゃない。俺を押し出したんだ。崖の中に。ー


なんで?


その言葉しか頭の中に思い浮かばなかった。


だってそうだろう?


あんなに優しくしてくれたのに。


とてもいい人だと思っていたのに。


「ははは。悪いな。」


その言葉を残して、俺は地面に落ちた。





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