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第3話 自己紹介

次の日、俺は俺を誘ってくれた男の元へと向かった。


彼が俺なんかをパーティに誘ってくれたことに対して若干の違和感はあるが、俺にとって初めてのパーティ勧誘だ。断る理由はない。


だから、俺は喜びの感情を持って彼に会いに行った。


「おぅ、来てくれたんだな。ディアロ。」


冒険者ギルドに着くと、そこには昨日会った男と他3人が待機していた。


俺がぼーっと4人を見ていると、1人の人が喋り始める。


「やぁ、君がディアロかい?僕はルンゼ。元貴族だ。」


そう言った男は高身長でイケメンでとても礼儀良さそうな人だった。


今までゴミとしてしか扱われなかった俺にとって、今のように、丁寧に挨拶される機会なんてない。


なんだか俺の前にいる人たちが俺を人として接してくれているのを感じると涙が出てきそうだ。


次に自己紹介を始めたのは、ルンゼの隣にいる筋肉ムキムキの男だった。


「俺はガルド。貧民街出身の凄腕冒険者だ。」


自分で自分のことを凄腕冒険者とか言うのかよ。


俺がツッコミを入れたくなったガルドという男。なんだか自信過剰ではあるが、その自信に見合うだけの筋肉の凄さには少し心をひかれる。


「我が筋肉は鉄壁ぃぃぃぃぃいいーーー」


ほっとこ。


次に話し始めたのは、なんも特徴のない男だった。


「僕の名前はノマ。よろしく。」


話し方も普通。とても話しかけやすそう。


こういう人がいると、俺の心もかなり安らぐ。


「そして俺はパーティーリーダーのロックだ。」


最後に喋ったのは、昨日俺を誘ってくれた男だった。


ロックってカッコいい名前だなぁ。ちょっと憧れる。


俺の名前ディアロだし。


今更だけどかなりダサい。


「それで...。昨日の返事はどうなんだ? 嫌なら断ってもいいんだぜ。」


ロックは左頬を掻きながら俺に聞く。


今まで酷い扱いしか受けてこなかった俺にとって、こんなに良い扱いを受けたのは、親を外して初めてだった。


ルンゼさん、ガルドさん、ノマさん、ロックさん。


とても特徴的な人達だけど、とてもいい人達だ。


俺がこのパーティー勧誘に断る理由はない。


「はい、ぜひ俺をパーティーに入れさせてください。」


俺は今までにないくらいの笑顔で彼らに返事をした。


まさか、自分がパーティーに入れる日が来るなんてな...


この時、俺は知らなかった。


この選択が、良くも悪くも自分の人生を変えることになるなんて。


俺は静かに、皆に自己紹介をした。



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