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第2話 パーティ

その日の夜、俺は薬草を持ってギルドに戻ってきた。


今日の依頼は成功。


一日中かけて、薬草を探しただけあって、しっかりと数分持って帰ってくることが出来た。


「すいませ〜ん。依頼の達成報告をしたいのですが...」


そう俺が言うと、カウンターの受付役の人が嫌そうに俺の処理をする。


相変わらず、俺への対応は変わらないな。


そう思いながら、俺は明日をすごせるだけのお金を貰ってギルドを出た。


数人、俺に絡んでくる人もいたが、俺はガン無視する。


ギルドを出た後、俺は、朝買ったパンを食べ、いつもの場所で野宿を始めた。


さて、明日は何をしようかな。


そんな事を考えながら、俺は深い眠りについた。


これが俺の生活。


これが俺の人生。


生まれつき全くスキルを得られなかったものの末路。


次の日を生きるのも必死な男の、残念な現実。



翌日、俺はいつも通り朝早くギルドへと向かった。


「さて、今日は何をやろうかな〜?」


俺が呟いていると、誰か知らない人が俺に声をかける。


「なぁ、あんたディアロ・ボロエルか?」


その男は笑いながらそう言った。


身長はとても高く、ガタイも良く、かなり良い装備をつけている。


俺はまた変な連中にからまれたなと思い、彼らを無視して掲示板へ向かった。


「おいおい無視はねぇだろ。さすがに傷つくぜ。」


男は肩の力を抜き、そう言う。


「なにかようですか?」


「まぁ、用っていうか、誘いだな。お前、パーティ組んでくれる人いないんだろ?なら、俺のパーティに入らないか?」


一瞬俺は動揺した。正気か?この人。


「なんで俺なんですか?」

「可哀想だから。お前、戦闘できないんだろ?だから俺が教えてやるよ。いいスキルも身につけられるかもだぜ。」


本当に何故かわからない。


俺は冒険者ギルド屈指の嫌われ者だ。


そんな俺をパーティに誘う人が出てきてくれるなんて正直思ったことなんてなかった。


「少し、考えさせてください。」


俺はそう言って、依頼掲示板へと向かった。


「おう、もし良かったら明日同じ時間に来いよ。待ってるからよ。」


後ろからはそんな声が聞こえる。


今まで、俺が誰かにパーティを誘うことはあっても、誰かに誘われるなんてことはなかった。


その後、俺は久しぶりに笑うことが出来た。

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