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第12話 地下深くの洞窟にて

崖から落とされて、恐らく1週間が経過した頃、俺は、順調にダンジョン攻略を進めていた。


「はぁ、この『魔法創造』で、光源を作れたらなぁ。」


岩に囲まれている何も無い空間の中で、俺は呟く。


相変わらず洞窟内は薄暗く、前が見えにくい。


探索はできても、効率が悪い。


しかし、俺のスキル『魔法創造』は、魔法を作り出すスキルだが、無条件で魔法を作れる訳では無い。


多分、本当にその魔法が必要な時になって始めてスキルを発動することができるスキルだ。


今まで、『ブラックサンダー』と『黙れ』を作ったが、どちらも命懸けでピンチの時に、欲しい魔法をピンポイントで手に入れることができていた。


その事を考えると、スキル『魔法創造』で、光源を作り出すのは不可能だろう。


光がないというのは、間接的に俺を殺す理由になるかもしれないが、直接的にはなりにくい。


よって、光があると命が助かるという状況はほぼ生まれないと思う。


俺は溜息をつきながら、ダンジョン探索をすすめた。


モンスターを殺し、喰らい、上への道を探し続けた。


薄暗くても全く見えないことは無い。


一応所々には光源も存在する。


だから、少しづつ、上へ繋がる道を探すことが出来た。


しばらく探索を続けていると、足元に違和感を感じるようになった。


地面がヌルヌルするようになったのだ。


「まるで沼地だな。」


俺は足元を見て呟いた。


恐らくこの辺一帯は、土に含まれる水分がとても多いのだろう。


そう思いながら、俺は無言で前へと進む。


また再び探索を進めていると、さっき感じた違和感はどんどん大きくなった。


なんだ?何かおかしい気がする。


俺は上を見ながら考える。


しかし、違和感の正体が検討もつかない。


「なんでだろうなぁ?何かを見落としている気がする。」


俺が独り言を言った時、ぐぅぅううと、お腹がなった。


しばらく魔物の肉を食べていないから、かなり腹が減っているのだ。


「困ったなぁ、沼地に来てからモンスターなんて現れてないし、ご飯なんてないんだよなぁ。」


俺はお腹を抑えながら、溜息を着く。


そして、周囲を見渡し、魔物を探す。








ん?ちょっと待て。


そこで俺は、今まで感じていた違和感の正体に気づいた。


魔物がいない?


そう、魔物がいない。


俺は沼地に来てから、1匹も、モンスターを見ていない。


それってつまり、ここにはモンスターが居ないということになる。


しかしだ。


ここはダンジョンである。


魔物がいないエリアなんて、そうそうない。


何が起こっているんだ?


俺は思考を巡らせる。


そういえば昔、ダンジョンでモンスターが発生しないエリアがあると聞いたことがある。


発生しない理由も一緒に。


俺の顔は一気に青ざめる。







ダンジョンで魔物がいないエリア。


そのエリアで魔物が発生しない理由はーーー









圧倒的な力を持った魔物がいるから。






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