第3話 悪魔の罠
洞窟に入る前に装備の確認をしておこう。
川島徹
武器 鉄の剣
頭 バンダナ
体 青銅の鎧
靴 靴底トゥルトゥルのスニーカー
スニーカーは自前のもの、その他もろもろのものは勇者の権限によりタダで揃えました。
武藤武
武器 包丁
頭 三角巾
体 フリフリのエプロン靴 ハート柄のスリッパ
皆さんご一緒にせーの、
主婦かっ!!
「お前正気か?そんなんじゃ一発で死ぬぞ?」
「馬鹿言うな。俺は正気だ。この萌え萌えの魅力でモンスターを虜にしてくれるわ!」
うん君の言っている事はわかる、ゲームでも魅力で行動不能にできるからな。 でもな武藤。
男である君がやったら気持ち悪いだけなんだ!
かわいい女の子がやるから「萌え」なんだ!お前がやるとなそれはもはや「オエッ」なんだ!
この一文字はでかいぞ、感情から嘔吐への進化だ
俺は君に火をつけて燃え燃えしたい気分だよ。
「気持ち悪いからこの依頼が終わったら着替えろよな」
「分かったよ!後で着替えるよ」
何逆切れしてんだ?この馬鹿は?
ようやく洞窟に入る俺達
ここはほとんど分岐点がないからどんどん進む俺達、途中でモンスターを倒しつつ進む。
するとぱっくりと割れた谷に行き着いた。ここはロープアクションで越える所だ。
じゃんけんの結果俺が先に渡る事になった。
震える手を勇気でねじ伏せロープを持つ!気分はターザンである!
「イャッフ~」
顔に当たる風が心地よくまるで鳥になったようだ。
「早くこいよ~!」
「今いくわ~」
ロープを握る武藤。
「タッタッタッタ」
「ガッ!」
「ビリッ」
「ゴン!」
「うわぁぁ!たしゅけ」
何があったかと言うと、勢いよく走る武藤。
しかし石に足を引っかけ「ガッ」
エプロンが破れ
「ビリ」
顔をぶつけ
「ゴン」
そして谷に消えた武藤。
馬鹿にはいい薬だ。しかし助けないわけにもいかないのでロープを垂らし武藤を救出する。
「俺、馬鹿だた」
ボロ雑巾のようになり片言を話す武藤。
薬草を与えて傷を回復させて先に進む俺達
奇跡か何かはわからないが宝箱を見つけた。
ここで気をつけなければいけないのが悪魔の罠、「駄葡離」=ダブりである。
(ダブり。それは苦労して買ったもの。もしくは不必要なものがでる罠である。一説によると子供を泣かせる事あるとか無いとか。 ポウ字縁より抜粋)
緊張しつつ、宝箱を開けると、
フリフリのエプロンがこんにちは!
クッソォォォ!
悪魔の罠により精神的にダメージを受けいよいよ人喰い土竜との戦いである。