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吸血鬼な幼女様と下僕な俺  作者: K・t
第四部 童話調:はじまりのおはなし編
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第五話 上下カンケイ

ルーシュ登場。彼が出てくると、ろくなことがありません。

「よぅ、ただいまー」


 明るい声でそう告げたのはイリスの兄であるルーシュでした。


「あっ、お兄ちゃん。おかえり~!」

「おう」


 いつも優しい兄が大好きなイリスは大喜びです。

 飛びついて、また外の世界の話を聞かせて欲しいとせがんでいます。


 そんなイリスの後ろにいたフォルトは、主人とは反対に目を細めて黙っています。

 ルーシュが言いました。


「無視すんな、駄々っ子」


 フォルトは「ぐっ」と奥歯を噛み締めました。彼の情報網は侮れません。

 仕方なく、「あぁ、居たのか。オカエリナサイ」と返事をしました。


 そこへやってきたのはルフィニアです。


「あら、お帰りなさいませ」


 すると、ルーシュはイリスに花柄の箱を手渡しました。


「はい、おみやげ」

「わー、ありがとー!」


 わくわくしながら開けてみると、中身は箱と同じ柄の小さな陶器製のカップでした。

 取っ手がS字になっている、なんとも珍しいカップです。


「ねー、このカップで紅茶がのみたいな」

「はいはい」

「はい、フォルト。あねさんも」


 次はフォルトとルフィニアにも白い箱を手渡してきました。

 ルフィニアは呼ばれるたびに「その呼び方はやめて下さい」と言うのですが、残念ながら聞き入れられたことは一度もありません。


 この上なく怪しくはありますが、仕方なく二人揃って箱をぱかりと開けてみました。


「って、何よコレっ」

「眩しっ!」


 どーんと現れたのは、きらきらと眩しく輝く黄金色のリボンでした。

 見詰めていると目がおかしくなりそうです。


「良いだろう? 装飾品屋に特注で作らせたんだぜ」

『こんなもの使えるかっ!』


 得意げなルーシュに、二人は見事に声を揃えて叫んでしまうのでした。


おわり

お金持ちの道楽ですね。彼はいつもこんな調子です。

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