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吸血鬼な幼女様と下僕な俺  作者: K・t
第四部 童話調:はじまりのおはなし編
49/60

第一話 こどものゆめ

この章ではこのシリーズの原点のお話を童話調で描いていきます。

よろしければのんびりとお付き合いくださいませ。

 あるところにイリスという、5歳になる小さな女の子がいました。

 銀の髪に紅い瞳の、それはそれは可愛らしい少女です。

 イリスは人間の血を飲んで生きる吸血鬼でしたが、物語に出てくるような恐ろしい存在ではありません。

 空に浮かぶお城に住み、家族と、身の回りの世話をしてくれる人間達と仲良く暮らしていました。


 ある日、自分のお部屋から外を眺めていたイリスは、青い空を眺めてぼんやりと思います。


「あれ、どうかしたんですか?」


 声をかけてきたのは世話係のフォルトです。

 長い長い金の髪を持つ人間の青年はいつもイリスに優しく接してくれます。

 イリスは言いました。


「空、とびたい」

「……はい?」


 少女は少し前に教育係のルフィニアが読み聞かせてくれた絵本の内容を思い出したのです。あのお話ではたしか……。


「きゅうけつきはコウモリにへんしんして、空をとべるんだよね!?」


 それを聞いたフォルトは困った顔になりました。

 どう説明していいかとうんうん唸りながら思案し、最後にはこう伝えました。


「えーと……そんなのはムリです」


 無理なものは無理なので、変に期待を持たせる返事をすることは出来ません。

 そのためにきっぱりと応えることにしたのですが、幼いイリスにはあまりに衝撃的過ぎました。


「フォルトのばかぁ! うわぁあぁぁぁぁあん!」

「うわっ! イリス様、やめてくだ、……わー!」


 イリスは小さな女の子ではありましたが、力は人間の子どもよりもずっと強かったので、泣きながらフォルトをぽいっと放り投げてしまいました。

 そのあとも長いこと暴れまわって、3日ほど引きこもってしまうのでした。


おわり

第四部は、ずっと書こうと思っていた第零章です。

短いお話の詰め合わせなので、色々と悩んで、結局童話調にすることにしました。

内容は全然童話じゃないですけどね(笑)。

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