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お待たせしました。

先月は休んでしまいすいませんでした。

 一番最初にその全てを捩じ切る力の奔流の接近に気付いたのは、透視の越境能力に加え繊細な《気》の操作技術により己の五感を自在に強化出来るアマギ・ハクアであった。

「ケビン君、今すぐに全方位広域に《白鷺(しらさぎ)》の白霧を噴射して!威力は最小限でいいから、急いで!」

 理由も述べずに叩きつけられたその言の葉に、ケビンは疑問符や反論を挟まない。

 三人編成(パーティ)において、円周の一番外縁を担当するハクアの役割は索敵と先制。目と成り耳と成り、自軍へと危険が迫っていることを知らせる。

 その耳目が、脅威を察知した以上、否はない。

「ふんっ!」

 流派:コンゴウ中伝《白鷺(しらさぎ)》。

 両手に込められた冷気を纏った《気》が、合掌により周囲の空気と急激な温度差を生み、三人を中心として白い霧が発生し周囲に広がっていく。

 薄手のベールの様に広がっていく冷気の帯は、そのまま周辺の地形を包み隠していくかに思えたが、突如その一部がズタズタ(・・・・)に捩じり切られた。

 不可視の巨大な渦。

 《白鷺》によって拡散された霧が、その輪郭を露わにする。

 眼に見えず、音も無く、ただひたすらに進行方向上に存在する全てを捻じ曲げながら破壊を撒き散らし、凄まじい速度で進む螺旋。

 暴虐たる災禍の渦が、ケビン達を今まさに呑み込もうとしていた。

「皆、跳ぶよ!」

 流派:ムラクモの抜刀術、鞘の内部に《気》を超圧縮する技術の応用にて、ハクアは自身が操るボードへ足裏を通して瞬間的に《気》を蓄積させる。

 本来、武器自身が主の波長に合わせる三昧(さんまい)至宝(しほう)と言う特例を除けば、人体以外の器物に《気》を伝導させるには例え天賦の才を持っていたとしても、常日頃からその器物を使い続け己の一部であると認識と持つまでの段階に至る必要がある。

 その理を覆したのは、また別の異界の理。

 溝穴(スロット)を介したアイテムの核との直結、即ち『装備』。

 『装備』とはただ単に肉体に器物を身に纏うのではない、《霊核基幹》とアイテムをダイレクトに結び付ける事で、初めて扱う武器であっても装備者は設計思想レベルまでの深い理解と肉体の延長へと至るまでの慣熟を得る。

 アカギとの死闘を生き延びたハクアの体内には、《霊核基幹》が根を張っていた。

 異界由来の食物を口にした事で肉体に変化の生じたエマやケビンとは違い、死地を乗り越えたが故の成長。

 《霊核基幹》と接続されたボードは、最早肉体の一部にも等しい。

「っ!――――ケビン君、今から流派:ムラクモの《気》の超圧縮と解放に関する知識を共有化させます、受け取ってください!」

 跳ぶ、の一声と黒糸から伝わる思考の波により、エマはハクアの考えを汲み取り即座に自身を介して必要な知識・技術を伝導させる。

 心身に染み入る他流派の歴史、先人達が積み重ねてきた努力に敬意を払い、ケビンは呼吸を大きく《仙丹》を稼働させる。

「他流派の偉大なる御歴々(おれきれき)、名を存ぜぬ非礼をお許しを。その練磨(れんま)研鑽(けんさん)の一端、一時拝借致します!」

 《黒の王》の勅令・強制献心(デボーテ)で一度吸い上げられ別の支配対象へ共有化された知識・技術は後付けの借り物などではなく、脈動する血肉となる。

 ハクアとほぼ変わらぬ速度で練り上げられ足裏を通して器物に収束される《気》の流れ。

 二人の武芸者が練り上げた力の余剰分が黒糸を通してエマのボードにも流れ込み、圧縮されていく。

 それは、喉元にまで迫った抜身の刃を薄皮一枚で躱すような、刹那の見切りだった。

 天より落ちる不可視の災渦を確かにその氷瞳に捉え、ハクアは叫んだ。

ここ(・・)だ!」

 ボードの裏面、仕込まれていた機構が作動する。

 試合開始から三人が『装備』し続けている身の丈以上もあるボードに見えたそれの正体は、アカギ貸与のアイテム、名を《尖塔の白盾》。

 エーテルに干渉可能な金属、ミスリル製の防具であり、エマが大気中のエーテルを支配する事で発生させた小規模エーテル・ストリームに『波乗り』することでエマ達は超音速での移動を可能としていた。

 それは仕様外の使用法であり、作動した機構また仕様外のやり方で使われる。

 固定杭(パイル)

 《尖塔の白盾》、種別:大盾に分類されるこのアイテムには、装備者が足を止め敵の猛攻を縫い留める『楔』となる際の補助として、盾全体をその場に固定する杭を射出する機構が存在する。

 その固定杭を地面に突き刺すのではなく、《気》の超圧縮と解放による爆発的速度で地面に叩きつければどうなるか。

 三人の身体が、弾かれるようにボードごと空中高くへ跳躍した。

 直後、不可視の渦が地表を駆け抜けた。削り、抉り、生々しい巨大な溝状の傷痕が大地に刻まれ、粉微塵サイズにまでにされた土砂が、かき混ぜられた空気と共に土煙となって鮮血のように飛び散っていく。

「う、うお、バランスが!」

 馴れぬ空中の姿勢制御に手間取り、ケビンの身体が傾いていく。

 あわや落下寸前というところで、ハクアの補助が入る。

「もう、世話が焼ける、なっと!」

 装甲エプロンドレスから取り出された鉤爪付きの鋼線が、ボードごとケビンの身体に巻きつけられる。

 ハクアが手元の鋼線を勢いよく引っ張れば、独楽の要領でバランスを崩していた身体とボードが回転し重心が強制的に安定。

 ケビンの滞空時間が引き延ばされた事で、ボードに乗った三人全員が破壊の渦が通り過ぎると同時の着地に成功する。

 跳躍のタイミングが早すぎても遅すぎても、回避は叶わなかった。空中でのサポートに加えてハクアの紙一重を見極める度胸と妙技あってこその回避である。

 再び滑走を開始したボードの上で、ケビンは目を剥いた。

「な、なんだよ今のは!?」

 音なく、姿なく、前兆も一切なしに無慈悲な破壊を撒き散らしていった渦は、心胆を冷やすには十分過ぎた。

収束歪曲砲(ディストーション・ブラスト)……あれは発生させた斥力を高密度で収束させて撃ちだすことで、射線上の全ての物体を捩じ切り粉砕する兵器です。私も《スクール》の資料映像で見た事はありましたけど――――実物がここまでの威力とは」

 吐露したエマの背筋にも、冷たい戦慄が走っていた。

 抉られた事で露出した地面の断層は荒く、そして深かった。

 多くの戦場で猛威を振るう光学兵器や使い所によっては光学兵器よりも戦略的に有効な誘導弾とも明らかに毛色の違う異質な兵器。

 が、ケビンへエマの説明はあまり響いていなかった。

「せ……セ、キ、リョク?………石の力?」

 斥力のせの字も理解出来ていないと顔に書いてあるケビンに、ハクアは額を押さえた。

「いやまあ、反発力を生み出す磁石とかも大別すれば『石』と言えなくもないけどさぁ……少しは(わざ)だけじゃなくて常識も身に着けようよ?」

「ああ!?てめぇ、馬鹿にしてんのか!?」

「文武両道は武芸者の基本。あんまり知識がお粗末だと、草葉の陰で先達(せんだつ)達が泣くってボクは言ってるの」

「てめぇは、一々細けぇんだよ!」

 小突き合いをする両者に、エマは笑顔を見せる。

 能力も何も無しに、ただ笑っているだけ。それ以外は何もしていない。

 だと言うのに、その笑顔は血気盛んな武芸者達の額に冷や汗を流させ、口を閉じさせた。

「説明、続けますね?」

『………はい』

 首肯を確認し、エマは再び語る。

「現行のほぼ全ての宇宙船に標準搭載されている慣性制御システムは、加速Gの軽減や偏向シールドに斥力を発生させています。ですので、斥力を発生させる技術自体は割と一般的なものです。ですが、収束歪曲砲(ディストーション・ブラスト)を放てるレベルの高精度・大出力のものとなると、現行の兵器群では圏内の最新鋭機を含めても存在しません」

「なら、今の攻撃はどうやって……」

「簡単な話です。現代の技術で不可能なら、失われた過去の技術の産物を持ってくればいいんです」

 巻きあがっていた土煙が晴れた時、肉眼でもハッキリと認識できる距離に陽光を照らし返す鏡面装甲の球体が宙に鎮座し地上を睥睨(へいげい)していた。

 静かな水面のように艶やかな表面には一切の継ぎ目が無く、空に浮遊している(さま)も併せて現実感のない一枚の抽象画の様な光景であった。

「《黄金期の遺産(ゴールド・レガシー)》、現代社会に於いて必要不可欠な慣性制御システム全ての複製元の原型(オリジナル)―――秘匿された銀卵、《イースター・エッグ》」

 正体不明の《大厄災(カタストロフ)》の到来により既存の電子機器の殆どが破壊され、文明の利器が使用不能に陥り、次世代へ技術・記録を伝達する記録媒体も失われたことで、一度人類の技術レベルは落ちる所にまで落ち込んだ。

 母星での暦での十九世紀程度の蒸気機関が最新の機械となり成り果てた人類の技術レベルを再び引き上げたのは、辛うじて《大厄災》を免れた前時代の遺物である《黄金期の遺産(ゴールド・レガシー)》の存在が大きい。

 分断された星間ネットワークを再び構築しなおした銀河連盟の功績も勿論あるが、それですら宇宙に漕ぎ出せる遺物がただの一つも無ければ不可能であった。

 現代社会に無くてはならい技術の多くが、前時代の遺跡などから発見された《黄金期の遺産(ゴールド・レガシー)》を解析・分析した末に劣化コピーされたものなのだ。

「完全に破壊されれば、二度と修復できない一点物を投入するなんて、大盤振る舞いここに極まれりと言ったこところでしょうか」

「《黄金期の遺産》ってのは……原型(オリジナル)ってはそんなにすごいのかよ」

「……私が《スクール》で学んだ知識通りなら、収束歪曲砲一発で何十隻もの戦艦(ふね)を容易に轟沈出来ます。比例して発生させた斥力を防御に回す偏向シールドも鉄壁で、並大抵の物理攻撃では本体に触れる事すら出来ません」

 光学兵器や誘導弾の雨の中を装備と能力を駆使して突破してきたエマ達だが、現行兵器と《黄金期の遺産》では文字通りモノ(・・)が違う。

 敵の攻撃を防ぐ手立てが無く、逆にこちらの攻撃は敵に届かない。

 初発の一撃を回避したやり方は奇策の部類であり、そう何度も通用する方法ではない。《イースター・エッグ》に近づけは近づく程に攻撃の密度は上がり、より状況は厳しくなる。

「あはは、改めて聞くと火力の単位がすごいな~。比較対象が対人でなくて対艦って時点で、笑い話にもならないや」

「二人共、どうしますか?幸いな事にその火力と防御力のトレードオフで《イースター・エッグ》の機動力は低い……厄介な遺産兵器はアカギさんへ回して、迂回してエリアCの《ラッキー・ストライク》を叩きに行くのも一つの選択だとは思いますが?」

「それこそまさかだぜ、エマさん」

 アカギ以外の面々に課された役割、それは一言で言えば露払いを行い戦局をコントロールする事。

 名実共に圏外最強の《グレイブバルチャー》、そしてその団長ラファエル・レーヴィト。狡猾(クレバー)かつ戦場の熱に充てられる事もない歴戦の傭兵団は、目的を達成する為なら名も恥も捨ててひたすら逃げ隠れすることも厭わない。

 制限時間があり、その中で全能力を逃げの一手注ぎ込まれれば、例えアカギとて試合に勝つことは出来ない。

 故に、エマ達の役割はG.V.以外のチームを叩き、かの傭兵団全員を戦わざるを得ない状況へ追い込む事にある。ここで迂回すれば、時間を浪費するだけでなく、アカギへの負担を更に増やす事になる。

 それでは、今ここに立っている意味がないと、戦意も高くケビンは天の銀卵を睨んだ。

「生き残るためなら恥も外聞の殴り捨てて逃げろってのが流派(ウチ)の教えだが、それは自分(テメェ)の守りたいものを生きて守る抜くためだ」

 押さえていてもなお噴き出してくる《気》の奔流を背に、ケビンは戦意を吐く。

「俺自身が守りたいもの……(レイラ)の命が懸ったこの大一番で逃げたとあっちゃ、俺は二度と流派:コンゴウの武芸者を名乗れねえ」

 腰に佩いた《沙羅双樹》の柄頭を軽く撫でながら頷くと、ハクアは悪戯っ子の様に笑って見せた。

「うん、ケビン君に先に言われたのは癪だけど、流派:ムラクモの武芸者としても《ヴィンセントヴァルキリーズ》の団員としても同意見かな」

 流れるような滑らかな動作で引き抜かれる刀身。

 演武の様に美しい一連の基本の型に曇りは無く、納刀の際には澄んだ金属音が響いた。

「ボクは師匠(おや)不幸な弟子だったけど、多分師匠がこの場にいたらこう言ったと思う『窮地に於いて活路を切り開くのが、流派:ムラクモの務め。空に浮かぶ銀玉なんぞさっさと切り落としてしまえ、馬鹿弟子がっ!』ってね」

 司令塔と言う立場上、迂回や撤退も視野に入れた発言をし問うたエマを含めて誰もがこの状況を悲観していなかった。

 遺産兵器の《イースター・エッグ》は本来たった数人の人間で対抗出来るような並みの兵器で無い事は百も承知。常道であれば今すぐこの戦場から撤退する事が最善である事は間違いなく、立ち向かうなど危機意識を喪失した蛮勇の所業。

 それでも三人は、悲壮感の欠片も無い表情で笑い合った。

「それでは、今から各自の端末にデータを送ります。《イースター・エッグ》の攻略に関して私に策があります」




 現存する数少ない起動可能な遺産兵器、《イースター・エッグ》の最奥の制御プロセッサー部には、傭兵団《メタル・トループ》全員の『脳』が接続されていた。

 《黄金期の遺産》とは奇跡的な確率で現代にまで残った人類の全盛期たる黄金期の遺産であるが、《大厄災》を経たことによる破壊や経年劣化によりその殆どが破損状態にある。

 明らかなオーバーテクノロジー産物である《黄金期の遺産》は、現代の技術では修復不可能な箇所が多く、コンウェイが手に入れOOE社の特殊技研チームの第八格納庫で管理されていた《イースター・エッグ》の場合それは、機体の全機能を統括する制御プロセッサーであった。

 コンマ一秒のズレも無く機体の全てを制御することが可能な光を結晶化させた超大容量の記録媒体は、現代の技術では再現不可能なパーツであり、その代替として複数の人間の『脳』を制御プロセッサーとして接続する事で機体の能力を統括しているのだ。

 元々、《メタル・トループ》は団員全員が脳以外の全てを義体化した完全義体化人(フルサイボーグ)であり、自己同一性(アイデンティティ)の確立を肉体に依存しない生粋の機械化崇拝者(ボーガー)

 肉体が義体化する事に一切のストレスを感じず、寧ろ老い朽ちていく肉の身体をこそ煩わしく思い、仮に記憶や感情を完全に電脳に移し替える技術が確立した際には真っ先に残った脳髄すらダストボックスに投げ捨てるような連中である。

 そんな《メタル・トループ》のメンバーにとっては、『脳』つまりはブレイン・コアを普段使いしている義体から《イースター・エッグ》へ移植する事など、着替えと大差がない。

《パルスッ!パルスッ!脳髄にスパイシィーなパァルスが迸るぜ、ふぅっ!》

《かぁっ!《黄金期の遺産(ゴールド・レガシー)》ってのは、サイコーだぜ!接続端子(イチモツ)直結(ブチ)こんだ時の反応(レス)がそこら辺の義体(カラダ)とはダンチ!返ってくる情報量(しげき)がうねるみたいに変化し続けてイキっぱなしだぜ、はっは!》

 《イースター・エッグ》の最奥、プロセッサー部は、機器の駆動音を除けば酷く静かなものであり、兵器としての基本運用を半自律行動を行う遠隔無人兵器として開発された機体のため、外部を確認出来るようなモニターの類も一切ない。

 薄暗い狭苦しい空間に、シリンダー型ブレイン・コア間のネットワークで電子コード化された《メタル・トループ》のメンバーの会話が飛び交う。

《おい団長、収束歪曲砲(ディストーション・ブラスト)の第一射がどうやら外れたようだぜ。センサーで感知できる重力偏差値に変動がねえ》

《ほう、見えず聞こえず殆どのセンサーで感知できない初見殺しを凌ぐとは、ただの寄せ集め集団ではないようだ。主砲の再充填まで、何秒かかる?》

 過去の時代ならいざ知らず、《イースター・エッグ》は現在の劣化模倣の技術で修復された不安定な箇所が幾つもある。機体が万全の状態ならば連射も容易だが、現状だと収束歪曲砲を撃つには少々時間が掛かる。

《早いのはバァッド!》

《でも遅いのはそれ以上にナッシングッ!》

《タァイングを逃したら、チャンスは二度とやってこない!》

《第一射で早速エネルギーバイパスの第5と第8がぐずり出している。20秒程くれ、強制冷却と効率低下から最低でも10秒は欲しい》

《遅い、5秒で終わらせろ》

《フゥー!ダンチョー、マジ鬼畜、パワァハラー!》

《……出来なくはないが、それだと威力が………》

《敵とのサイズ差を考えろ。収束歪曲砲は元々が対艦戦闘用兵装、対人戦なら掠っただけで致命傷、威力は最小限でいい。それよりも、常に砲撃を間断なく撃ち続け奴らを『削り』続ける事を意識しろ》

《あいよ、了解》

《ぶっかけターイム!乱れ撃ちダダダダッダダン!》

 団の副団長ブレイン・コアから発せられた複数の命令コードが、接続プラグを通じて《イースター・エッグ》の兵装へと伝播していく。

 表面の鏡面部分が波打ち第二射、第三射の準備が着々と整っていく中、副団長はセンサーが補足した妙なデータを脳髄で感じ取る。

《これは……》

《どうした?》

《いや、W.F.の連中が散開を始めたんだが……センサーが拾い上げるデータがどうにもおかしい。今、全員にデータを送る》

 ケビンが発生させ続けている分厚い白霧の影響で、光学的な探知はほぼ不可能。対象の熱源と重力偏差を感知する事で《イースター・エッグ》のサンサーは敵の現在地を割り出している。

 そのセンサーが収集したデータを三次元マップ上に反映したものが、《メタル・トループ》全員の脳髄に転送される。

《なんだ、これは?まさかセンサーまでもいかれたか?》

《はははははは!Oh、ブンシンのジュツ、ニンジャー!》

 そこには、十人以上の数にまで増殖したエマ達が映り込んでいた。

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