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9月17日分の無差別争覇杯の大会プログラムが全て終了した夕刻。
冷めきらぬ試合の興奮をアルコールやギャンブルなどで発散することに忙しい雑多な街の中を、アカギは『カネツグ』を連れ立って目立たぬように歩いていた。
優勝候補の一角である《グランドチャンピオンズ》を破ったことで《ウェット・ファイターズ》は、無名のチームから予想のつかないダークホースにまで一気に名をあげ、いい意味でも悪い意味でも注目の的となっている。素顔を晒したまま歩けば軽いパニックが起きかねないため、二人とも当然ながら《へんげの帽子》という変装用のアイテムの効果で見た目をコロニー・ナタにならどこにでもいるありふれた闘士の姿に変化させていた。
「まったく、担い手様をこんな紙切れ一枚で呼びつけるとはなんと礼儀知らずな」
アカギ宛に送られてきた、情報端末へのメールではなく今時珍しい墨と筆でしたためられた紙の手紙を手に憤慨しながら、整った美貌を歪める『カネツグ』。主を敬愛して止まない精霊からすれば、そもそもアカギが誰かの差配で動かされるのが気に食わないのだろう。
「まあ、そう言うな。こちらでの俺の立場は世界の趨勢に関わる『使徒』ではなく、フリーランスの傭兵の一人に過ぎない。寧ろ、直筆の手紙を送ってくる分だけ誠意が見て取れる」
手紙の差出人は、三回戦の対戦予定チーム《ヴィンセントヴァルキリーズ》。
記述された内容を要約すれば、『取引がしたい。話を聞く気があるなら、指定した場所にまで来て欲しい』となる。アカギ達にとって重要なのは、取引を受けるかどうかに関わらず、会談に応じるならばV.V.がケビンの治療を請け負うという条件が追記されていた点だ。
二回戦で王者マッドマックスを破った少年、ケビン・リーはこの場にいない。
試合終了直後に意識を失ってから昏睡状態が続いている。闘技場の医療施設により肉体の損傷は後遺症もなく完全に癒えているが、意識だけが戻らず施設のベッドで眠り続けている。
ケビンを担当した医師にも、原因は不明だった。単に四日間の漂着惑星での修行や接戦だった試合の疲労や緊張で眠り続けているのならまだよいが、《気》を生成する《仙丹》を酷使したことが身体に何か致命的な損傷をもたらしているのなら、現代医療に精通していようとも闘技場の医師は完全に門外漢であり手の施しようがない。
アカギが所持している回復や治療の効果を持つ幾つかのアイテムも試してみたが、結果は芳しいものではなかった。
クエストの護衛対象であり達成条件にも深く関わっているというものあるが、ケビンはアカギにとってエマと同じく十年後二十年後の姿を見てみたいと思わせてくれる若者であり、年端もいかぬ内にその命を散らせるわけにはいかなった。何か方策はと思案しているところへ、計ったかのようにV.V.からの手紙が届いたのだ。
《気》を扱う武芸者の集団である件の傭兵団ならば、ケビンの容体についても何かしらの知識や治療法を備えている可能性が高い。対戦予定のチームを試合前に有利な状況で闇討ちするために呼び出したとも考えられるが、実際に交わした言葉や時間こそ少ないが、そこからでも感じ取れる武芸の求道者達なりの倫理観や流儀は、信用できるとアカギは判断し会談に応じる事を決めた。
誕生以来現在位置と周囲の地図を脳内に投影する権能の《世界の標》に依存しきりだったため方向音痴が治らないアカギと、デミオリハルコンボディの維持・運用へ処理能力を割いているが故に電子機器への直接アクセスが制限されナビゲーション能力の低下した『カネツグ』という道行に難のあるコンビは、悪戦苦闘しながらも何とか指定された時間ギリギリに目的地に到着することができた。
二人が辿り着いたのは、二束三文のはした金で低品質な大量の酒精に溺れる事を目的とした酒場ではなく、取り扱われている酒類は最低価格でもコップ一杯で圏外での平均月収が吹き飛ぶ最高級のリゾートホテル《カトレア》である。ただ、巨大な闘技場を抱えるコロニー・ナタの性質上、客層は所謂上流階級に限らず、駆動を発しながら歩く義体化人や銃火器を携行した傭兵もいる。
ここの最高水準のサービスを受けるのに必要なのは、社会的地位や格式などではなく、ホテル側の定めた最低限度のルールを守れる自制心と、後は金である。その二点さえ満たす者であればホテルが門戸を閉ざすことはない。
客層の幅広さを見たアカギは、《へんげの帽子》を脱ぎ変装を解除しながら苦笑した。
「……用意した服が無駄になったな」
指定された場所が高級ホテルであったため、ドレスコードを鑑みてアカギはシンプルなフォーマルスーツを着用していた。レンタルや吊るしの既製品ではなく、アカギの身体に合わせて誂えられたオーダーメイドスーツは元々の体格が良く線もしっかりとしているため、意外にも似合っていた。
冒険時代に何度か国の代表や貴族などと会談した経験から公式の場での礼装の必要性を知っていたアカギは、こちらの世界の専門業者に発注し作らせたこの手の服を何着か《オロチぶくろ》に収納している。
アカギの横で『カネツグ』も変装を解き簪で髪を結った着物姿になるが、その表情は悔しげだった。
「口惜しい。担い手様のレアコスチュームがお披露目になっているのに、それを記録として残せない自分の力の無さが口惜しい」
普段ならばドローンなどの撮影機器を駆使して360度余すところなく舐めまわすようなアングルでアカギの動画撮影に勤しむ『カネツグ』だが、リソースの関係上能力の制限を受けているため実行できず、血の涙を流さんばかりに悔しがっていた。
「あー、なんだ、よくは分からないがそんなにこの服を着た俺が見たいなら、後でいくらでも見せてやるぞ?」
「ぜ、是非に!あ、いえ、従僕たる私の要望を担い手様に押し付けるなど言語道断!そのお気持ちだけ、身に余る恩情。これ以上は過ぎた願いです」
「そうか?まあ、気が向いたらいつでも言え。服を着るぐらい、いくらでも付き合ってやる」
ううう、欲望と忠誠心の間で葛藤する相棒の姿に苦笑しながら、アカギはホテルの自動ドアを潜った。
ほぼ無音で静かに動く高速エレベーターに揺られること一分弱。緩やかな曲調で奏でられるバイオリンのBGMが響くレストランへとアカギは足を踏み入れた。
来店してきた二人の姿を見つけた店員が、客を不快にさせることのないよう丁寧かつ迅速なプロの歩き方で近づき、笑顔で歓迎の意を述べつつ予約をしているかと問いかける。
アカギが、自身とV.V.の名を出し待ち合わせをしていることを告げると店員は了解の礼と共に二人を店内の奥、個室へと案内する。
仄かな明度の照明に照らされた部屋には白を基調とした品のよい調度品が配されおり、狭すぎて圧迫感を感じる事もなければ広すぎて寒々しさを感じさせることもない秘密の小部屋めいた赴きがあった。
部屋には、既にV.V.の二人の武芸者、白髪と氷瞳の少女アマギ・ハクアと文武両道を地でいく眼鏡をかけた少女ホウセン・ミツルの姿があった。
「あ、やっほー、アカギさん。それと・・・・・・・・・・・・・・・誰だっけ?」
「同じ《ウェット・ファイターズ》のカネツグ様です。会談するお相手の名前くらい覚えてください」
手を挙げて気軽に挨拶する自由奔放なハクアに、苦労人気質のミツルは溜息と共に注意する。
「カネツグ様、悪気はないんです。ただ致命的なまでに気遣いや配慮、礼節が欠けている無作法な馬鹿なだけなんです。これは珍獣の様な生物だと捉え寛大な心でお許しください」
興味のない人物の顔と名前をまるで覚えようとしない同僚の後頭部を掴み無理矢理前に下げながらミツルも腰を折って謝罪する。
「些事だ。特段気に留める事でもない」
担い手であるアカギとその関連人物以外は割とどうでもよいと認識している精霊は、主に対する暴言や侮辱でも言われない限りどんな扱いを受けようとも本当に特に気にもしない。
少なくとも表面上は穏便に事が収まったことで、『カネツグ』の心中を知る由もないミツルは胸を撫でおろした。
「それは幸いです。こちらとしても本題の取引前に事を荒立てたくはありませんから」
傭兵団の規則なのか、二人とも相も変わらずの黒と白のツートンカラーのメイド服。その服装は、ある意味でリングの上よりは場の雰囲気に沿ったものかもしれないが、給仕などを請け負うのではなく椅子に座り机についてサービスを受ける立場にいるのにはアカギには違和感があったが、二人とも平然としている。
メイド服のV.V.の二人組に民族衣装の着物姿の『カネツグ』。正装であるはずのスーツ姿が、何故かこの場では少数派で浮いていた。こちらの世界に来て半年程度のアカギは、何か自分は常識を間違えてしまったのかと自問自答する。
「どうぞ、お掛けになってください。ここの支払いは呼び出した私達V.V.が持ちますので、お好きなものを頼んでください」
「ああ、分かった」
促され立ったままだった二人はV.V.と向かい合って席に着く。店員から渡されたメニュー表を見るも、アカギは軽く唸った。
アカギの、圏内圏外で主に使われている共通汎用語に対する識字能力は高くない。正確に言えば今現在も学習の途中であり、会話程度なら問題なくこなせるようになったが、読み書きとなると話は別だ。普段はエマ謹製の翻訳ソフトの力を借りるが、詩的な修飾語が二個も三個も並び、代名詞や比喩を多用、日常会話ではほぼ出ないような特殊な調理法や貴重な食材名にまでは翻訳ソフトも対応していない。
なんとなくニュアンスで肉料理、魚料理位は分かるがそれ以上はまるで分からない。アカギは、メニュー表を閉じるとそのまま店員に返した。
「学が無くてすまないが、俺には何を書いているのか読めない。特に食べれない物は無いので、適当に今日のおすすめを持ってきてくれ」
「私も、同じもので結構だ。口に入れば何でもいい」
『カネツグ』のボディは、人体としての機能を再現しているに過ぎず、飲食でエネルギーを補給することも可能だが効率的には微々たるもので、あまり意味はない。それでもオーダーを出したのは、周囲の人間が食事をしているのに『カネツグ』だけが何も口にしていなければ明らかに奇異に映り、主へ余計な注目を集めると判断したからだ。
地域柄、突飛な言動や行動の客の対応に慣れている店員は特に両者の言に驚く事もなく恭しく畏まると個室の扉を閉め、店の奥へと消えていく。
小部屋が《ウェット・ファイターズ》と《ヴィンセント・ヴァルキリーズ》のメンバーのみになったところで、ミツルが口を開いた。
「一応、確認の為に先に申し上げますが、私達V.V.はこの場でお二方を害そうという気は一切ございません。その証拠に、会談場所は五帝直下の系列店舗を指定させていただきました」
資源惑星の採掘権を巡っての抗争や物流の運搬ルートの縄張争い、荒事が多発する圏外では殺し殺されが多発する。特に傭兵稼業などを行っていると、恨み辛みを買いやすい。場合によっては些細な行き違いや事故から全面的な武力衝突へと発展してしまうこともある。
傭兵稼業は敵を殺さなければ飯が食えない仕事だが、殺しすぎても飯が食えなくなる因果な職業だ。
血で血を洗う無益極まりない全面衝突を避ける為の示談の場所として主に利用されるのが、五帝直下の高級ホテルや高級レストランなのだ。客の情報を外部に漏らなさない口止め料が給料に含まれそのための指導を徹底されてる従業員達の職業倫理は高く、秘密は固く守られる。五帝直下の施設で騒ぎを起こせば、それは五帝の顔に泥を塗ったも同然であり、そんなことになれば表でも裏でも仕事にありつけず干されることになるため、互いの最低限安全を担保することもできる。
つまり、V.V.側がW.F.との取引の場所に《カトレア》を選んだのは、目的はあくまで取引を行う事でありそれ以外の思惑はないと示す為だ。
「また、この場にお越しいただけたので、ケビン・リーの治療もお約束しましょう。無論、こちらも治療費などを請求する気はありません」
「こちらからすればありがたい話だが、何故敵に塩を送るような真似をする?」
それは当然の疑問だった。V.V.からすれば対戦予定チームのメンバーが負傷で動けないのなら、願ったり叶ったり。W.F.は選手数が少なく、競り落とされる試合形式によっては出場枠を五つ埋めるだけでV.V.は戦わず勝利を得る事ができる。
ケビンを治療することは、自分で自分の首を絞めるに等しい行為だ。正々堂々全力と全力をぶつ合う事を信条とする《グランドチャンピオンズ》のようなチームならまだしも、結果を重視し往生際悪くとも最後まで生き残る事を旨とする傭兵のやり方とは乖離がある。
「もしこれが、大会優勝を目的とした依頼を受けた仕事上の事ならば、私達V.V.も障害となる敵チームを援助はしませんし、『星取り戦』を競り落とし出場枠を五つ埋めて不戦勝を狙います。しかし、今回はそもそも大会参加目的が優勝する事ではないからです」
武芸者集団であるV.V.が無差別争覇杯に参戦した目的、それは武術の普及活動であるとミツルは語る。
そもそも武術は、その入り口の狭さや習得の難易度、科学技術が再興したことで殺人技術としての相対的な有用性さえも低下したことから銀河から消え去ろうとしている技術だ。武芸者の数は減少傾向にあり、多くの流派が後継者不足に頭を悩ませている。
「殆どの武芸者は、千年以上過去の創世期から偉大なる御歴々方が積み重ねてきた創意工夫の集大成である流派の業の数々を絶やす事を良しとしていません。無論私達も例に漏れず、です」
無差別争覇杯は圏外中で多くの人々が注目する一大コンテンツだ。ここで武芸者が、並みいる強豪チームの義体化人や越境者を相手に活躍すれば、武術の知名度と有用性を広く喧伝することができる。
極論、V.V.は予選で敗退したとしても武術の名が多くの人々知れ渡れば勝ちなのだ。
「ケビン・リーの治療を無償で請け負うのもその一環です。彼の様な若く才気溢れ、武の真髄を目指そうとする気概をも備えた武芸者は今の世には貴重な存在です。例え修めた流派や属する組織が違おうとも、彼がこの先も修練を積み戦い続けることが、引いては武術全体の繁栄にも繋がります」
提案があります、とミツルは話を切り出す。左右の手の指を一本ずつ立て、アカギに見せる。
「私達が提示する条件を呑んでいただければ、次の三回戦は互いに出場枠を一つのみ購入し、一対一の決闘形式にて勝敗を決することをお約束します」
途端に噴き出したのは、肌を騒めかせる狂おしき衝動。
その起点は、ミツルの横に座るハクアだった。
瞳孔の収縮から始まる表情の変化、口角が吊り上がり内側で抑えつけられていたモノが表面化することで形作られる、好戦的で挑発的な凶暴な笑み。
「成程、その一枠で出場するのは君なのか、ハクア」
「そうだよ!………やっとアカギさんと死合える、もう今から二日後が楽しみで仕方ないよ!なんなら、今すぐにでも―――っ」
無邪気なまでに戦意を高らかにするハクアに、同僚のミツルは視線を厳しく眼鏡のブリッジを押し上げた。交渉の場で揉め事を起こしたら、ホテル最上階の窓から吊り下げて蓑虫にするぞと言わんばかりの眼光の鋭さに射抜かれ、自由気ままな少女も漏れ出した狂気を仕舞い込んで乾いた笑みを浮かべるしかなかった
「ア、アハハハハ、冗談だよ、やだな~みっちゃん。ボクにだってそれくらいの分別はあるってば!」
全く信用出来ない同僚の弁明を溜息と共に聞き流し、ミツルは視線を再び正面のアカギへと向けた。
「すいません、馬鹿が馬鹿を行い話が逸れました。本題に戻りますが、呑んでいただきたい条件はただ一つ。――――武器を握り、私達と本気で戦ってください」
どんな条件が来るかと考えていたアカギは、僅かに驚いた表情を見せた。
一回戦からただの一度も本気、即ち『カネツグ』を握った『戦士』本来の実力が発揮されていない事を、武芸者は見抜いていた。
「私はハクアのように超感覚系の越境能力があるわけではありませんが、理詰めによる観察眼には多少なりとも自信があります。アカギ様の手は、武器を握る手です」
長い年月武器を握り振るい続けた手は、皮膚がめくれ肉刺が潰れた数だけ厚みを増し、後付けの道具でしかなかった武器を、己の半身へと変える。『カネツグ』はアカギが手ずから鍛え磨き抜いた一振りの剣であり、重量、密度、形状その他微細にわたりアカギの為にだけに最適化されているが、その刃を振るう手もまた『カネツグ』に最適化されている。
それ故、愛剣を持たない『戦士』の戦闘能力は、何割か減じられる。
「義体化施術を一切受けていないにも関わらず、最高水準の義体にも勝る身体強度。越境能力無しで物理法則を捻じ曲げる不可思議な技能。これだけの力を誇りながら、未だ全容は見えず。検体として、アカギ様は非常に興味深い観察対象です」
眼鏡の奥の瞳には、武芸者というよりも学者めいた知的好奇心が宿っていた。
感じ得たものを重視する感覚派のハクアに対し、ミツルは考え抜いたものを重視する理論派。無駄を削ぎ落した合理の果てにこそ、武の真髄が在ると彼女は考える。
「流派の名を継いだ武芸者には全員、先達から託された伝統を継承し、同時にそれを超え新しいものを生み出していかなければならないという使命があります」
現状維持は、後退と同意義。他の多くの技術がそうであるように、武術もまた時代の変化、環境の推移と共に進化を繰り返してきた。
黎明歴の最初期、全身を覆う重装甲防護服が隆盛だった時代は装甲を切断・破壊する技を編み出し、時代が進み科学が広まった事で携帯性・貫通力に優れたブラスターが戦場の主力兵装へと台頭すれば、多くの流派が光線を《気》を用いて反射・切断する技を編み出した。
技術は、常に進化し続けなければ時代の波に飲み込まれ淘汰されるのだ。
「しかし、浅学非才の身である私達が先人達の叡智の集大成である奥義書に一筆加える事は、並大抵の難行ではありません」
創世期から伝承されてきた武術は、ミツル達が及びもつかない歴史に名を遺した天才達が幾人も集まり人生を掛けて編纂してきたものであり、才なく未熟な者では手を加える事など出来はしない。
事実、殆ど武芸者達は受け継いだものを次の世代に継承するだけでその人生を終える。
だが、ミツルはそこで視点を変えた。
数多くの流派は極めれば極める程に、《気》の生成や運用に重点を置くようになる。肉体はあくまでも《気》を通し循環させる器であり、要訣は《気》にあるとされている。
逆に言えば、肉体とは武術に於いては、未だ未開拓領域の部分が多く残されている。
《気》を用いず、越境能力を使用せず、義体化処置も受けていないアカギの超人的な肉体は、武術を進歩させるための絶好のサンプルとなるのだ。
「託された武術をより先に進ませるため、私達V.V.はアカギ様の実力の開示を望みます。三回戦の試合にて、本気の戦いを見せてください」




