30
明けまして、おめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
そして、PV1500&ユニーク700突破!
読んでいただいている方々、誠にありがとうございます。
皆さんのPV数やブックマーク数は、私の励みになります!
黎明歴425年9月15日。
人間は、熱を発して生きる生物だ。
感情が昂り血が滾れば、その熱量は更に増す。
人の群れが発する熱量は熱気となり、試合会場の温度を物理的に上昇させていた。割れんばかりの声援と賞賛を背中に浴びながらその場を後にするのは、前年度準優勝チームであり、S級闘士マクシミリアンに率いられる《グランドチャンピオンズ》。
本戦一回戦第一試合を、堂々たる王者の風格を以って戦い、見事に勝利した。
先頭に立つ鷹の覆面を被ったマクシミリアンが、ファンサービスでガッツポーズを決めながら退場していく。
五人の選手全員が姿を消したのを確認し、試合会場上空を飛行していたロビンソン・ヤマモトは、プログラムを進行させる。
「マッドマックス、ナイスな試合サンキューだっぜ!さあ、どんどん行こうカ!続いて第二試合、選手入場!」
東側、演出用のスモークが立ち昇り、鼓膜を抉る不協和音が掻き鳴らされる。
運営委員会が着用を定めている全身を覆い隠すフードを被り、五人の選手が会場へと姿を現す。
歪な集団だった。フードに覆われ、細部の輪郭までは分からないにも関わらず、人体にしては異様なまでに背面部が肥大化した者。下手をすると子供よりも小さい小柄な者。針鼠のように、フードを突き破りそうな突起が見え隠れする者。
五人が五人とも、人体の形状からは大きくかけ離れた者ばかりが集まっていた。
「血に飢えた殺人鬼達!その殺しの技は最早芸術!物言わぬ肉色のオブジェとなった敵は数知れず、こいつらにとっちゃあリングはアトリエか、それとも解体場か?残虐非道、冷酷非情、チーム、《キリングフィールド》!」
会場から、歓声があがる。
ただし、それは《グランドチャンピオンズ》に対して向けられたものとは質が違った。
「ブッ殺せ、K.F.!」
「今日も楽しいショーを頼むぜ!」
「豚の悲鳴を聞かせろ、今日はそのために来てるんだ!」
その声の多くが、凄惨は試合を期待するものだった。《キリングフィールド》は一般受けは悪いが、試合中に行われる『生きたまま相手の肋骨を全て摘出する』などの彼等流の『ショー』が、一部の熱狂的なファンを生んでいる。日常とは乖離した陰惨な儀式めいた行為が、観客達の内なる残虐性を露出させるのだ。
西側からも、スモークがあがり《キリングフィールド》の対戦チームが入場してくる。
一人。
西側の入場口から登場したのは、たった一人、アカギのみだった。こちらもフードを被っているため細部は不明だが、K.F.の様に殊更変わった姿ではなかった。
「一人だぁ?やる気あるのかよ!」
チームの説明に入る前から、野次が飛ぶ。積極的にけなさずとも、殆どの観客の眼は、たった一人の選手に対して懐疑的だった。
「本大会で唯一のE級闘士所属チーム!無謀?蛮勇?それともただの馬鹿共か!?恐れ知らずのスケープゴートは、果たして殺人鬼達から逃げおおせることができるか!?チーム、《ウェット・ファイターズ》!」
言葉だけでなく、観客の手に持っていたアルコール飲料水がアカギに浴びせられた。
「帰れ!お呼びじゃねえんだよ、場を弁えろ!」
「さっさと、負けちまえ!」
「なんだよ、ウェットって!ふざけてるのか!?」
罵声、雑言、嘲笑。
方向性こそ違えども、そこにあったのは攻撃性を伴った悪意だ。一試合目終了後であったため闘争本能が掻き立てられ、普段は大人しい者にも悪意が伝播し広がっていく。
ウェットとは、蔑称であり、最弱の代名詞だ。
無差別争覇杯の観覧席を入手するには、最安値でも相応の額と抽選に選ばれる運が必要になる。安くない対価を払って見せられたのが、箸にも棒にも掛からぬ三流以下の闘士の戦いかもしれないとあって、多くの観客の不満を買うこととなった。
渦巻く喧騒の中、こんな事態も慣れたものな司会者は、口元に浮遊するマイクロフォンに声を注ぎ、会場に響かせる。
「さあ、会場も暖まってきたところで、試合ルールの発表だ!」
ロビンソンの背後の自転する巨大な多面型ARボードに、両チームの落札結果が表示された。
競り落としたルール等を行使するか否かが、事前に両チームから回答されており、最終的な試合ルールの結果もここで発表される。
一回戦第二試合
試合形式:勝ち抜き戦
出場枠
《キリングフィールド》:五名
《ウェットファイターズ》:一名
バトルフィールド:朽ちた摩天楼
オプション:デスマッチ
《キリングフィールド》は、義体化身体を含めた全ての武器・防具の使用権を買い、地の利を得る為に自分達が戦いやすい遮蔽物や障害物の多い、室内系のフィールドを競り落とした。
更に、そのチームの方向性・嗜好性により、ギブアップ、リングアウトを排したデスマッチをオプションルールとして落札している。
対し、《ウェット・ファイターズ》が競り落としたルールは、『星取り戦』のみ。
購入した出場枠も一人のみであり、武器・防具の使用権もなし。
『星取り戦』のルールは出場枠の関係から行使せず、ルール上勝利が不可能になる条件を避けただけで実質何一つ有利なルールを手に出来ていない状態だった。
会場内の至るところで、失笑が起こる。
裸一貫。
童貞と同じく、闘技場内での俗語に於ける蔑称の一つ。
高額の参加料を何とか賄い、幸か不幸か予選を突破。しかし、そこで運と資金を使い果たし、まともな装備もルールも用意できずにほぼ丸裸で試合に臨む状態に陥ってしまった者達の呼び名。
長い歴史を誇る無差別争覇杯の記録を紐解いても、ネイキッド状態で勝ち抜いたチームは皆無だった。
罵声が減り、代わりに嘲りの笑いが増えた。殆どの観客達は、ルールが発表された時点で試合結果を早々に見積もり、試合観戦の目的を身の程知らずの新参者がいかに無様に負けるかを眺めることにシフトした。
「両チーム、準備はいいか?さあ、リングにあがりな!」
ロビンソンが号令をかけ、両チームから一人ずつ、《キリングフィールド》からは背中が肥大化した者が、《ウェット・ファイターズ》からは、アカギがリングへと登る。
形式上リングとカテゴライズされるが、そこは予選が行われた正方形型のフィールドとは全く別の地形へと変貌していた。
全長約100m超の廃棄された高層オフィスビル。元々はコロニー内の企業が所有していたビルだが、不渡りを出し遭えなく倒産。資産の一つであったビルを五帝の一人が買い叩き、こうして移設され試合の為再利用されている。試合会場のドームを、空から一望すればドームに巨大な柱が突き刺さっているようにも見えた。
《キリングフィールド》の競り落とした『朽ちた摩天楼』の適用により、試合はこのビル内にて行われる。両チームの開始位置は、ルール所有側が有利となり、K.F.が最上階、逆に《ウェット・ファイターズ》は一階からスタートだ。
開始位置の関係上、先に辿り着いたW.F.のアカギはその場でフードを脱ぎ棄てる。露わになるのは最低限の装備、オープンフィンガーグローブに下半身のスパッツのみを身に着けた義体化の一切ない肉身の体。
その殆ど裸体に近い装備に、またもや会場ではネイキッドの名が飛び交い、嘲笑が起こっていた。指をさし、声高らかに馬鹿にされても、アカギは眼を瞑りただ静かに試合開始の合図を待っていた。
《キリングフィールド》側も昇降機を利用し最上階へと到着、フードを脱ぎ捨てる。
その選手には、人間が嘗て進化の過程で失った器官が接続されていた。
撓りと伸縮性を生み出す特殊合金で作られた赤く長い尾。肥大化した背部の正体は、この尻尾の膨らみだった。
義体化には、大きく分けて二つの種別がある。
欠損した器官や臓器などの代わりを義手などで代替させる、置換型
元々人体には存在しなかった器官を新たに増設する、拡張型。
人の脳は、元来人体を制御・管理する為に遺伝子上で設計されている。その設計思想を逸脱した多腕や多脚などの部位は、仮に脳との神経接続を行ったとしても機能不全を起こしまともに機能することはない。性能を十全に発揮させようと思えば、高度に電子制御された補助脳が必要になる。
よって、拡張型は置換型に比べ施術に掛る費用が非常に高額になる。また、定期的なメンテナンス代などの維持費やシステムの更新などの手間も増える為、拡張型は潤沢な資金とそれ得られるだけの力を示す証でもある。
《キリングフィールド》の先鋒、蠍と呼ばれる男もまた、闘技場での強者の一人。
増設された尻尾を、第三の手あるいは足として使用し、変幻自在の動きで敵を翻弄。隙を突いて尾の先端に仕込んだ神経毒を相手に注入し、動きが鈍ったところで両手の高振動爪で敵を刻んでいく。
敢えてすぐには殺さず、悲鳴や苦痛の喘ぎ、助命の嘆願を頭部の収音センサーで拾いあげ、記録するのが蠍のやり方。神経毒も、痛覚は残るように成分を態々調整している。蠍に限らず、《キリングフィールド》は各々が『殺し』に対して拘りと嗜好を持っている。内の殺人衝動を隠すことなく、法の眼を掻い潜り合法的に快楽を満たす者達、それが《キリングフィールド》だ。
両チームの選手が開始位置で待機したことで、空中のARモニターではカウントが開始する。
蠍は、長い舌を口周りで周回させる。
「聞かせろよ、裸野郎。お前はどんな音色で鳴くんだ~、早く聞かせろよ!」
如何に勝つかではなく、如何に殺すか。蠍の頭にあるのはそれだけであり、他の四人も同じだった。
カウント、ゼロ。試合が開始すると、蠍は自慢の尻尾を床に突き刺した。赤い尾は、手足の代わりのみならず高感度センサーとなって、ビル内の微細な振動を感知する。敵が別の階層にいようとも、尾を介することで蠍は正確な位置を探る事ができた。
アカギは、まだ一階から動いていない。
最上階まで登ってくるには、昇降機を使ってもまだ時間が掛かる。その間に、奇襲を仕掛けるに適した場所に身を隠そうと尻尾を地面から抜きかけた時、蠍はその音を感知した。
「おーっと、これは!」
ロビンソンが、驚愕の声を挙げる。
リング内の状況を備に観客達へ伝える為、摩天楼の周囲には空撮用のドローンが何機も飛び回っており、その内部にも多くの定点観測カメラが設置され試合の光景を複数のモニータで表示している。
だが、内部に設置されたカメラのみ、映像が一斉に揺れ動き、荒れだした。
原因は、一目瞭然。
最下層にいるアカギが、ビルの自重を支える支柱や壁を素手で破壊し始めていた。
高強度コンクリートの厚さ数十cmに及ぶ壁を、脆いビスケットの様に拳で砕き、建造物全体を支えるシャフトを次々に蹴り折る。
一撃加えるごとに、致命的な亀裂が走り振動でビル全体が悲鳴を上げた。
「自暴自棄か、はたまた何かの作戦か!?《ウェット・ファイターズ》のアカギ、自分が何をしているのか分かっているのか!?」
全ての環境が制御されたコロニー内の建造物は、風雨や地震などの対策が構造に反映されている地上のものと違い、耐久性よりもフレキシブルに建造・解体が行えるように構造の簡略化に重点を置いて設計されている。
ただでさえ、振動や衝撃への耐久度が地上の建造物よりも一歩劣るビル。そこに巨人の如き『戦士』の一撃が内部構造に浸透すればどうなるか。
摩天楼が、大きく傾いた。
巨大なビル影が一瞬観客席を覆い、その場にいた者は突然の事に逃げる事もできずに、背筋を凍らせた。
観客席を保護するために設置された、戦艦クラスに搭載される超大型偏向シールドと摩天楼が激突し、鼓膜を突き破るレベルの凄まじい大音量を撒き散らしながらビルが砕け散る。
カメラ映像を中継するモニターは赤いエラー表示で埋め尽くされ、崩落の衝撃により大量の瓦礫や粉塵が舞い上がり、ドローンの映像までもが全て真っ白に染まった。
《キリングフィールド》の蠍は、瓦礫から這い出し息を吐いた。ビルが傾いた際、咄嗟にビルが倒壊していく方向とは逆方向の窓から飛び出し、落下の衝撃を尻尾で受け流すことで、身動きの出来ない状態で超重量のビルに押し潰されるという最悪の事態を防いでいた。
「はっ!あああ!ああああ!何を、考えて、やがる!?」
バクバクと体内で煩いぐらいに鳴動する心臓を押さえつけ、蠍は言葉を吐いた。どうやってかは分からずとも、誰がこんな状況を引き起こしたのは見当がつく。
対戦相手、《ウェット・ファイターズ》のアカギである。
一切の武器・道具無しでフィールドを崩壊させたのかは不明だが、ビルが崩れ落ちた時点で崩壊の中心地、最下層にいたことを蠍の尾は捉えていた。
高層ビルの自重は、どんなに軽く見積もっても一万トンを軽く超えている。その下敷きになれば、生死の判断以前に人体がまともな容を保持してことすら怪しい。
「クソッ!クソッ!殺し損ねた!」
癇癪に任せて瓦礫を踏み潰し、蠍は地団駄を踏んだ。
結果的にアカギの自滅で労せずして勝利が転がり込んできたわけだが、公衆の面前で堂々を悲鳴を堪能できると期待していた蠍は、フラストレーションが溜まる一方だった。
手慰みにコロニーに住民登録されていない貧民街の浮浪児でも攫って楽しもうかと思案する殺人鬼は、長い舌で空気の流れを感じ取った。
粉塵舞う碌に視界が利かない中で、自発的に動き近づいて来る物体がある。驚きとそれ以上の喜悦を漏らし、蠍は迎撃の体勢を取った。
会場内の異常を感知した空調システムが、空気の循環を行うことで急速に砂煙を晴らしていく。
揺れる靄の中に燃えるような赤毛を見つけ、蠍は叫んだ。
「さあ、楽しいショーの始まりだ!」
尾の先端が、捩じれた軌道で煙の中へと突き込まれる。
不規則にして、音速。
撓り、のたうつ一撃こそ、蠍にとっての定石であり最善手。伸縮自在の尾の軌道は、初見では視認さえ難しい不可視の一刺。見切るのは、至難の業。
されど、それを超えて見せてこそ、真の『戦士』。
一番激しく動き回る尾の先端を、アカギは正確に右手で掴み取る。
「かかった!」
喝采する蠍の脳信号で、赤い尾から神経毒を注入する針が射出される。
尻尾の軌道を見切る者は、今までにもいた。だからこそ、二段構え。尾を捉えた相手の安堵を利用し、一瞬の弛緩状態へ極細の針を撃ちだす。
空気中に溶けてしまいそうな程に細く鋭い、ナノニードル。
見えぬ毒こそ、蠍の持つ真の奥の手。
そして、その必殺の一撃は、空を撫でるアカギの左手指先に摘まみ取られた。
「安い曲芸だな」
指先に尻を叩かれた針が、蠍の舌を貫通して喉奥に突き刺さる。自身が調合した毒の即効性を、殺人鬼は己の身を以って味わった。
「かっ!・・・・・・・・・あ、あ、はぁっ!?」
「すぐに楽にしてやる」
天へと昇る、蹴り。
左の軸足にて大地を掴み、全身の筋力・体重から抽出される運動エネルギーを僅かも減じることなく伝達された右足は、悪鬼を股下から脳天へと蹴り砕いた。
蹴撃格闘スキル《翔竜脚》。
その一撃は、敵のみならず残留していた土煙さえ裂き、リング上の澱んだ空気を一気に吹き飛ばした。
観客が目にしたのは、飛び散った義体の冷却循環液と原形が判別できない程に粉砕された骨格フレームが散乱する中、静かに佇む『戦士』だけだった。
「しょ、勝者!《ウェット・ファイターズ》アカギ!」
最初の試合の終了を告げるゴングが鳴り響く。
勝利の余韻など微塵も感じる事も無く、アカギは優勝するための布石を打った。
人差し指のみを爪の先まで真っすぐ伸ばし、腕ごと高々と掲げる。
試合終了直後、勝者が少しでも変わった動きをすればカメラは敏感にその反応を追わざるを得ない。
視線と注目が注がれるのを肌で感じながら、アカギは会場中に宣言した。
「一回戦の残りの四試合、俺は全てを一撃KOで勝つ!」
傲慢ともとれる発言に会場が湧いた。
その難易度の高さから、声を上げて否定する者。蹴りの一撃のみで蠍を葬った実力から、あるいはと考える者。どちらにしろ、アカギに対して否定的な心情の者が殆どだった観客達は、否が応でも後の動向に注意を向けるように誘導される。
アカギの戦歴には、闘技場での経験も存在する。無論、それは元居た世界エクセリアの闘技場であり、コロニー・ナタのそれとは規模も何もかもが違う。ただ、世界を隔てても人間の性質が大きく違わないように、戦いを娯楽として観賞する人種の気質もあまり差が無い。
個人戦、集団戦の両方で闘技場を制覇したアカギは、どうすれば観客を引き込めるかを知っている。
それは予想を裏切り、期待に応える事。
好悪の感情ではない。善玉であろうが悪役であろうが、思いもよらぬスペクタクルを巻き起こし、声援に応え強敵を打倒する者達から観客は目を離せない。
ネイキッドという蔑称の意味を、試合前からアカギは知っていた。どの道出場枠をひとつしか満たせないのなら、一切の有利なルールを買わずにいることであえて不名誉な冠をかぶり、更なる逆境・窮地を演出。
ビルを派手に破壊し、強烈なインパクトを刻み込む。
大多数が、これは無理だと見切った結果を、一撃の元に覆す。
追い打ちに、自らのKO宣言で更にハードルを上げる。
こうなってしまえば観衆の興味は、熾烈なる逆境をアカギが超えていけるのかどうかに動く。その勝敗に、注目する。
そして、多くの観衆の注目を集めるチームを、運営委員はおいそれと潰すことができなくなる。それが、アカギの狙いだった。
一回戦なら、まだ警戒する必要のないチームだと無視されていても、勝ち進んでいけば運営の推挙するチームを勝たせるために、横槍を入れてくる可能性は非常に高くなる。試合の判定に、競売の出品ルールの内容など、時には強引に事実無根の不正疑惑をかけてくる可能性もある。
しかし、多くの観衆が注目するチームならば、その運営側も介入を躊躇する。注目とは、監視の目とほぼ同義であり、運営のあからさまな専横は収入源である観衆の反感や不満を買う。無差別争覇杯は、ギルドの威信を示す為の催しであり、ここで不祥事などが起これば、五帝のメンツは丸つぶれだ。
《ウェット・ファイターズ》が勝ち抜くためには、観衆を取り込む必要がある。
芝居が掛かった大仰な仕草と口調で、アカギは《キリングフィールド》へ宣告した。
「おい、サイコ野郎共。お前等の流儀に合わせてこう言ってやる、ショータイムだ。俺のワンマンショーを特等席で見せてやる」




