第060話 私なしで水着回? 世界はどれだけ無謀なの?
そうして全員が砂浜へ集った直後だった。
一瞬、降り注ぐ陽光が陰った。
「ん? なん──」
と、言い切ることもできなかった。次の瞬間には、爆音とともに何かが砂浜に着弾したからだ。
「お、おい。また空から人が降ってきたぞ……」
ハザマが声を上げる。なんと、落下物はまたしても人間だった。この短い期間に二回? そんなことあるのか? と疑いたくなる──しかし正体を見て、僕らはその光景を受け入れることとなる。
「師匠、どこで何してたんスか……」
見事なスーパーヒーロー着地を決めたのは、水色髪の少女──
「ルナ・アストレア。水着回と聞き、需要に応じて参上した」
ビキニスタイルの水着+マフラーという奇妙な出で立ちで、その少女は現れた。
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第060話──
「私なしで水着回? 世界はどれだけ無謀なの?」
☆★☆
神出鬼没の体現者。その女性は口元をマフラーに埋めつつ、無表情のまま親指を立ててサムズアップした。
訳が分からないが──ルナならまあ、空から降ってきてもおかしくないか……と、僕らは根拠もなく納得してしまった。
「物凄く得意げなこの女性は誰? 知り合い?」
「え、ええと、知り合いというか、剣の師匠というか……」
ユリスは突然の来客に身構えている。当たり前だ。見知らぬ人間が突然落下してきたら最大級の警戒をする。明らかに戦う格好ではないので瞬時に「なんだこいつ」という顔に変わったが。
「所用で外していたけど、私はいつでもあなたたちを見守っているので呼ばれればいつでも駆けつける」
本当にスーパーヒーローみたいなことを言い出した。
「呼んでないんですよォ!! ルナさんが来ると一気に平均値が上がるんですよ!! 何とは言いませんが!!」
若干名騒ぎ立てる者がいるがノータッチで行く。
「はぁ。私なしで水着回が成立すると思った? 思慮が浅いと言わざるを得ない」
ルナはわざとらしく首を横にふり、体の前で腕を組んで胸を持ち上げた。
「ぷるん」なんて生半可なものではない。それは間違いなく「たゆん」に属するものだ。
「この私こそが最強」
「くっ……否定……できない……」
苦い顔をするアトラ。水面下で何やら駆け引きが行われているらしいが……ここには僕らが首を突っ込まない方が良いだろう。触らぬ神になんとやら。
「る、ルナ師匠……?」
そんな中で、一人異質な驚き方をしている少年がいた。ジンだ。
「あれ、なんで……姿が同じ……?」
「私は永遠の十七歳だから」
今度はアイドルみたいなことを言い出した。
しかし、姿が同じとは……? やはり不老長寿ということか……?
ジンの世界では、僕が結婚できるほど大人であるはずだ。なら、その世界のルナも相応に成長しているはずだが、どうやら違うらしい。時間を止めるなんて離れ業を持つ存在は、外見年齢を操作することもできるのかもしれない。
「ジン・シュナイダー……そうか。あの後……」
ルナは、ジンの頭にポンと手を載せた。
「あなたも、私と同じ……」
「えっ、それはどういう……」
ジンも困惑する意味深なセリフに、謎は深まるばかりだ。
ルナ・アストレア。彼女は一体何者なのだろう。
彼女を見ていると、頭の奥のほうが熱くなってくるような、不思議な感覚がある。その正体が何なのかを掴むには、まだ時間がかかりそうだった。
☆★☆
照りつける日差しが肌を焼き、ジリジリと浜辺を熱している。そんな僕たちのために、ユリスは葉の大きな植物を作り出して、パラソル代わりにしてくれた。
「これがユリスさんの魔法ですか?」
銀髪幼女は早速そこにべたーっと寝転び、周りに巨大な氷を生成することで、お値段ゼロ円で快適空間を実現。
「ユリっちは植物操作が得意なのよ。やろうと思えば辺り一面をお花畑にできるっていってたっけ?」
「イエス。ちなみになんでも出せるわよ。花でも木でも草でも」
拳をパッと開くと中から一輪の花が。マジックみたいだ。
ユリスは広範囲に影響を及ぼす魔法を得意とする。別名『花の魔女』。そんな彼女は──
「あげる」
アトラの胸の谷間に花をぶっ刺した。
「ちょ、やぁ! なにすんのよ!」
「なははは」
ケラケラと笑いながら、花の魔女は海へと逃げていく。アトラは慣れない砂浜に苦戦しつつ、それを追いかけていった。
「俺らも突撃するぞ! ジン! エイジ!」
ハザマにつられるように、僕らも海へと繰り出す。いってらっさーいと手を振るミスティと、膝を折り目を閉じるメイは留守番のようだ。ルナはぼけーっと空を見上げている。
先陣を切った赤髪の青年は持ち前の身体能力を生かして思い切り大ジャンプ。海へとダイブした。
「うおおおおおお! 気持ちいいッ!」
そんな声が示すように、皆の表情に笑顔が宿る。
ここまで、一ヶ月という時間を過ごしてきた僕たちだが、本当の意味で何もかも忘れて笑うことができたのは、今が初めてなんじゃないかと思った。
僕も身体を海に投げ出した。心地よい浮遊感と清涼感が全身を駆け抜けていく。
「気持ちいい……」
遠くからアトラとユリスがはしゃぐ声が聞こえてくる。そんな最高のBGMをお供に、僕はひとときの休息を満喫する。山積みの問題を放り出して快楽に身を委ねるというのは、こんなにも気持ちのいいことなのかと、僕はある種の驚きにも似た感覚を得ていた。
地球にいた頃、僕はろくにストレスを経験しない生温い生活を送っていた。食事、睡眠、ゲーム。その単純なサイクル。ゲームをプレイする日々は最高に楽しかったけれど、その人生には何ら負荷が存在しなかった。
この世界に来てから、僕は今までの人生の負荷を全て合わせても足りないくらいの負荷を得た。それは時に、僕の心を折りかけたこともあったけれど、それでもなんとか、こうしてやってきている。
一か月。一瞬だった。退屈なんて感じる暇がなかった。何度も死にかけて、実際に死んで、もう諦めたいと何度も思って、それでも今日という日にたどり着いた。
それは、僕の人生で最もやりがいに満ち溢れた時間だったと言い換えることができる。
この世界に来て、僕は色々なことを知った。
自分らしく生きることを知った。人の感情を再確認した。偽物みたいな本物の世界が、僕に大切なことを教えてくれたんだ。
きっとこれからもたくさんのことを学ぶのだろう。未だ真相の分からないこの世界に、それでも僕は多くのことを教えてもらった。
「ゲームが人生の教科書です!」なんて言えば、きっと大人に怒られてしまうんだろうけど。
でも、僕にとってもこの世界は、なくてはならないものになりつつある。
ふとその時、心によぎる疑問があった。
{──僕は、現実に帰りたいのだろうか?}flag = true;
ブライトの体を借り受け、やってきたこの世界。自分がなぜここにいるのか、この世界は一体何なのか、それすらも分からないまま今日まで死に物狂いでやってきた。
じゃあ、そんな必死でやってきたのは何故なのだろう?
生きるため? 地球への帰り道を探すため? それとも単に興味本位で、ゲームにおける『クリア』を目指すため?
どれも█しいようで、どこかしっくりこない気がした。
「……帰りたい、わけじゃない……?」
わけが分からないから、とりあえずゲームのクリアを目指す。それが最初の行動目標だ。今もその点は変わっていない。でも、その理由についてはどうだ?
あの頃はまだ、この世界のことを何も理解していなかった。曖昧なまま、とりあえずでき█ことをやろうとしていた。確かにあの頃は、「帰りたい」という考えがあったかもしれない。
しかし今、改めて思い返してみる。
この世界は単█るゲームじゃない。人々は実際に生きていて、何か大きな思惑を持った黒幕の姿があり、世界を破壊されて逃げてきた息子を名乗る少年██る。█れらを知った。
では、僕が何らかの方法を発見して地球に帰れることになった時。
僕はそ█らの問題を無視して、一人█全な地球へ帰ることができる█ろうか?
答えは、█だ。
当たり前だ。そんな未ク█アのゲ██を途中で放り出すような真██できない。
瞬間、脳内に電撃の██な閃きが走った。
そ█だ。僕は、明確な目的を持っ██の世界に█た。
僕はこの█を██なけ█ばな████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████
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以下のような原因が考えられます。
・アクセスしようとしたファイルが存在しない(ファイルの設置箇所が間違っている)。
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printf("そうだ、僕はこの世界から早く出なければならない。");
return 0;
そうだ、僕はこの世界から早く出なければならない。
家族や、全然多くはないが知人たちが待っているはずだ。彼らのためにも、僕はなんとかして地球に戻らなくては。
こんな世界とはさっさとおさらば────
……あれ?
地球に戻る?
僕はさっき、全く逆のことを考えなかったか?
「……うーん」
イマイチ正確に思い出せない。まるで、存在しないファイルにアクセスしようとしたかのような空虚さ。あるいは記憶にぽっかり穴が空いているような。
考えているうちに、その疑問は霧の中へと消えてしまい、掴むことができなくなってしまった。
自分の思考をバックログで遡ることができたらいいのに──もちろん、そんなことはこの世界ではできない。もしできるのなら、ぜひ教えてほしいものだ。
結局そのまま正体を掴むことができず、心の中にわずかなしこりを残したまま、僕の思考は現実に引き戻されていった。
僕の達成すべき目標とはなんだったのか──それを明らかにすることはなかった。
そしてそのことに疑問を抱くことすら、許されなかった。
☆★☆
僕らは切り立った崖の上に立っていた。
「あ、あのぉ……本当にやるんですかぁ……?」
情けない声をあげるのは、やはりジン。膝をガクガクと震えさせ、今にも死にそうな青い顔でこっちを見てくる。
「もうお前だけだぜ? 残ってるのは……」
地上までは、およそビル5階分くらいの高さがある。見下ろせばそこには深々とした青。穏やかな波に揺られる水面は、太陽の光を乱反射してキラキラと輝いている。
突発的な飛び降り大会が始まったきっかけは、ユリスの放った一言だ。
「──子供の頃、あそこから飛び降りて遊んでたのよね!」
ユリスは昔からこのビーチをホームグラウンドとしており、様々な遊び方を研究したという。その中の一つがこの崖からの飛び降りだった。
僕ら男性陣はそれを聞き、男の意地を見せるためにここへやってきたというわけだった。
すでに僕とハザマはクリア。正直ルインフォードに殺されるのに比べればこの程度の恐怖は何でもない。
対してジンはと言えば──
「む、無理無理無理無理…………っ」
絶賛尻込み中だった。
背後からは「はよ飛べー!(ミスティ)」「が、頑張れー……(アトラ)」「はぁ……(ユリス)」と言った声が次々と飛んできている。
「なんでそんな簡単に飛べるんだよぉ!」
もはや逆ギレに近いテンションでジンは恐怖を訴え続ける。僕らと違って、きっと死の間際の恐怖なんて知らず、平和な世界からやってきた彼には『この程度』のことですら未知の領域なのだろう。残念ながら、彼はユリスのような強い人間ではない。
「はぁー、ほんっと情けないッ!」
真っ先にしびれを切らしたのは、こういうのを嫌うユリスだった。
「あんたみたいなやつが一番嫌いなのよね」
腕組み仁王立ちというあまりにも男らしい立ち姿のユリスは、いきなりズンズンと歩き出す。まるで崖に犯人を追い詰める刑事のような迫力だ。
「10歳の私が飛べるんだから、あんたも飛べる、でしょっ!」
そしてユリスは、ビビりまくるジンを追い詰めると、そのまま肩を押して──
「──っ!」
日常的に未来視を利用している僕は、感覚的にその行動が『先読み』系の力だと推測できた。ジンはユリスが伸ばした手を見事に躱してみせた。
「えっ?」
だが……悲しいことに、ジン・シュナイダーという男はそこまで段取りがよくなかった。
ビビって大げさに手を払ったジン。虚空に伸びる手。体勢を崩すユリス。
後は必然。崖ギリギリに立っていたジンの代わりに、ユリスが水底へと落ちていく。
「まずい──」
僕は未来視で先行して動くこともできた。しかしそれをしなかったのは、もう一人の行動も視ていたからだ。
言わずもがな、ジンだ。
彼は素早く切り返すと、落ちていくユリスを追いかけるようにして──そのままダイブした。
あんなに怖がっていた彼が、迷わずに。
☆★☆
その時、ジン・シュナイダーは何も考えていなかった。
彼は、父親譲りの『眼』を持っている。
『英雄の眼』。エイジの持つそれは未来視の力だが、ジンの眼は「直感」だ。似ているようで、少し違う。
そう。彼は未来を見て行動しているわけじゃない。ただ己の直感に従って、あくまで感覚的に、衝動的に──その手を伸ばしたのだ。
空中。浮遊時間は一瞬。水面はグングン迫ってくる。驚いた顔で硬直するユリス。何が起きているのかも理解できていないような表情だ。対してジンは──いや、ジンも何も理解できていない。涙目だ。
「気がつけば体が動いていた」──これは、ただそれだけの話。かっこつけようとか、そんな打算を持ち込む余裕は今のジンにはなかった。
「──────ッ!」
空中でユリスの手を掴んだジン。そのままグッと引き寄せると、身体の前後を回転させる。自分が下になるように。
「ちょ、あんた──!」
ユリスが何か言おうとするも、間に合わず。二人はもつれ合うようにして落下し、轟音とともに大きな水柱を作り上げた。
☆★☆
僕らは慌てて地上に戻った。そこに、頭から水をかぶってびしょ濡れのジンとユリスが海から上がってきた。
「だ、大丈夫か?」
「う、うん……」
僕の問いかけに、ジンは上の空で返事をした。
ユリスも似たような状態で、右手で左肘を掴みながら斜め下を向いている。髪先からは絶え間なく雫が落ちる。
こんな時にこんなことを言うのは変なのだが、髪の濡れた女の子というのはとても艶やかだ。表情は優れないが、肌に張り付く髪がとても扇情的で……。
「と、とりあえずこれで拭いて!」
アトラがタオルを持ってきたことで、とりあえず危険な思考は断ち切られた。
「じー………………」
何か、背後から強烈な視線を感じるが誰だろう。ロケットパンチが飛んできそうな気がするが……。
ひとまず、二人はどこも怪我をしていないようで安心だ。ユリスの落ち方的にちょっと危ない気もしたのだが、ジンがなんとかしたようだ。
ここまでいいとこなしというか、ただのひ弱男子だったジンだが、ちょっとは巻き返せたんじゃないか?
当のユリスは……なんだか煮え切らない表情をしているが。
☆★☆
ユリスは納得がいかなかった。
あの情けない男が、なぜあの時だけ手を伸ばしてきたのか。分からない。ジンの考えていることが。
あのまま落ちたら、きっとどこかしら怪我をしていただろう。だが無事に終わったのは、ジンが空中で身体の位置を入れ替えて下になってくれたからだ。
頬を引きつらせながら笑う隣のジン。ユリスは知っている。隠しているが、ジンがユリスの肩を担いで水から上がる時に、左足をかばうような仕草をしたことを。
きっと彼は、下になって水面に直撃した際に、思い切り左足を打ったのだろう。
なぜ隠す? 今までのジン・シュナイダーなら、泣きながら痛い痛いと喚いていたはずだ。それなのに──。
「だ、大丈夫だった? ご、ごめん! 突然のことで、驚いちゃって……」
どうやらユリスに対して完全に萎縮してしまっている様子のジンは、つっかえながらも謝罪の言葉を述べてきた。
(違う。悪いのはあなたじゃない)
悪いのは自分だ。感情に身を任せて、いきなりジンを押そうとした自分の責任。自業自得だった。
だがジンは、笑って誤魔化し、謝ってくる。
(なんでよ……)
「え、えと……怪我はない、かな?」
ユリスは、ジンと目を合わせられなかった。
(いつもは逆の立場なのに、なんでよ……)
納得がいかなかった。こんな時だけ、かっこつけて。
「気がつけば体が動いていた」──そんな事情なんて知らないユリスからすれば、ジンの行動は紛れもなく英雄的だ。
それに──
(ぎゅって、された……)
混乱していたのか、一番気にしそうなジンは何も言ってこないが……着水する瞬間、思いっきり抱きしめられたのだ。
男性と付き合ったことがないどころか、父親以外の男に肌を触られた経験すらろくにないユリスにとって、それはまさしく『事件』というべきものだった。
しかも、手を触れたなんてレベルじゃない。思いっきり両腕を背中に回されて、抱きしめられてしまったのだ。
「……」
静かに腕を抱き寄せる。
庇ってくれたことに感謝すればいいのか、触られたことに怒ればいいのか、ユリスにはもう何が何だか分からなかった。
これまでのジンに抱いていた印象と、この一瞬に見せたジンの印象の齟齬。それがユリスの中に生まれた納得できない感情の状態だった。
(ジン・シュナイダー……)
まあ、端的に言えば──
(……なんか、ムカつく!)
そういうことだった。




