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RE/INCARNATER  作者: クロウ
第二幕 魂の在処
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第032話 魔法都市マルギット

「……着いた」


 いくつかの小規模な山を越えると見えてくるのは、二つの山脈に挟まれた谷に位置する不可思議な街並みである。


「ここが、マルギット……」


 アトラが思わず惚けた声を出してしまうのも納得の光景が、眼前に広がっていた。


 魔法都市、マルギット。


 その空には二つの山を繋ぐ銀色の橋がいくつも架かっており、巨大な浮島を繋いでいる。そこを人や物資が行き交い、空中すらも生活圏としていた。蜘蛛の巣のように広がった空中都市は壮観と呼ぶ他ない。


 谷底に広がる人々の生活風景も、リドラの村やルルーエンティとは様子が異なっている。街道は石畳。両脇には街灯が並び立ち、整然とした印象を与えてくる。エストランティア城と比べると非常に近代的なデザインで、その街並みが高度に発展した技術を如実に表していた。


 谷底の街並みを二分するように流れる川では、子供たちが遊んでいる。産業用水として使われているはずの川で遊べる……水処理技術にも魔法が使われているのだろうか。


 またそこで暮らす人々の姿も多種多様で、ローブに帽子といういかにも魔法使い然とした姿の人から、猫のような耳が生えた女性、全身が鱗に包まれた男性など、いわゆる『亜人種』と呼ばれる人々までもが生活を共にしていた。


 円環大陸における魔法研究の最先端、人類の叡智が集う場所。それがこの、魔法都市。


「噂にゃ聞いてたが、ここは同じ円環大陸だよな……?」


 ハザマも初見らしく驚きを露わにしている。

 そう。ここはエストランティア城から地続きの同じ円環大陸。城下町に広がっていたのは、ファンタジーとしては正統派な中世風の街並みだった。ここまで高度な魔法技術は使われていなかった。

 だからこその『最先端』。移動手段は馬車ではなく魔法の絨毯や箒なのだ。

 しかし、僕の感動ポイントはそこではなかった。


「ほ、本物だ……」


 その派手さゆえに、エストランティア城より、リドラの村より、ルルーエンティよりもダイレクトに伝わってくるものがある。

 ゲームでも屈指の作り込みを誇るマルギットの景観が今目の前に広がっている。実際にその不可思議な空気感と活気が肌を通して伝わってくる。それだけで僕にとっては感無量であった。


「一分の一スケール、マルギットジオラマ完全版だ……」


 なんて馬鹿な感想を抱きながら、僕らは町の門──谷底に広がる町の入り口を進んでいく。

 町は活気付いており、中央通りには人も多い。

 そんな中を進む。喧騒に包まれて、僕らは新たな旅のスタートを切るのだ。


「────」


 そう、一歩を踏み出そうとした時だった。


「ん? どうしたのエイジくん」


 突然立ち止まった僕に、アトラが不思議そうな顔を向けてくる。

 僕は返事をすることもできずに、まるで時が止まったかのようにその場に立ち尽くしていた。

 魔法の都市に心を奪われた? よく知るあの街が現実となった感動? 違う。



 視線。人混みの向こうに、真っ直ぐこちらを射抜く視線、一つ。



 少女。忙しなく行き交う人混みにあって、僕と同じく微動だにせずそこに立つ少女、一人。

 僕の頭の中には、ひたすらに疑問符が湧いていた。

 それはルインフォードの時と同じ疑問であった。



 なぜ? なぜ彼女がここにいる? ここに彼女がいるのは──



『ゲームのシナリオ』とは、違う。



 この世界がシナリオ通りの物語ではないことは理解している。前回の戦いからして既に道を外れていることも分かっている。

 だが彼女がここにいるのは……それだけはおかしい。おかしいのだが……


「──────────────」


 少女は一歩、歩みを確かめるように足を踏み出した。


 それにつられて僕も同じように歩き出す。


 それは、『エストランティア・サーガ』において、主人公たちの仲間になるメンバーのうちの一人。しかしこの物語序盤、マルギットではなく……もっと先の、終盤で仲間になる少女。


 流麗にたなびく空色の長髪。腰には一振りの太刀。肩の出ている改造巫女服、ミニスカート、ロングブーツ。長いマフラーから顔を半分出し、そこに揺れる瞳は──歓喜の涙に濡れていた。


「──やっと」


 揺れる少女の声。一歩、また一歩と、二人の距離は縮まっていく。そして──






「────やっと、逢えた……っ」






 いきなり少女は駆け出すと。

 人の波を抜けて、僕の元へやってきて。


「ぇ──」


 僕の胸に飛びついてきた。


 …………。


 ………………………………。


 少女の華奢な腕が、目一杯に僕を抱きしめてくる。まるでもう逃がさない、どこにも行かせないと言わんばかりに。これだけ密着しているのだから当然、肌の温もりもダイレクトに伝わってくる。特に巫女服を大きく押し上げる胸がぐにゃりと押しつぶさて、存在を強く主張してくる。


 それだけではない。彼女の髪を風が撫でればいい香りがして、お互いの心臓の高鳴りが共有されて……彼女が小さく震えているのも、分かってしまう。


 完全なるオーバーフロー。処理能力の限界を遥かに超えた僕の思考回路は、瞬く間に機能を停止した。


「え」「は?」「……これはこれは」


 仲間たちの三者三様な反応が、どこか他人事のように聞こえてくる。


「え、ちょ……え?」


 先ほどの疑問符とは比べものにならないほどの量で、頭の中が『理解不能』埋め尽くされていく……。


「き、ききききき! ききき君は…………っ」


 しどろもどろを限界突破し言語なのか悲鳴なのか曖昧な音を発しながらも、僕はどうにか質問をひねり出した。



「ルナ・アストレア……だよね?」



 ルナ・アストレア。剣聖とも称されるその少女は今、僕の胸の中で震えている。


 少女は僕の問いかけを聞いて、少しだけ悲しそうな目をしたがすぐに首を振って薄い笑みを浮かべた。




「──逢えてよかった」




「え?」

「あの、この人は誰? 知り合い?」


 アトラの疑問に答えようとするが、




「もう二度と逢えないと思った。でも、また逢えた……エイジ」




「え、エイジ? なんで僕の名前を……」


 矢継ぎ早に生まれる謎。


「うん。今は、それだけでいい」


 こちらは何も理解できないまま、一人満足げに目を伏せる少女。


「ごめんなさい。時間がない」


 しかし、解を見つけるよりも早く事態が展開していく。


「そして──この出逢いもまた、許されない」

「な、何を言ってるんだ……?」

「だから──」

「ちょっと! 話を聞いてくれ! 君はルナなんだよな? 一体何を言って──」




「だから……もう一回、さよならね」




「さよなら……?」

「心配しないで。私、ずっと待ってるから。たとえ何年経っても、あなたのことを待ち続ける」


 少女は、優しさを湛えた瞳で僕を見上げて。


「ルナ? 君は……何を……?」

「今は分からなくていい。いつか分かった時──その時は」


 頬から伝う一筋の涙が、地面に落ちた。




「その時は、真っ先に私を助けに来てね」




 助ける? ルナを? 誰から? 追われているのか? だとしてもなぜ? 不可解な点が多すぎる。そもそもなぜルナは僕の名前を知っ











RE/LOAD(リロード)











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トッギルマ市都法魔 話23第











 

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