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すもーるとーく!  作者: しきなきし
7/10

7話「コーヒー」

「コーヒーが飲めるカッコいい大人になりたい」


 自動販売機ががこん、とパックジュースを吐き出す音とともに絵空ちゃんが言った。


「あれ? 絵空ちゃんコーヒー飲めなかったっけ?」


 絵空ちゃんが飲んでるのはオレンジジュース。

 わたしが今買ったのはイチゴ牛乳だ。


「あたしの舌をなめんじゃねーぞ? 舌だけに!」

「…………」

「あれ? 伝わらなかった? 今のは舐めると舌を」

「いいから。説明しなくていいから」


 絵空ちゃんに失敗という言葉はないのだろうか。


「おーかはコーヒー飲めるだろー?」

「別に好んで飲んでるわけじゃないけどね」


 と言う桜花ちゃんの手にはカフェオレ。

 残念ながらこの自販機にはブラックコーヒーは置いてなかった。

 なにが残念かはわかんないけど。


「そうなのか? おーかのイメージにぴったりなのに」

「どちらかというと紅茶派だし」

「あ! なんかそっちの方がカッコいい!」


 基準がわからない。


「でもわたしも飲めるよ?」

「うっそ。ななめーるはあたしの味方だと思ったのに! 裏切り者!」

「牛乳と砂糖がないとだめだけど。あと飲むと寝れなくなっちゃう」

「ちくしょう! かわいい! 許す!」

「まぁある程度は慣れだと思うわよ。私だって初めは苦くて飲めなかったし」

「え? 苦くて飲めなかったのに飲み続けたの? なにそれ修行?」

「飲まないと大魔王に勝てる力が身につかなかったからね」

「え? 定められし宿命を背負ってるの?」


 閑話休題。


「絵空ちゃん、最近コーヒー飲んだのいつ?」

「あ? んーっと……十五年前くらい?」

「小学生にもなってないじゃん! いや、物心すらついてないよ!」


 それは飲んだことがないのと同義なんじゃないだろうか。


「だって苦いんだろ? 飲む気になんねーよ」

「どの口がコーヒーの飲める大人になりたいなんて言うのかしらね?」

「そこはほれ」


 ほれ?


「未来の自分に期待してるっつーか。ん? 未来? あ、味蕾だけに!」

「ホント絵空ちゃんは思い付きだけで喋るなぁ……」


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