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課長と移転と次長  作者: 馬場善英
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プロジェクト開始

次の日の朝。

いつも通り起きて朝食を食べ、出勤する。


「おはようございます。」


竹田があいさつする。


「おはよう」

あいさつを返す。

いつもと何ら変わりないこのやり取りだが、竹田の目は完全にいつもと変わっていた。いつもよりなにか輝くものを見るような目だ。


自分の机に行くと、付箋が貼ってあった。


「14:30から会議室1でベトナムの移転地の選定会をはじめます。あらかじめ目星をつけてきてください。」


なるほどね。一からか。

場所くらい決まっているだろうと思っていた春日は少し残念だった。こういうことが好きな奴がいればいいが・・


朝から春日は地図をパソコンで見ていた。現在の中国工場の大きさをメモして、それと同じくらいの広さがある地域を絞り、交通アクセスなどを調べさらに絞っていく。大体意見は一致すると思うが一応調べておかねばならない。


昼食を竹田と一緒に食べに行った。

本社から歩いて3分のところにある行きつけの小さなラーメン屋だ。ここの店の醤油ラーメンは絶品だ。竹田も最近ハマったらしくよくここへ来たがる。

今日もラーメンをすすりながら話す。


「課長。今日はマウスばっか使ってましたね。地図でも見てましたか?」

こいつの感は鋭い。これまで何度驚かされたことか・・・


「その通りだ。まだ場所が決まってなくてね。これからその選定会があるんだ。」


「じゃあニンニク食べられないですね。」

竹田が、かすかに笑いながら言う。


そして会計を済ませて、本社へ戻った。

机に向かいパソコンを立ち上げ、目星をつけたところの画像・アクセス方法・利点・土地代など提案するときに必要な情報を盛り込んだものを人数分印刷した。

春日は選定会からベトナム工場稼働開始まで「移転担当委員会・委員長」としてプロジェクトに関わることになっている。


春日を含め委員は3人少ないと思うかもしれないが、その部下たちも手伝うため人員が足りないということはまずないだろう。社を挙げての大プロジェクトなのだから。

まもなく14:15分になろうとしている。

春日はゆっくりと会議室へ近づき、付箋の一番下に書いてある名前を呼んだ。


「片本和夫と新山一樹か。」

この2人の情報は全くない。うまくやっていけるか不安だが、怖がってちゃこのプロジェクトはやれない。

そう自分自身に言い聞かせ、深呼吸をし扉をあける。


そこにはあの2人が座っていた。


ここからがプロジェクトの本番だ。


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