プロローグ
はじめまして、いづるときと申します!
今回、「ヨハの楽園」という作品を連載することにいたしました。
まず、最初にお伝えしておきたいことがいくつかあります。
第一にこの作品は原作が私、いづるとき。そして、表紙絵や挿絵を実の弟であるイサカが担当いたします。二人ともまだ高校生ということで至らない点が多々あると思いますが、温かい目で見守っていただけたら幸いです。
そして、第二に、一話をワードで約10ページ分を基本構造として連載し、毎回挿絵を入れていく方針ですので、更新は毎週金曜日でやっていこうと思います。更新頻度が空いてしまいますが、どうかご了承ください。
それでは、本編のほうをお楽しみください!!
特殊エネルギー粒子、通称『ヨハ』。
これは、近年日本政府による独自調査によって発見された空気中に含まれる新種のエネルギー物質。
当然、通常であればそれは肉眼では見ることができないが、ある状況下においてそれは人の目でも確認できることは調べられている。そして、政府はそれだけではなく、半永久的に得られるこのエネルギーをうまく利用できないものかという疑問を持った。
それからは速かった。
日本政府はこのヨハについての事実を国家最高機密事項として、世間に公表せず、東京から数十キロ離れた海上に一つの巨大な島を作りあげた。
彼らはその島をこう呼んだ。
『ヨハの楽園』、と。
面積一六〇〇〇〇平方キロメートルで島は二〇のエリアに区分されていて、人口約六百万人の巨大な島。その目的は、ヨハを日常生活に取り入れた世界のモデリング。
政府も紙面上での調査を続けたが、なにぶん謎の多いエネルギー物質のため、それだけでは限界などすぐ目に見えたのだ。
だからこそ『ヨハの楽園』なる島を作り、政府が選んだ六百万の人を住まわせることによってヨハによる新世代構築の足掛かりとしたのだ。
実際、ヨハの楽園では普通に人々は生活していた。普通に学校に通い、普通に働き、普通に遊び、普通に寝る。
ただ外界と違うのは、火、電気、水、その他全てのエネルギーの元がヨハによるものということ。そして、最高機密事項ということで楽園には独自のネットワークのみが存在し、島の外との連絡を一部、政府の管轄以外を遮断しているということである。
当然、島の中から出ることは、政府によって決められた海域以上からは禁じられていて、外から島に入ることも禁じられている。出入り出来るのは、物資を輸入する政府公認の貿易船と、航空区域にある政府管理下にある航空機のみである。
そしてこれは、そんな楽園に住まう一人の青年の物語。