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図書室ピエロの噂  作者: 鳴猫ツミキ(水鳴諒/猫宮乾)
【SeasonⅠ】―― 第三章:トイレの花子さんとババサレ ――
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【024】トイレの花子さんからの情報

 ぼくは恐怖も忘れて、前に身を乗り出した。


「そう、それ! そのピエロだよ! どこにいるか知ってる?」

「最近見ないわねぇ。学校の鏡の中は、全部繋がってるんだけど……うーん」

「じゃ、じゃあ! 十二年前にいなくなった男の子のことは知らない? 図書室ピエロにひっぱりこまれたらしいんだ。步夢くんって名前の男の子!」


 ぼくが〝むがむちゅう〟でいうと、哀名までおどろいた顔をした。ぼくは、哀名にその話をしていなかったことを思い出したが、今は花子さんへの質問が大切だ!


「鏡の中には、時間はないわ。私にはそれしか分からない」


 花子さんはそう言ってから、あらためてぼく達を見て、にっこりと笑った。


「そんなことより、あーそびーましょー!」


 そして両手をぼく達にのばした。

 その時、哀名がポケットから紙を取り出した。そこには星のマークが書かれていた。


「ひっ」


 すると花子さんが飛び退いた。


「それ、嫌い!」

「また今度遊びましょう。今日は帰るわ。行きましょう、楠谷くん」

「う、うん」


 こうしてぼくは、哀名に連れられて外に出た。


「先に外に出てしまいましょう」

「分かった」


 二人で〝もくもく〟と歩いて、旧校舎から外に出る。そこでぼくは大きく息を吐いた。


「ねぇ、哀名。さっきの紙はなに?」

「魔術で使う護符(ごふ)よ。魔除(まよ)けの効果があるの」

「へぇ……」

「楠谷くん、なにも対処しないで、お化けに立ち向かうのは危険。一枚あげる」

「ありがとう」


 ぼくは哀名に、五芒星(ごぼうせい)が描かれた紙を一枚もらった。


「これ、おっても、だいじょうぶ?」

「ええ。持っているだけでいいの」


 うなずきながら、ぼくはそれをポケットに入れた。


「また明日」


 哀名がそういうと歩きはじめたので、ぼくは手を振り、少しの間その場に立っていた。そして旧校舎に振り返り、七不思議が本当だったのだとあらためて思う。


 七不思議は、七番目を知ると死んでしまうという。

 花子さんが本当にいたのだから、それも本当なんだろう。


「絶対に知らないように気をつけなきゃ」


 ぼくは大きく頷いてから、帰ることにした。


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