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図書室ピエロの噂  作者: 鳴猫ツミキ(水鳴諒/猫宮乾)
【SeasonⅠ】―― 第一章:まっかっかさん ――
16/66

【016】決意

「だから、俺は必ず図書室ピエロを見つけ出し、步夢を取り返す。そう決意して、都市伝説の調査をしているんだ」

「そうだったんだ……」

「情けないだろう? 臆病者だろう? あきれたか?」

「ううん。そんなことないよ。水間さんは、助けようとしてるんだから――強いよ!」


 ぼくはぼくなりに、自分の言葉で思ったことを伝えた。

 すると水間さんは目を丸くしてから、また苦しそうな優しそうな、両方が混じっている顔で笑った。マスクがないからよく見える。亮にいちゃんほどではないけど、とってもカッコイイ。


「ありがとう、瑛」

「ううん。本当のことを言っただけだから」

「――步夢のことを思い出すから、瑛を連れて行くのは迷ったんだ。だが、今日は来てくれて助かった。ありがとう」


 水間さんの言葉に、ぼくはうなずく。それから、はたと思い当たった。


「ねぇ、水間さん?」

「なんだ?」

「都市伝説を調べるの、ぼくも手伝おうか?」

「……たった今、危険性を話したと思うが?」

「だって、都市伝説って学校にいっぱいウワサがあるよ? 実際に学校に通っているぼくの方が、調べやすいと思うんだけど」

「それは……、……その通りだ」

「協力するよ。ぼくも、步夢くんを助けるの、手伝いたい。力になれるよ、だってぼくは――」


 ――〝大人〟だから。そう言いかけて、ぼくは言葉を飲み込んだ。

 代わりに、水間さんに向かって、ぼくは右手を差し出した。


「ぼ、ぼくは、水間さんのお手伝いを一回してるから、〝じっせき〟があるんだからね!」

「そうだな」


 するとくすりと笑って、水間さんがぼくの手を握った。握手をしながら、ぼくはじっと手を見る。水間さんは指が長く骨張っている。


「よろしく頼む」

「うん! それじゃあ……毎週日曜日! 日曜日に〝ていきほうこく〟をするよ!」

「分かった。場所はどうする?」

「うーん……うん。この公園にしよう!」


 ぼくが決めると、水間さんが笑顔で頷いた。今は、苦しそうな顔はしていない。


「来週からも、ここで待っている。時間はどうする?」

「今日と同じ!」

「メモしておく」


 そんなやりとりをしていると、市内放送が、昼の十一時を知らせる音をひびかせた。


「そろそろ解散しよう」

「うん!」


 こうしてぼく達は、その場で別れた。



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