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忘却の空に咲く花は  作者: 土佐牛乳


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世界と自分と

「魔術について説明する。欠席の者から音読」


記名術きめいじゅつ:対象に新たな名前を与え、性質を変える魔法。例:「剣」に“雷”の名を与えれば、雷を帯びた剣になる。

召名術しょうめいじゅつ:真名を呼び出し、対象を強制的に顕現・支配する術。強力だが、真名を知らなければ使えない。

抹名術まつめいじゅつ:名前を消し、存在を曖昧にする禁術。対象は世界から忘れられていく」


 魔術を見る。

 近代魔術ならすごいことなのかもしれない。

 ここまでできるのは、タツキのおかげだな。


 あの時の魔法を覚えている。

 タツキは思った。

 人類が救われればいいのにと。

 しかし、できなかった。

 でも何かが変わった気がする。


 誰かが見ていた。

 とあるファイルを見ている。

 どうなっているのか彼は時計塔のころから、見ていたのだった。

 眼鏡をはずす。


「真名:フォレスト・アルト・スターク」フォレスト(Forest):森。自然の叡智と静寂、そして再生の象徴。アルトの内に眠る“古き力”。アルト(Alto):高く澄んだ音。彼の魂の純粋さ、あるいは“名を持たぬ者”から“名を奏でる者”への変化を表す。スターク(Stark):強さ、厳しさ、あるいは“無垢”を意味する。名術の世界で、彼が持つ特異な力の核心に関わる姓」ばかげた子め」


 眼鏡を光らせる。

 暗闇に帰っていった。


 授業は終わった。



 時計台が観察をしている一人の神祖の話をする。

スタフェリア・アブソリュータ・ウロボロウスの一日(記録第17章)

本日、彼女は眠っていた。

深い霧のような夢の中で、時間は輪のように巡り、始まりも終わりも曖昧だった。

目覚めたのは、午後の陽が草原を金色に染めるころ。


彼女は草を食べた。

ただの草ではない。名を持たぬ草。

その名を知らぬままに口にしたことで、草は彼女の中で“存在”となり、

彼女の魔力の一部となった。


「今日の私は、世界の輪郭を少しだけ曖昧にした気がするわ。」


そう呟いて、再びまどろみに沈んでいった。



「世界はどうなっている」


「まだ試練が足りないと言っております」


「そうなのか」


「どうすることもない、彼に任せろ」


 二人はテレビの画面を見た。

 何を言っているのかわからない。

 しかし、結果は…


「この水晶からして観測は同じだ」


「大丈夫だな」


「ああ、大丈夫だろう」


 二人は親睦が深い。

 腹をさする。

 最近のアルトが気になっていた。

 それだけの話である。



 とある一室ギター音楽が鳴る。

 佐部佑。

 彼は魔法のことなどわかってもいなかった。

 というより、どうしたらいいのかもわからない感じで厄年、つまりは宗教が決まった。


 キリストだ。


「これで戦うのか、俺はキリストが大好きだ」


 十字架を持つ。

 彼は寝室を出た。

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