表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/19

第8話 廃墟の地下

挿絵(By みてみん)


カイトたちは地下データセンターの冷たい通路を抜け、廃墟化した旧都市へと移動していた。


かつての繁華街は廃墟と化し、崩れたビルと錆びた鉄骨が月光に照らされる。

埃に埋もれた看板には、色褪せた古い広告が残る。上空では監視用のドローンが音を立てながら巡回する。


挿絵(By みてみん)


瓦礫に覆われた広場に着くと、ユナが周囲を見回して声を上げる。


「え?こんな廃墟に地下への入口なんてあるの!?」


挿絵(By みてみん)


セラフィムのホログラムが淡く光り、地面をスキャンしながら答える。


「スキャン中……隠し階段を発見。音声認識ロックを確認。カイト、解除して。」


カイトが解除を試みるが、解析結果に見たこともない文字が含まれていた。


「なんだこれ?セラフィム、わかるか?」


セラフィムが文字を解析。


「これは古代文字による呪文。解析中……解析完了。解除を実行する。」


「クロノス・デュ・クフシーラン」


挿絵(By みてみん)


セラフィムが呪文を唱えると、隠し階段が現れる。


挿絵(By みてみん)


ユナが目を丸くする。


「うわ、ほんとにあった! なんかドキドキするね!」


挿絵(By みてみん)


セラフィムが冷静に返す。


「ドキドキはいいけど、気をつけて。クロノスのセキュリティは甘くない。」


挿絵(By みてみん)


カイトたちが階段を降り、地下のサーバールームにたどり着く。部屋は無機質で整備され、静かな電流音と点滅する青いLEDが秩序を保つ。


挿絵(By みてみん)


カイトが部屋を見回しながら言う。


「ここがクロノスの中枢に繋がるアクセスポイントだ。セラフィム、システムの状況は?」


セラフィムが端末に接続しながら答える。


「最新のサーバーだよ。クロノスのネットワークに直結してる。セキュリティトラップが仕掛けられてるけど、レーザーセンサーと暗号化ウォール、突破には時間かかる。」


挿絵(By みてみん)


ユナがタブレットを握り、目を輝かせる。


「そんな罠には絶対負けないよ! 真実を掴むんだから!」


挿絵(By みてみん)


カイトは頷き、床を指さす。


「センサーはそこに埋め込まれてる。動く前に、セラフィム、トラップの解析を急いでくれ。」


「了解、解析してる。レーザーは3秒ごとにパターン変更、暗号化ウォールは2048ビットの動的鍵。ちょっと厄介だけど、いけるよ。」


カイトたちが慎重に進む。突然、床から赤いレーザー線が浮かび上がり、複雑な網目を描く。


挿絵(By みてみん)


ユナが飛び退き、叫ぶ。


「ありえない! これ、触ったらどうなるの!?」


挿絵(By みてみん)


セラフィムが素早くデータを確認。


「触れたら即座に警報。クロノスのセキュリティが反応して、巡回中のドローンがすぐ来る。…でも、隙間は見つけた。カイト、右に45度、3歩進んで。」


カイトは無駄のない動きでレーザーを避け、サーバーの制御パネルへと向かう。


挿絵(By みてみん)


ユナもその動きを真似るように後を追う。


「うわ、怖い! でも、カシアの秘密、絶対見つけるんだから!」


挿絵(By みてみん)


カイトたちはレーザーセンサーをなんとか回避するが、次に、仮想の壁「暗号化ウォール」がカイトたちの前に立ちはだかっていた。


カイトがユナに警告する。


「壁には絶対に触れるな。どんな仕掛けがあるか分からない。」


「うん、わかった。」


ユナが頷く。


「セラフィム、暗号化ウォールの解除はまだか。」


セラフィムが冷静に答える。


「予想以上に暗号パターンが複雑で時間がかかってる。カイト、手伝って。」


挿絵(By みてみん)


「わかった。セラフィム、スクリーンを出してくれ。」


カイトとセラフィムは協力して暗号パターンの解析を続ける。


「こっちの解析は終わった。セラフィム、進捗状況は?」


セラフィムのホログラムが強く輝く。


「こちらも解析完了。暗号化ウォールの解除を実行する。……解除完了!」


挿絵(By みてみん)


「やった!罠を突破できた!」


ユナが安堵の笑みを浮かべる。


暗号化ウォールは一瞬光を増した後、静かに消え去った。


挿絵(By みてみん)


カイトたちは素早く前に進み、制御パネルにたどり着く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ