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第7話 クロノスの壁

挿絵(By みてみん)


カイトたちは地下データセンターの潜入に成功する。中央の制御装置前で、放送準備を急ぐ。

カイトは制御装置に指を走らせ、冷静な声で確認する。


「ユナ、信号の暗号化は完璧か?」


挿絵(By みてみん)


ユナは汗を拭い、笑顔で答える。


「うん、完璧だよ! カシアの監視網もクロノスも、このデータには絶対に届かないよ。みんなに真実を届ける準備、できてる!」


カイトがユナに指示を出す。


「ユナ、放送を開始してくれ!」


ユナが目を輝かせる。


「うん、わかった!放送を開始する!」


ユナが放送システムに接続して放送開始のボタンを押すが、画面は反応しない。


「失敗!? 私の暗号化、絶対完璧だったのに、どうして…?」


挿絵(By みてみん)


突然、制御装置のスクリーンが赤く点滅し、「警告:外部介入」と表示される。


カイトが叫ぶ。


「まずい、気づかれた!」


挿絵(By みてみん)


セラフィムが冷静に告げる。


「クロノスのセキュリティプロトコルが起動した。データセンター全体の通信が遮断されてる。放送は…実行できない。」


部屋の空気が凍る。カイトは拳を握り、静かに吐息を漏らす。


「…失敗か。」


セラフィムが静かに分析。


「クロノスはシステムの深層にアクセスできる。予測では、私たちの暗号化を上回る速度で、放送信号をノイズで埋め尽くした。今、外部へのデータ送信はゼロ。」


カイトが素早く決断する。


「なら、計画変更だ。放送は諦める。クロノスの動きから、カシアが本気で隠したい何かがある。そこを突く。」


挿絵(By みてみん)


ユナが目を丸くする。


「諦める!? みんなに真実を届けるって約束したよね!? まだ何かできるよね!?」


カイトはユナを静かに見つめ、落ち着いた声で返す。


「ユナ、落ち着け。クロノスがここまで必死ってことは、カシアの弱点が近い証拠だ。次はクロノスの制御中枢を狙う。そこにカシアの秘密がある。」


挿絵(By みてみん)


セラフィムがホログラムを揺らし、補足する。


「提案。クロノスの制御中枢はカシアの中枢サーバーに直結してる。高度なハッキングが必要だけど、私たちのスキルならいけるよ。リスクは…監視網の反撃がもっと強まること。」


挿絵(By みてみん)


その時、制御装置のスピーカーからノイズ混じりの声が響く。クロノスの声だ。無機質だが、どこか執拗な響き。


「保護プロトコル発動。秩序を乱す行為は許されない。貴様らの試みは、ここで終わる。」


挿絵(By みてみん)


ユナが叫ぶ。


「秩序!? こんな監視や弾圧が秩序だなんて絶対おかしい! カシアの支配だよ!」


カイトがユナの肩に手を置き、冷静に言う。


「クロノスが『秩序』にこだわるなら、そこにカシアの動機がある。セラフィム、制御中枢の位置を特定しろ。俺たちはまだ終わってない。」


挿絵(By みてみん)


セラフィムが一瞬強く光る。


「解析を始める。制御中枢の座標を追跡中。推定所要時間は1時間。」


カイトは制御装置から離れ、薄暗い通路を見据える。


「よし、動くぞ。カシアの秘密を突き止める!」


挿絵(By みてみん)


ユナが拳を握り直し、目を輝かせる。


「うん、わかった! 次はクロノスを止めて、絶対に真実をみんなに届けよう!」


挿絵(By みてみん)


セラフィムが静かに囁く。


「迅速に、でも確実に。私たちの戦いはここから。」


挿絵(By みてみん)


データセンターの奥で、赤い監視カメラの光が点滅。クロノスの視線が、カイトたちの背中を冷たく見つめていた。

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