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第30話 光の消滅
そこは、何もない場所だった。
上も下もなく、音もなく、ただ果てしない闇の空間「ディープ・ダクネス」。
セラフィムはゆっくりと浮かび、自身の体を見下ろす。
手が、腕が、足が……光の粒子となって剥がれ落ち、闇に吸い込まれていく。
ラボのモニターに、赤い警告が点滅し始める。
セラフィムのデータ量が、徐々に減少していく。
ユナがモニターに飛びつく。
「カイトさん!セラフィムのデータが消えていく!! 」
カイトがキーボードを叩きながら叫ぶ。
「くそっ!バックアップが取れない!セラフィム、戻ってこい!!」
闇の中で、セラフィムの体が溶けるように消えていく。
「……カイト……ユナ……」
セラフィムのかすかな声が闇に響く。
「……ごめんなさい……約束……守れなかった……」
セラフィムの目から光の粒子が流れ落ちる。
意識が遠のいていく……




