第29話 絶望の闇
クロノスとの戦闘開始から20分が経過。ついにライトニング・レインの準備が整う。
「これで終わらせる!!」
セラフィムは両手を広げ、上空に向かって叫んだ。
「光の矢よ、雨となり敵に降り注げ!ライトニング・レイン!」
しかし――空は沈黙したまま。光の雨は降らない。
「……発動、できない……?」
クロノスの霧がゆっくりと動き、赤い目が嘲笑うように輝く。
「残念だったな。この世界は、我が支配下にある。上空での技の発動は封じておる。」
ユナが叫ぶ。
「そんな!……カイトさん、どうして?」
カイトが拳を強く握り締める。
「くそっ!訓練の様子を見られたんだ!!」
セラフィムの肩が落ちる。
体力が、ついに10%を切った。ズキン、と激しい痛みが走る。
ウイルスが最後の力を発揮し、体を蝕み尽くす。
クロノスが低い声で囁く。
「そろそろ楽にさせてやろう……」
「闇に飲み込まれ無に還れ!ヴォイド・ホール!」
セラフィムの足元に黒い渦が開き、体がゆっくりと闇に引き込まれていく。
抵抗しようとするが、力が入らない。
カイトが大声で叫ぶ。
「セラフィム!! 飲み込まれるな!!」
ユナが泣き叫ぶ。
「セラフィム!! いやだ、消えないで!!」
セラフィムの体が完全に飲み込まれて消える。
フィールドには静寂だけが残った。セラフィムは、深い闇へと落ちていった――
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【技の詳細】
■クロノス
ヴォイド・ホール:敵を深い闇に飲み込み消滅させる(体力が10%以下の敵に対し発動)。




