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第25話 感染
セラフィムは表面に付いたウイルスを振り払うが、既に多くのウイルスがセラフィムの体内に潜り込んでいた。
「……くっ」
ウイルスがセラフィムの中で蠢き、ズキズキと痛みが波のように襲う。
カイトがモニターを睨む。
「まずい、ウイルスで体力が消耗している……」
ユナが声を震わせる。
「セラフィム、無理しないで……」
クロノスの霧がゆっくりと広がり、赤い目が妖しく輝く。
「どうだ、セラフィム。力は抜けていくか? 我がウイルスは完全なる支配だ。」
セラフィムは膝を震わせながらも、まっすぐクロノスを見据える。
「……カイト、ユナ、まだ大丈夫。クロノスは私が必ず倒す。」
クロノスが低く笑う。
「無駄な抵抗だ。もう動けまい。」
次の瞬間、闇の腕がセラフィムに襲い掛かる。
「っ!」
セラフィムは咄嗟に身を翻し距離を取る。
だが着地の瞬間、膝がガクッと落ちた。
ウイルスがセラフィムの体力を蝕み続ける。
セラフィムはよろめきながら立ち上がる。
「……負けない。絶対に。」
クロノスがあざ笑う。
「面白い。もう少しだけ遊んでやろう。」
深い暗闇に、クロノスの声が不気味に響く。




