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第23話 回廊の罠
門をくぐると、冷たい風がセラフィムの頬を撫でた。
目の前は真っ暗な回廊。足を踏み出すと、床の石が淡く青白く光る。
静寂の中、天井から重い声が鳴り響く。
「我が領域へよくきた。セラフィム。」
クロノスの声だ。威圧的で、底知れぬ力を持つ響きだ。
セラフィムは表情を変えず、歩き続ける。
突然、頭上でゴゴゴッと地鳴りのような音がした。天井がゆっくりと降りてくる!
カイトが机を叩く。
「くそっ!またしても罠か!」
ユナが叫ぶ。
「セラフィム、早く逃げて!」
天井がどんどん迫る。セラフィムは全力で走るが、出口は見えない。
「このままじゃ間に合わない……それなら、試すしかない!」
彼女は深く息を吸い、足に力を込めた。
「セレスティアル・スラスト!」
セラフィムは光の速さで一気に前へ突進!
風を切る音が回廊を震わせる。
ユナが目を丸くする。
「すごい!マスターの技だ!」
カイトが拳を握る。
「ああ、想像以上に成長している。」
天井が床に激突する寸前、セラフィムは回廊を抜けてクロノスが待つ空間に出る。
背後で轟音が響き、埃が舞い上がる。
「……次は、あなたの番よ、クロノス。」




