第21話 階段の罠
セラフィムは光の階段を一歩ずつ慎重に登る。
長い階段は淡く輝き、足音がかすかに響く。ラボのモニター越しに、カイトとユナが息をのんで見守る。
カイトが拳を震わせる。
「まだか…もう2時間以上経ってるぞ。」
ユナが不安そうにつぶやく。
「セラフィム、大丈夫かな…」
3時間が経過。ようやく階段の終わりが近づき、近くに広場が見える。
光の粒子が汗のように額を伝う。
「もう少し…。」
だが、最後の一段を踏みしめた瞬間、階段が砕けるように崩れ落ちる。
世界が一瞬スローモーションになる。
「え!?……」
足元から支えが消え、重力がセラフィムを闇の底へ引きずり込む。
カイトがモニターに飛びつく。
「まずい! この高さから落下したら…!」
ユナが叫ぶ。
「カシア、どこまで卑怯なの!」
セラフィムの演算がうなる。
「こんなところで倒れるわけにはいかない!何か解決方法は…」
「…見つけた!ライトニング・ウィップ!」
セラフィムの手から光の鞭が放たれ、広場の柱に絡みつく。
ユナが手を叩く。
「やった、助かった!」
カイトが息を吐く。
「よくやった、セラフィム。」
鞭が収縮し、セラフィムは広場に降り立つ。
彼女の目は鋭く、闇を見据える。
広場の先には刀を持った門番がセラフィムを待ち構えていた。




