第19話 闇の入口
モニターの青白い光がカイトの顔を照らす。カイトはキーボードを叩き、クロノスの設計図をスクロールする。
セラフィムの声が静かに響く。
「カイト、設計図にクロノスのカスタマイズ機能を検出。詳細を解析中。進捗35%。」
カイトは拳を握る。
「よし、その調子だ。」
突然、モニターがノイズで乱れ、銀髪のカシアの顔が浮かぶ。青い目が冷たくカイトを射抜く。
「カイト、久しぶりね。」
カイトが叫ぶ。
「カシア!今度は何をするつもりだ!」
カシアが冷たい声で返す。
「カイト、セラフィムの開発を中止しなさい。そうすれば、あなたたちの安全は保証するわ。」
カイトの指が止まる。怒りが胸に込み上げる。
「ふざけるな! セラフィムの開発は続ける。お前は街を破壊し、人々を脅かし、自由を奪った。俺はお前を絶対に許さない!」
カシアが冷たい笑みを浮かべる。
「予想通りの回答ね。最後の戦いにふさわしい舞台を用意したわ。カイト、そこで決着をつけましょう。もし私が負けたら、街の破壊も支配もやめることを約束する。」
ネクサスの中央に闇の入口が現れる。
「セラフィム、その入口を進みなさい。その先にクロノスが待ってるわ。」
通信が切れる。
ユナが息をのむ。
「カイトさん、これは罠だよ! 設計図の解析もまだ途中だし……。」
カイトの鼓動が高鳴る。
「わかってる。しかし、これはカシアの支配を止めるまたとないチャンスだ……くそっ、どうしたら……。」
セラフィムの光が強く輝く。彼女の声に、静かな力強さが宿る。
「カイト、ユナ、心配しないで。私なら大丈夫。必ずクロノスを倒して見せる。私を信じて。」
カイトは深呼吸して、キーボードに指を置く。
「わかった。いけ! セラフィム!」
セラフィムは頷き、闇の中に姿を消す。
ラボに静寂が訪れ、カイトとユナは息を潜めて見守る。戦いの幕が、ゆっくりと上がる。




