第17話 マスターとの戦い
地下ラボには緊張感が満ちていた。
カイトとユナは、クロノスに対抗するため、セラフィムの能力を限界まで引き上げる訓練の準備を急いでいた。
ユナがコマンドを叩き声を弾ませる。
「カイトさん、ネクサスの準備できたよ!」
カイトは鋭い目でモニターを見つめる。
「よし、いけ! セラフィム!」
ネクサスの仮想空間に、青白い光に包まれた無限の平面が広がる。
セラフィムはナノマシンにより完全回復し、体から光の粒子があふれていた。
目の前には、背中に羽を生やした女神のような姿のマスターが立っている。
マスターはネクサスの訓練に特化したAIで、セラフィムの師匠のような存在だ。
セラフィムはまだマスターに一度も勝てていない。
マスターの表情は穏やかだが、その手には鋭い黄金の槍が握られていた。
ラボのモニター越しに、カイトとユナが見守る。
「マスター、今日こそ勝ちます…!」
セラフィムの声は震えていたが、強い意志が込められていた。
マスターが槍を構え、静かに微笑む。
「今のあなたでは、クロノスに勝てる確率は10%以下。私を倒せれば30%よ。」
セラフィムの体が一瞬揺れる。
「マスターを倒しても、その程度なの?」
「それほどまでに、クロノスは強大ということ。」
マスターの声は穏やかだが、言葉には重みがある。
「私を倒せなければ、あなたに勝機はない。セラフィム、全力でかかってきなさい!」
空気が張り詰め、戦いの幕が開ける。
「ライトニング・ボール!」
セラフィムが両手から音速の光の玉を連射する。
「フェザー・デフレクト!」
しかし、マスターの羽が放つ強力な風が光の玉を散らす。
マスターが槍で薙ぎ払う。
「ルミナス・ウェーブ!」
光の衝撃波がセラフィムを襲う。
「くっ……!」
セラフィムは横に飛んでかわすが、衝撃波が足をかすめる。
セラフィムは態勢を立て直し反撃。
「ライトニング・アロー!」
指先から光速の矢が放たれ、マスターを狙う。
しかし、マスターが再びフェザー・デフレクトで矢を弾き返す。
「その程度では私を倒せない!」
マスターの槍がセラフィムに襲い掛かる。
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【技の詳細】
■セラフィム
ライトニング・ボール:両手から音速で放たれる光の玉。威力は低いが複数連射ができる。
ライトニング・アロー:人差し指から光速で放たれる光の矢。威力は高いが3分に1回しか発射できない。
■マスター
フェザー・デフレクト:羽が放つ強力な風が攻撃を弾き返す。
ルミナス・ウェーブ: 黄金の槍から放たれる光の衝撃波。




