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異世界旅はハンマーと共に  作者: 月輪林檎
嫌な思い出

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98/176

全滅の原因

 それからミノタウロス倒して、坑道の奥に向かって進んで行った。その結果、私がレベルアップした。


────────────────────


ヒナ Lv43『雷鎚ミョルニル』

職業:槌士Lv22

MP:9918/9918

筋力:11522(800)『3000』

耐久:8675(510)『2000』

敏捷:5413『1000』

魔力:3173『1000』

器用:3825

運:430

SP:430

スキル:【槌術Lv29】【両手槌術Lv19】【体術Lv18】【武闘術Lv8】【投擲Lv13】

【雷魔法Lv3】

【MP超上昇Lv70】【剛腕Lv50】【頑強Lv76】【疾駆Lv45】【知力Lv5】【至妙Lv34】

【騎乗Lv2】【採掘Lv58】

【MP回復力超上昇Lv59】【重撃Lv38】【相殺Lv5】【暗視Lv83】【隠密Lv12】【見極めLv28】【気配察知Lv10】

【火耐性Lv8】【風耐性Lv6】【雷耐性Lv10】【雷電耐性Lv7】【斬撃耐性Lv5】【刺突耐性Lv1】【打撃耐性Lv10】【毒耐性Lv3】【痛覚耐性Lv10】【苦痛耐性Lv10】【激痛耐性Lv10】【精神耐性Lv10】

【高速再生Lv88】【竜の血Lv5】

【生命維持】【色欲】【不死】【女神との謁見】

職業控え欄:旅人Lv1 平民Lv18 採掘者Lv48


────────────────────


 結構レベルが上がっていなかったから伸び自体は良い。筋力一万以上に耐えてくるミノタウロスの耐久の高さが怖い。多分MPとか魔力、器用とかが極端に低いのかな。さすがにそこまでゲームではないか。

 雷鎚ミョルニルの雷を使えば内部にダメージを与えられるから、特に大きな問題はないけど、一撃で倒せないと殲滅までに時間が掛かってしまう。

 アリサは、私の負担が軽くなるように動いてくれている。ミノタウロスの首を掴んで潰すといった方法で数を減らしていた。それはアリサのステータスだから出来る事。この状況では私が完全に足手纏いだ。

 もっとステータスが欲しいけど、贅沢は言っていられない。


「アリサ。他にミノタウロスは?」

「奥の方にまだいるよ」

「よし。行こう」

「大丈夫?」


 アリサは、私の頬を手で覆って聞いてくる。絶対に顔を逸らさせないという意思を感じる。こうして表情や目から私が嘘を言っていないという事を確認するためだ。


「大丈夫。戦闘の昂揚感の方が強いから」


 ミノタウロスとの戦闘は、割と死と隣り合わせだ。普段の戦闘でも同じだけど、ある程度力の差があるから、大分死は遠ざかっている。

 そんなミノタウロスとの戦いにおける基本的な戦闘方法は最初から変わらない。私が身体強化で速度を速めて移動した私がミノタウロスの大斧を壊して、アリサが倒す。

 数が多ければ私が一体から二体を担当する。ミノタウロスの基本編制は二体から五体。平均で出て来るのは三体。なので、私が一体を担当する事が多くなる。


「レベルとかで言えば格上かもしれないけど、まだ戦えてるしね」

「本当に?」

「本当に」


 アリサはジッと私の目を見てから、キスをしてきた。心配の現れかな。五秒くらいキスをしてから口を離した。


「無理はしないでね」

「分かってる」


 アリサは、最後に頬にキスをしてからまた駆け出す。私も後を追って駆け出した。アリサも私の精神的なものを心配してくれている。坑道に入ってから、三十分以上は経っているけど、何も問題は起きていない。やっぱり、私が怖い場所は坑道そのものじゃないという事だ。

 心配してくれるアリサには感謝しないといけない。そんな調子で走っていると、アリサが止まり、私を引っ張って別の道に入ってから壁際に寄せる。ほとんど壁ドン状態で、一瞬心臓が高鳴った。


「アリサ……?」

「先に入った冒険者達が全滅した理由が分かった」


 その言葉で喜びから警戒に意識が切り替わる。ついでにアリサの声も真剣なものだった。だから、私も真剣になる。


「どういうこと?」

「この先に一際大きなミノタウロスがいる。冒険者が持っていたのかもしれないけど、異常な大きさの大剣を所持しているみたい。あの大きさだと通路とかで使いにくいと思うけど、あのミノタウロスがいる空間は天井が高くなっているから、あそこを狩り場にしたのかも」

「ここに来るまでにも通った広い空間の事?」

「うん」


 ここの坑道には時々ドーム状になっている広い空間がある。言ってしまえば中継地点みたいなところだ。二階ぐらいの高さがあって、足場も付けられている。そうやって自分達で掘ったのだと思う。

 そこから更に複雑に坑道が続くという形をしている。本当に蟻の巣というのが正しいと思う。


「アリサでも勝てない?」

「ううん。問題ないと思う。でも、瞬殺とはいかないかも。武器の扱いにどこまで長けているかで変わってくるかな」

「【気配察知】で感じるのは、ミノタウロスが十体くらいなんだけど」

「うん。合ってる」


 つまり、大剣持ちのミノタウロスと他のミノタウロス九体以上が広い空間にいるという事だ。空間の広さから考えて、ある程度分断は出来る可能性が高い。


「じゃあ、行こう。アリサは、強い個体をお願い。私は周囲にいるミノタウロスを牽制するから助けてね」

「……うん」


 アリサは、ここでも私にキスをする。そして力強く私を抱きしめると、もう一度額にキスをしてくる。


「絶対に無理はしないでね」

「うん。分かってる」


 準備を整えて、私達は広い空間に飛び込んだ。

 アリサは、一番大きな個体に向かって突っ込んでいく。本当に人と同じくらいの大きさの無骨な大剣を持っている。他のミノタウロスは、大斧を持っているだけだ。つまり普通のミノタウロスだという事。

 役割分担通りに私は普通のミノタウロスに挑む。雷を纏って身体能力を上昇させてから、私に気付いて攻撃しようとしてくる一体のミノタウロスの大斧を破壊する。

 他のミノタウロス達は、アリサがリーダーに突っ込んでいるので、それに加勢しようとしている。私がそこに先回りしてちょこまかと動きながら、次々に大斧を破壊していくと、意識が私の方に向いた。

 ミノタウロスの数は十二体。まぁ、大体【気配察知】通りかな。


(思ったよりも大剣が硬いのか、アリサが苦戦してる……なら、私は私で頑張らないと)


 アリサと戦っているミノタウロスは大剣を盾代わりにしたりと上手く立ち回っている。武器の扱いに長けているミノタウロスみたいだ。

 ただミノタウロスも凄いけど、それ以上にアリサのステータスでも砕けないあの大剣が凄いとみるべきかな。

 なので、私は一人でミノタウロス十二体を倒す事を目標にする。取り敢えず、これからの戦闘は考えずに全力を出す事にする。常に雷を自分と雷鎚ミョルニルに纏わせる。


 拳を振ってくるミノタウロスの腕に合わせて雷を纏わせた拳を振い相殺する。でも、纏っていた雷がミノタウロスに流れていった。

 弾かれたように腕を上げたミノタウロスの身体に雷鎚ミョルニルを叩き付けようとしたが、別のミノタウロスが背後から拳を振ってきた。

 それをバク宙の要領で避ける。異常な高さを出せるので、曲芸じみた避け方でも問題はない。ミノタウロスの拳は私が殴ったミノタウロスの腹に吸い込まれていき、思いっきり殴り飛ばした。

 相手の攻撃を利用して、ダメージを増やす作戦だ。相手の動きを全て把握して、使える攻撃を利用する。

 私に向かって振られる拳に下から雷鎚ミョルニルを当てて、背後から来ているミノタウロスの顔面を殴らせて、がら空きになった腹を雷鎚ミョルニルで殴る。内臓が焼けた事でミノタウロスが血を吐き出す。

 その間に、顔面を殴られた方のミノタウロスに接近して側頭部を雷鎚ミョルニルで殴る。追撃の雷が脳を焼いてミノタウロスが倒れた。本気の雷を纏わせれば一撃で脳を焼き尽くす事が出来るみたい。

 そこに二体のミノタウロスが角を向けて突っ込んで来るので、垂直跳びで避けた。私がいたはずの場所に真っ直ぐ突っ込んだ二体のミノタウロスが互いに頭をぶつける。上にもある程度空間があるので、垂直跳びでも十分に避けられる。

 身体を回転させて、頭をぶつけ合ったミノタウロスの内一体の頭に雷鎚ミョルニルを叩き付ける。位置エネルギーを運動エネルギーに変えて叩き込んだ一撃は、ミノタウロスの硬い頭蓋を凹ませて内部を焼く。

 大丈夫。私はやれているこの調子でミノタウロスの数を減らせば、アリサも集中して戦える。ここが頑張り時だ。

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