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みうへ  作者: A氏
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酒に狂わされる女に狂う

 私もこんな生活が嫌になる。実家を売った。仕方ない。父の借金もあった。大量にカードローンが残っていた。父がキャンプ道具を大量買いしたからである。そして家の中は酒を隠していたのか、様々なところから飲みかけの酒が出てくる。全部腐り、カビが生えて、血だらけでもあるから住む気にもなれなかった。

 私の鬱憤も父と同じように酒を飲めば無くなるのだと思った。飲んだらお前しか頭に出てこない。泣き上戸と言われる部類がいるがこれもそう言えるのだろうか。一人で酒が飲めなくなった。みんなと飲んでも一人になったら思い出すようになった。

 そして母は私に金をたかる様になった。

 「家を売ったんだから金持ってるんでしょ。」

 そう言って自分の生活費、愛犬の病院代、車検が来て...何かと理由をつけてせびってくる様になった。

 私は信用できる存在を失った。何もかもうまくいかなかった。そして愛情を女で埋める様になった。寂しいときは女を作れば良いのだと学んだ。酒よりも私にとっては効果があった。適当に釣れそうな女を釣った。同時に何人描いても良いんだ。寂しさや不安を埋める事ができる。それだけで十分だった。

 昔は一途だった。フラれたら次に行けば良いと思っていた。彼女には尽くしてあげたいと思っていた。そしてそれが普通だと思っていた。紳士たるもの彼女を満足させてあげるものであると思っていた。

 でもそれでは寂しさは埋めれない。そして不安になる時期ができてしまう。酒を飲むこともできない。ただ甘えさせてくれる存在がいればよかった。大学の後半戦はただのクズとなっていた。私も廃れたものだ。

 私の幼少期は何も良いことがなかった。愛着障害を抱えている様だと心理学を学べば学ぶほど思った。冷め切った家はただのシェアハウス。ドミトリーと言ってもいい。父と母の会話は月に一回だけ。

 「今日給料日でしょ。金は。」

 「今日は仕事だから下せてないよ。」

 「は、金ないんだけど。コンビニだって下ろせるでしょ。今すぐいってきて。」

 ただそれだけだった。

 そう思うと捕まってからが一番会話をしていたのかもしれない。父は家に帰ったら酒を飲んで寝るだけで会話は私とも母ともしなかった。

 私の家は特殊で家事を母がしない。皆が自分のことだけをするのだ。例えば私は月に2万円金をもらう。この金で3食分や生活に必要なものを賄っていた。洗濯物は皆が別々に自分のものだけを洗う。全てがバラバラで共通したものなど風呂とトイレくらいであった。本当にドミトリーと言える。この生活は小学生の頃から始まった。関係が悪いというのを私に悟られてから諦めて全面に出す様になった。

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