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プロローグ
『その本を読むと死ぬ』
そんな都市伝説がこの数ヶ月、SNSやネット掲示板で噂されていた。ある殺人事件から始まったこの都市伝説は、2回目の殺人事件によって瞬く間に広がる。
一時期、ネットではこの噂で持ち切りになり、ニュースでもそんな話題を取り上げる番組が出るほどだった。
最初の事件は、被害者の男性が自宅で頭部を殴打され殺害されるというもの。犯人の証拠は見つからず、倒れた被害者の側にあった一冊の黒塗りの本以外は、至って普通の殺人事件だった。
2回目の事件は少々不気味で、被害者の女性はカフェで殺害された。飲んでいたコーヒーのカップの口についた毒での毒殺だった。カフェでの入念な捜査が行われたが、十分な証拠は見つからず、店員達の潔白が証明されていくばかりだった。女性の読んでいた本が1回目の事件と同じものだと分かり、警察はこの2つの事件を「連続黒本殺人事件」と称し、捜査本部を設置した。