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果てなき空で”果て”を目指す物語  作者: 琉 莉翔
魔法修行編
21/304

魔法修行、開始

 船はさらに空を進んだ。ある程度まで進んだところで、自動航行装置を起動しエボットも休息を得た。船内倉庫には、包帯などの医療用道具もそれなりに入っていた。サグたちの体には、人生で初めて包帯が巻かれた。

 風呂に入り、夕食を食べる頃には、すでに三人とも疲れ切っていて、布団に入るとすぐに寝てしまっていた。

 朝を迎えた。ディオブが先に起きて朝食を作ってくれていた、朝食の内容はスクランブルエッグとトーストだ。朝食の中で、ディオブには改めて自分たちがどんな体験をしてきたのかを話した。時折頷きながら、ディオブは静かに話を聞いていた。話し終えると、何も言わず立ち上がり、扉を指差した。


「食ったら修行開始だ、強くならないとな」


 口調は変に優しかった。三人は急いで朝食を食べ終えて甲板に出た。テリンは前の島で買っていたノートとペンを持っていた。

 ディオブを正面にして、三人が並び立った。

 

「よし、これから魔法修行を始める、それじゃまず理論からな」

「理論?座学から始めるの?」

「そうだ、まずは”何を習得するのか”そこからだ」


 ”魔法”


 それは、生物に宿る神秘の力

 現代科学でさえも、その正体を知ることはできていない。

 魔法にはいくつかの属性がある。魔法を使う者たちは、自分に合った属性を伸ばし、魔法用の体内エネルギー”魔力”を利用して魔法を発露する。


「ってのが、魔法の基本的なとこだ」

「自分に合った属性って?」


 ノートにメモを取っていたテリンが言う。


「ああ、魔法にはいくつか属性がある、俺が知っている範囲じゃ」


 テリンからノートとペンを受け取る、床に置いて描き始めた。三人も座ってノートを囲む。

 まず大きめに丸を描いた、そしてそこに適当に間隔をあけて文字を書き込んだ。一番上の位置から時計回りに、火、水、氷、土、鉄、木、雷、毒、念、そしてまた一番上の火に戻るという形になっている。円の下にさらに闇と光と言う双方向の矢印で結ばれた二つを書き足した。


「この円は通称”魔属図”だ、大体の人間の適性はこの円のうちのどれかになる」


 ペンで円の部分をペシペシと叩きながら言った。


「この図が円である理由は、適正と修得のしやすさを表しててな」


 円にある各属性の間に、火→水→氷→土→鉄→木→雷→毒→念→火という方向に矢印を書き足した。


「例えばそいつの一番の適性が火なら、次に習得しやすいのは水、その次は氷、一番習得しにくいのは念って感じだ」

「その場合って、念は習得できないの?」

「いや、才能と努力次第じゃできないこともない、だがそれなら普通に火や水を伸ばす、ってなるだろ」

「なるほど」


 サグの疑問は当然だったが、ディオブの返しも当然だった。

 興味深い話に、心がドキドキする。自分はなんの属性なのだろうか、そんな好奇心が心を躍らせる。


「下の二つは後にしよう、まずは自分の適性を知ることだ」

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