手記と果実のデジャヴ<僕の心に時代の違う意中の二人が住み着いた>
新社会人になる年は、これまでの学生生活から環境ががらりと変わり、社会の波にもまれるためか、人生の中で最も変化や戸惑いが多く、誰もが多忙で疲弊する一年である。そんなめまぐるしいこの一年に、運命のいたずらで、人生で最も過酷な試練が与えられたら、どうなるか。運命は、ある青年にあらゆる病気を治す魔法の果実を与えたのであった。
この魔法の果実の存在は、浅水貴之(あさみず たかゆき)という青年の人生の輪を大きく動かす。彼が小学生の時、同級生の女子である遥(はるか)を病気から救うべく魔法の果実を探すが、果実を探している間に遥が息を引き取った暗い過去があった。彼女の死が、貴之の心の傷であった。
一二年後、貴之は何事もなかったかのように、大学生活を満喫していた。貴之は意中の存在である、大学の同級生である有希子(ゆきこ)と付き合いたいと友人たちに相談するも、大学付き合うことは叶わなかったことが、唯一の心残りであった。
社会人となった貴之であったが、社会の闇が彼に襲い掛かる。会社はパワハラ体質が蔓延しており、徐々に貴之の精神をむしばんでいった。
人生に絶望する中、有希子も社会の闇の餌食になっていたことを知り、二人は傷をなめ合いながら、やがて交際を始める。心の支えが出来た貴之は、人生の支えを見つけたことで、わずかな希望を見出す。
だが、運命は貴之にさらなる追い打ちをかける。
有希子の病気の事実を知った貴之は、今度は恋人の有希子を病気から救うべく、魔法の果実を探す旅に出る。だが、一二年前の自分と重なる自分がいた。遥の時のように、またしても恋した人を失うのではないかと恐れていた。
果たして貴之は魔法の果実を見つけることが出来るのか?
病気の有希子を救い出すことが出来るのか?
新社会人は、人生の中で最も多感な一年である中、貴之は宿命に睨まれた餌食として、さらに過酷な一年を送ることになる。
二〇二×年の一月一日から一二月三一日までの時系列で彼らを追った、恋愛・友情・冒険・哲学・社会問題・コメディ・ミステリー・ファンタジー・オカルト・野球? など、あらゆるジャンルが詰まった、まったく新しい総合小説が、ついに誕生!
一月 有希子との出会い
2021/08/01 18:38
二月 バレンタインは戦争だ?
2021/08/01 18:42
三月 それぞれの想いと旅立ち
2021/08/01 18:47
四月 社会の闇と孤独が牙をむく
2021/08/01 18:51
五月 もうだめかもしれない・・・
2021/08/01 18:53
六月 誰もが僕とは違って幸せに見えた
2021/08/01 19:04
七月 絶望の先に希望の光が見えた
2021/08/01 19:08
八月 時代の違う意中の人が現れた
2021/08/01 19:58
九月 なぜ・・・
2021/08/01 20:04
一〇月 何を支えに生きているのだろう
2022/10/16 18:57
(改)
一一月 人生で最も長く濃い一日
2022/10/16 19:08
(改)
一二月 夢? 現実?
2022/10/16 19:15
エピローグ
2022/10/16 19:19